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第13話:一難って大体一難では無い

お久しぶりです。


ブクマ、昨今まで気づいていなかった誤字報告、評価諸々有難うございます。






蛇の大きさは大体5メートルくらい。通路をズリズリとゆっくりだが這って回っている。真っ黒な鱗を光らせる、非常に強そうな見た目なのだが...


「ーーーーーーーーーー!?あれはやばそうですね...〈気配察知〉は?」


「鉢合わせるギリギリまで気づけなかった...てことは最低でも格上だね...。しかも問題ってわけでもないけど...ゼロ、あいつの頭見た?」


「いえ...シッ!戻ってきてる音がします....」


蛇はその先の通路から如何やったのか反対T字路の反対側から頭を出し、こちらの曲がり角に近づいて来ていた。


「あれは...!?成る程、ヒュドラの類ですか」


デカさを除けば見た目は普通の蛇...そう、頭以外は。


そのモンスターの頭は3つに分かれており、目が中央の頭に1つしかない。他は口のみが存在していた。ギョロリ と黄色に怪しく光る目は忙しなく動いては瞬きを繰り返している。うねりながら通路を動いてくる姿は嫌悪感を感じさせる。


最早蛇ではない。完全に異形の類だ。


「.......!こっちに来そう...!戻ろうゼロ。できるだけ音は立てずに素早く」


「ええ、行きましょう」


気づかれる前に出来るだけ息を殺しながら来た道を戻る。目印付けといて良かった。〈暗視〉も無かったら気づけなかっただろう。


やっぱり用心に越したことは無い。


まだ青い鉱石地帯だ。気は抜けないし、ここから竜さんの所まで走って8分はかかる。



「セイッ......!?」


「はあっ...結構来たけど大丈夫?ゼロ...」


そう言って振り返ると.....


「シュー シュー........」


そこにいたのは固まったゼロと........さっきの蛇。




「嘘っ!?音は立ててないのに!?」


そう言いながら行くよ!と言ってゼロを囲い運びながら走る。


「有難うございます...気をつけてください!あいつの目から出ている光を浴びると行動不能になります!」


「メドゥーサ的なのかーい!何その初見殺し!」


ゼロがいて助かった!いなかったら100パー私が引っかかって詰んでる!


「ゼロ!動かなくていいから後ろ向いて回避する方向教えて!」


ゼロがいれば実質視界は全部カバー出来る!今言う話じゃ無いけどつっよ。


「わ、分かりました!」


何とか竜さんのいるセーフティエリアに戻らなきゃ...!


「右!」


言われるままに右に飛びのくとその横を黄色い光がすり抜ける。


「あっぶな!危なかった!」


後ろに魔法打って牽制したいけど、今の私の魔法(Lv1) が牽制にもならない様な気がする。というか失敗したら必死!


「クソっ...」


今は逃げるしか打つ手がないのが歯がゆい。逃げて、逃げて、逃げて。こう見えてもシャトルランはできる方!とかくだらないことを思考しつつ足を動かす。


「はあ...はあっ...!これ道間違ったかも...」


「冗談でも笑えませんよ!?」


さっきからかれこれ5分ほど回避逃走を繰り返しているのだが、付けていた印が全然見えない。これは迷った奴...


がくん



「えっ...!?」


急に足のスピードが遅くなる。動こうとしても全然動かない。


「何で...!?」


「セイン!?大丈夫ですか!?」


「だ、大丈夫...だけど...身体が動かなく...っ」


「.............あっ!満腹度は!?」


「忘れてた!」


そう言えばやたら動いて(逃げて)ばっかりいるのに何も食べてない!これも多分魔物の弊害かよ...


「やばいやばいやばいやばい」


「口より先に足をお!」


「足無いし!」


「こういうシチュで突っ込めるあなたはある意味尊敬に値します!左です!」


「うわっ!」


足のすぐ側を通り抜けた閃光が若干足を掠める。


「食らった!」


すると更に若干私の移動速度が落ちる。〈移動速度低下〉か〈AGI減少〉辺りののデバフか!完全に食らえば止まる!


「セインッ」


唐突に名前を呼ばれ振り返る。その瞬間...



目の前にギョロリとした黄色い目が迫っていた。


バゴオオオオオンッ!


「「うわああああああああああああっ!?」」


急に吹っ飛ばされる。頭で殴られたと認識するには思考が追いつかない。



ドオオオオオンッ!




ドスッ


「クソ...いったあ!ゼロ!生きてる!?」


「....何とか....」


私達はろくに受身も取れずに壁に突っ込み、着地した。


「あいつは!?」


急いで周りを見渡すと、そこは円形の広い空間だった。明らかに自然の洞窟には無い形状をしている。


そして、私達が飛んできたであろう通路は...


ゴゴゴゴゴゴ...


不気味な音を立てて、謎の扉が閉まっていた。




ヒヤリ


ふと、悪寒のようなものが身体を走る。直感的に察した。このままでは死ぬ...と。


「ゼロッ!急いでここを離れるよ!」

言いながら瓦礫から身体を抜いて移動する。


そう言った瞬間...


〈フィールドボスエリアに一定時間留まったため、???の洞窟フィールドボス、∞スライムとの戦闘を開始します〉


は?


え?ドユコト?


混乱する頭を最悪の可能性がよぎる。思わず止まった私の頭上に影が差す。


「セインッ!上です!」


動け!身体は本能で危険を感じたのか、脳が働く前に身体が動いていた。


直後、私のいた位置に、スライムが降ってくる。


ぷるんぷるん、と揺れる身体。つるりとした、無色透明な姿。


それはもう間違いなくRPGの王道、最弱モンスタースライムくんの姿であったが...


「こ、こ、こんなのスライムじゃな〜い!」


このスライム、何が違うかと言うと、大きさである。兎にも角にもでかい。さっきの蛇と同レベル。3m級の大きさである。いやはや最弱の代名詞も形無しな「格上」の敵となったスライムくんの姿がそこにはあった。


いやあ〜吹っ飛ばされて一難去ってまた一難...フィールドボスエリアに突っ込んでしまった...。


さあて、どうしようかなぁ...


「これさあゼロ。ほぼ詰みよね?」


「...状況的にはそうですね」


「違うよ」


「?それはどう言う...」


「詰みかどうかは、私が決める」


ゼロはびっくりしたような表情を私に向ける。



「...吹っかけましたね。性格悪いじゃ無いですか」


「あいにくネーミングセンスも無いもので」


「良いですよ。逃げられないなら足掻くまで」


満腹度が限界に近くとも、移動速度が下がっていたとしても。


「そーだね。...ここはゲームの中だ」


だから






この世界全てを楽しもうか


「戦闘開始」




今回ちょっと区切りどころで迷った結果とーっても短くなってしまいました。

ようやく戦闘まで持っていけた...


これからもちまちまですが投稿していきますのでよろしくお願いします


小ネタ:彗と由奈(みかん)は二人ともゲームが好きでよくマイ◯ラとか一緒にやってますが、由奈がKRAZYかつPS人外勢なので彗は生き残れる強さ(ダイヤ装備)になるまで殺され続けます。


チマチマ小ネタも挟んで後書き書こうかな...

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