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嫌売屋  作者: 梨野 つぶて
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case.1 大久保 真由美[04]

「私は専業主婦をしていて、小学生の娘と、夫とその母親と四人で暮らしています。」


「結婚した時からずっと義母とは同居でした。これまで、義母とは意見の違いはありつつも、私が折れる形でなんとかうまくやってきました。」


「でも…娘が生まれて、義母が育児に口出しするようになってきたんです。それまで自分の事は我慢出来ていたんですが、娘の育児の事となるとうまく受け流せなくて…」


「たびたび…義母と口論になったり、なんと言うか…自分で自分の感情のコントロールが出来なくて………」この辺りまで話すと大久保様は言葉に詰まってしまった。


「突然泣いてしまったり、怒ったりしてしまった。という事を仰りたいのですね?」そこを白石さんが続ける。


すると大久保様は「そうなんです…そうなんです…」と言いながら目を潤めていた。必死に涙を溢すまいとハンカチで目を押さえながら。


その時の俺は、嫁姑って大変だとかよくネットで見るけど、そこに書かれているテンプレみたいなトラブルが本当にこの世に存在するんだなぁ。とか呑気なことを考えていた。


「それで、義母との縁を切りたいと思っていて。」ついに彼女の本音が飛び出した。


そうか、人から嫌われる能力を売るってのはつまり、縁切りさせる方法を教えますよって事なのか。


スムーズに縁切りするための証拠を揃える方法とか相手の弱味を探ったりとか、所長って胡散臭いところあるけど実は元探偵とかだったりして。


はたまた、元弁護士で法的に相手を遠ざける方法を知っていて、その解決作を教えてもらえるのかも。そうか“嫌売屋”ってそういう職業なのか。


一人で納得しかけたその時、白石さんから放たれた言葉に俺は驚愕する。


「なるほど、では、今後どのように義母に嫌われるか、その手段や計画について話し合って行きましょう。」



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