第3話:チュートリアルは平和に行こう!(フラグ)
遂に初戦闘!!
自分が小説ランキングから小説を読んでいるので、どうしてもランキングが気になってしまう…
えっ?
「「えっ?」」
…ハモった。
しばらく黙っていた天の声さんはようやく動き出した…
「えー、すみません。予想外のことすぎて若干停止していました。ジョブによって設定、チュートリアルに変化があるなど今までなかったので…少々お待ちください。問い合わせしてきます」
そう言って天の声さんはシュン!と姿を消した。
はえ〜。つまり創造者だからキャラクタークリエイトに影響を及ぼしたってことかな。選択肢が増えるのはいいことだけど…これはうれしい誤算かな。
あ、戻ってきた。
「すみません…運営の方に問い合わせたところ、どうもそういうシステムになっているようです。いくつかのジョブについてこの機能を解放しているようで…私以外のAIの方のところでも何人かはこのシステムを利用しているようです」
「なるほど。わかりました。取り敢えず、アバター作成再びってことですか?選択肢が増えて」
「そうなりますね。では…また設定お願いします。」
すると、さっき設定した私のアバターがまた現れた。
「えー、確認いたしましたところ、増えた機能はこちらですね。」
そう言ってまた画面が表示される。
ん?おお…結構細かいところまで設定できるようになってる!よし、じゃあさっきやろうとして設定できなかったところを直しますか!
数分後
「いやあー、やりきった!!」
そういう私の前には新しく色々変更したアバターがあった。
髪の毛は先端にかけて水色から透明に変わっていくグラデーションが入り、前髪にはピンクのメッシュが入っている。てっぺんには一本アホ毛。
目元には泣きぼくろが入っていて、足の一部に自由に色を変えられる星マーク(光る)が付いている。これは普段は目立つからやらないでおこうかな…。肌の色味とかも若干調整を入れてある。
こんなにバリエーションが増えるとは思ってなかったけど、ありがたいね。
「ふう…これで本当にチュートリアルに入れますね」
うん、ようやくだあ〜。
「そうですね…これからチュートリアルを開始します。では、この世界の世界観から説明しましょうか」
ふわっ
「えっ!?ちょっまっ落ちるーーーーー!!」
急に浮遊感に包まれたかと思うと、私は空の中にいた。って、そんなこと言ってる場合じゃないヘルプミー!!
「大丈夫ですよ。落ちません。この世界のことを説明するためのチュートリアルフィールドに連れてきただけですから」
その言葉通り、私は落ちずにふわっと浮いた状態で空中に浮かんでいる。
「死ぬかと思ったじゃん…」
「(クスリ)すみませんね。」
…悪びれが一ミリもないな
「さて、この後あなたが降り立つ世界についての説明をしましょう。この世界はフィラワリアという名の世界です。あっちでいう『地球』と同じような意味の名称ですね。主神 シェリルが創造した世界で、豊かな海や森、さまざまな種族に溢れた世界です。主神が最初に作られたもの以外も、さまざまなものの影響によって作られていて、基本的に主神は干渉しません。主神以外にも様々な神々が存在していますが…。これ以降はまだ言えないんですね」
まあ、ここまではかなり一般的だね
「もう一つ、この世界には魔素と呼ばれる特殊な物質が存在します。これはいわゆるMPに影響しますね。これにより、物理だけでない魔法の力が使えるようになっています」
……………………これだけ?
「少ないと思ったと思いますが、その他のことについては、ゲームの本番を始めてから探していくこととなります。また、この世界では別にゲーム終了の条件などはございません。各々が自分のしたいプレイをこの…『第二の現実』とも呼べるこの世界で楽しんでいただきたいと思っています」
ほうほう、やるねえ運営!!ふふ…これは見つけるのが楽しそうだよ〜
ああ、楽しみだよ!!
…なんか思考が変な人っぽくなりそう…抑えよう。
「楽しんでいただけそうで何よりですね。では次に、戦闘のチュートリアルを行いましょう!」
「よっしゃあ!」
なんかやる気出てきた!!
「では、戦闘用のフィールドに移動しましょう」
私たちは戦闘用のチュートリアルフィールドに移動していた。
「では、チュートリアルを始めます。セインさんのとったスキルとして戦闘によく使うのは
〈闇魔法〉〈光魔法〉〈杖術〉〈回避〉の4つですね。これをメインにして戦闘を進めましょう。最初はフィールドにモンスターを一体出現させますので、それと戦ってみてください。説明も戦闘しながら並行して言います。また、痛みはある程度ありますが、HPが減ることは無いので大丈夫です。」
チュートリアル用の優しい設定になってるね。ま、そんな変なモンスターは出ないだろうし安全にやれば倒せるでしょう。多分。
「ああ、武器は取り敢えずサモナーということで、この杖を渡しておきますね」
すると私の前に杖が現れた。
えー、これは〈識別〉で品物の確認ができるみたいだね。
〈初心者の杖〉(チュートリアル用):☆1 レア度:ノーマル
初心者用の杖。威力が低く、貧弱な杖(耐久∞)
「ああ、それから、装備やアイテムなどはインベントリに入れることができます。オープンと心の中で唱えればインベントリの画面が見られますので」
お、これか、インベントリ。他の人には見られない仕様になってるね。有難や。
「準備はよろしいですか?では、モンスター召喚!」
ポヨヨン!!
声と共にいわゆるスライムが魔法陣から飛び出してきた。
うおっ!?急に飛びかかってきたよコイツ!
びっくりしたけど、意外と体がスムーズに動いて回避ができた。
多分取り敢えずこうだろっ!それいけ〈識別〉!!
スライム:レア度:ノーマル
スライム。最弱モンスターの一角。何の特異性もない普通のスライム。
HP:60
マジで「説明することがありません」って言う説明文だな。
「今、少し体がスムーズに動いたと思いますが、それが〈回避〉スキルの力です。スキルレベルが上がればさらに素早く避けることができるようになります。」
実践練習ってことね!!とりあえず、私の知ってるスライムは酸液とか吐いても魔法は使わない!はずなので、遠距離から魔法、飛びかかってきたらタイミング合わせて杖術で迎え撃つか無理なら避けて受け流せばいいかな!?
「てかごめん!魔法ってどうやって使うの!?」
肝心なこと聞くの忘れてた!
「魔法は自身のMPを消費すれば使うことができます。〈光魔法〉Lv1は《ライトボール》、〈闇魔法〉Lv1は《ダークボール》です!球形の属性魔力の塊を打ち出す魔法ですので、それを想像して魔法を発動してください!」
Ok!要は想像力か!じゃあ、光の玉っぽいの出てこい!ライトボール!(無詠唱希望)
ボンッ!
私が脳内で唱えたライトボールはすぐさま出現し、スライムに向かって飛んでいった。HPバーは…4分の1くらいへったかな?他の技もしっかり試せそうだね。しかも無詠唱も可能なのか…詠唱ありと何か違うのかな?
「ごめん、詠唱の有無は威力に関係あるの?」
「特にないかと。言いたいならかっこよく言えばいいんですよ」
………うん無詠唱一択!効率大事い!
では次!ダークボール!
今度は紫色のなんかまがまがしいのが出てきて当たった。ダメージはあんまり変わらないみたいだね。属性はやっぱ関係なさそうだな〜スライムは。
お、飛びかかってきたな!では…〈杖術〉Lv1《殴打》を発動しつつ横へスライムを薙ぎ払う。
お!物理攻撃が結構効いてスライムが倒れた!
スライムはポリゴンとなって消えたな。よしよし。
「おめでとうございます!初戦闘勝利ですね!」
「うん!無事に勝ててよかったし、楽しかった!」
「それは重畳です。特になんの問題も無かったようで何よりです」
いやあ〜リアルだと思いっきり殴っていいとかできないから、凄く新鮮だし、ストレス発散になるね。それに、このスライムは特に特殊な攻撃をしてこなかったから、結構簡単に倒せたね。状態異常も無かったし。
…脳内で天の声さんに『そんな変なモンスター出すわけないじゃないですか』と言われた気がした……
「では、続いて、生産のチュートリアルになります。セインさんお生産スキルは〈錬金術〉ですので、そのチュートリアルをしましょう」
「はいよ〜」
「〈錬金術〉は、いくつかの素材から違うものを生み出す術です。調薬のような専門性はありませんが、無限の可能性を秘めていると言ってもいいでしょう。今回は最初ですので、素材、練金台をお渡しします。今回は成功率100パーセントですが、場合によっては成功しないこともありうるので、注意してください。」
多分、素材のレアリティと自分のランク、混ぜるものによる差などで結果が変化するんだろう。
えっと、渡されたのは…
小さな毛皮×10:☆1 レア度:ノーマル
???から取れる小さな毛皮。このままだと小さすぎて素材にできない。
初心者用練金台
:初心者用の練金台。〈錬金術〉取得者のみ使用可能。
「今回は〈錬金術〉Lv1で使用可能な《上位変換》Lv1を使用して、その小さな毛皮を、別のアイテム、大きな毛皮にしてみましょう」
はーい
ではでは、《上位変換》!
おお、毛皮10枚が光に包まれたかと思うとそこには大きな一つの毛皮が置いてありました。すごいなあ。これぞゲームの力、錬金術の力ってやつだね。
このアイテム名は…
大きな毛皮:☆2 レア度:ノーマル
???の毛皮をまとめて大きくしたもの。装備や練金に使用可能になった。
星が一つ上がって上位の素材になったのか。素材を変質させて使いやすくした形ってことかな
「これ、星の数とレア度って、何が違うの?」
「そうですね…星の数は品質、レア度は珍しさ、とでも言えばわかるでしょうか」
「なるほど」
非常にわかりやすい説明ありがとうございます。
「おめでとうございます!生産も無事にクリアできましたね。何事もなく終わってひと安心です」
「まあ、ご迷惑をおかけしました…」
「あなたのせいではないでしょう」
ま、そーだけどね
「これでチュートリアルのすべての行程は終了しました。では、フィールドに…「ちょっと待って」…はい?」
「ここ、景色が綺麗だから、ちょっとのんびりさせて。セーフティエリア扱いで、天の声さんが呼ばない限り多分モンスターも出てこないでしょ?」
多分。
どうかな?ダメかな?
「…………………………まあ、それくらいなら…物好きですね。貴方も」
長い沈黙の後に天の声さんはそう言った。
「だってフィールドどこに落とされるかわかんないんだから、のんびりできる時間もあんまりないかもしれないじゃん。だから今のうちに…てさ」
こんな非現実的な場所にいられるのは、やっぱりゲームの技術のおかげなんだし、まあ…半分くらいパパのおかげだし、せっかくならこのチュートリアルフィールドでも堪能したいよね。
ゴロ〜ン
はああ…癒されるよお…
ブクマ、評価有難うございます。
(天:皆さま色々と見ていただいたり有難うございます
(作:ブ、ブックマークありがとうございます!ついででいいのでポチッと評価ボタンをば…!
(天:そんなこと言って評価が上がったりブクマしていただいたりして嬉しいんでしょうが
(作:ギクッ
茶番に付き合っていただいてありがとうございます。
戦闘描写は色々細かくて大変ですね…
もう少しチュートリアルにお付き合い下さいませ。