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第11話:貴方に会って 2

よっしゃ1週間内に投稿できたあああああ!


と盛り上がってます作者です。ゼロ視点二つ目。少し短いですが、お楽しみください。







…どうやら、彼女のアバターの変更は、イレギュラーなことではなく、事前にプログラミングされていた物だったらしい。……リリース1日前に、あの子が入れたんですかね。あんな忙しい時に作るなんて…まあ、彼らしいといえば、彼らしいと言うか。


1日前だったので確認し忘れてました。は言い訳にしかならないですが、幸い彼女も別に怒ってはいない様ですし。むしろ嬉々としてアバターに追加設定をしていますね…。もともと何かを作ることが好きなのでしょう、目がキラキラしていいますね。




次はチュートリアル…何も起こらないことを期待しましょう。イレギュラーに強いのがAIの利点ですが、別に多い方がいいと言うわけではありませんし。



早速アバター編成を完了したセインさんをチュートリアルフィールドに転送する。


落ちそうになって慌てますよね。そりゃ。これ落ちる仕様にしたのどなたですかね…。



「大丈夫ですよ。落ちません。この世界のことを説明するためのチュートリアルフィールドに連れてきただけですから」


パニックを起こしそうなセインさんをなだめてこの世界の説明…今までのプレイヤーの方にも何千回としている説明をする。実はこの1番初めの話が意外とあとで思い出せれば有利になる要素でもあるんですよね…。真面目に聞いてくださる方と全然聞いていらっしゃらない方に分かれますけど。


こういう意地の悪いところもこのゲームなのだ。



「では、戦闘用のフィールドに移動しましょう」



そう言ってセインさんと私はチュートリアル用の森林型フィールドに移動する。

ここはAI権限で特定のモンスターしか召喚できないようになっている特別仕様のフィールドなので、異常なことは起こらないでしょう。


戦闘技能についての説明ををして、実際に戦闘してもらう。相手はMMORPGといえばこの方最弱王のスライムさんでしたね。たまに運で特殊個体が出ることもあるとかおっしゃってましたが、それは今回は…


「準備はよろしいですか?では、モンスター召喚!」


普通のスライムでしたね。


ふむ、上手く魔法と物理を使って最大限自分の力を活かして戦えていますね。これなら初期ステータスの低いサモナーでも序盤戦は戦え…




魔物でしたね。


心配ですね。魔物の初期値はランダムですから、たまに有り得ない場所にスポーンしたりします。戦っていける場所であるかどうか…魔物でしかも初期値が低い職を選ぶのは相当リスクを背負うんですが…今教えるわけにはいきませんね。


私はチュートリアルAI。そこを崩してはいけませんし。



そんなこんなで戦闘をセインさんが無事に終えたようです。ふう、これでようやくチュートリアルは終了ですか。ちょっと名残惜しいですね。今までに見ないタイプだったので不安だったんですけど、楽しんでもらえそうです。



「これでチュートリアルのすべての行程は終了しました。では、フィールドに…「ちょっと待って」…はい?」


いや、チュートリアル終わりましたし、冒険に行きたいと思うんですけど…


「ここ、景色が綺麗だから、ちょっとのんびりさせて。セーフティエリア扱いで、天の声さんが呼ばない限り多分モンスターも出てこないでしょ?」



ええ?のんびりって………?



「…………………………まあ、それくらいなら…物好きですね。貴方も」





「だってフィールドどこに落とされるかわかんないんだから、のんびりできる時間もあんまりないかもしれないじゃん。だから今のうちに…てさ」



そうですか…うーん。〈識別〉を取っていますしギミック見つけられてしまいそうですね。まあ、私に止める権利は無いんですけど…。



いや、見つけられて困る事もないですが。

現に、結構発見率は高いようですし、掲示板で情報が回ればすぐに見つかるギミックですけどね。



そんな事を考えているうちに、彼女はちょうど少し開けたところでのんびりと寝転んでいる。


幸せそうですね…



私たちAIには、生まれた時に感覚というものがない。何かに触れる、という感触がないままに生まれ、ただ思考する物体として育って来たので、ものに触れる感覚、そこに喜びを見出せないことの方が多い。だから…最初にものに触れる感覚を与えられた時は、本当に、その自分に伝わる感触が何か危ない物のような感じがしましたね。今でも記憶が残っています。



…私が彼女が此処にいたいと言った訳も、よくわかりませんからね。


「感覚」も、「感情」も、自分には生まれた時に与えられた筈なのに、いつまで経っても慣れない…人間と私達の違いってそこなんでしょうね。



そんな事を悶々と考えていると…彼女は何か思いついた様に起き上がり、その辺をウロウロし始めた。




「えっと…あの…?フィールドに出られないのですか?


「いやあ…綺麗なところだね…最高…」


「ダメだ話が通じてない…」


これはダメなやつですね…



…あれ?その辺は確か隠しておいた採取ポイント…。



あ、普通に見つかりましたね。未だ調べていない状況で無自覚にこれが出来る人は少ないですが、其処は流石というか何というか。情報が出回ればそれまでですけど、そうしたら得られれるものを少なくしておくのが妥当でしょうかね…。


それを別動しているシステムに提案書用のアイデアとしてメモしておく。


その間にも彼女は、逃すものかとばかりに全部を綺麗に採取していく。



「…そういえば、私以外の人はあなたじゃないAIがチュートリアルをしてるの?」


「いや、流石にそのためだけに大量のAIを作成するわけにはいきませんから、何体かで分担してやっているんですよ。それに、私はGMとしても活動しますから、かなり時間をかけて作られたAIなんです(ドヤ)」




そう。私の様な時間をかけて作られた特殊AIは今の所11体のみだ。それらがこのフィラワリアの世界を治め、管理している。


「ほえ〜。じゃあ、GMとしてどこかフィールドで会える時が来るかもね」



「そうですね…ふふ、あなたは私と会うのが楽しみ、と言ってくれたんですか?」




何故だろう、私は彼女と過ごす何処か…周りとズレた、とも言えるかもしれないノンビリした空気と、利潤追求をしながらも、自分の欲望に素直に従いゆっくり行こうとする彼女の空気に心地よさを感じていますね…?一体、これは…?


今まで一度として感じたことのない感情と感触を不思議に思う。


「楽しみ…かな。なんせ、このフィラワリアで、一番最初に出会った人だもん。記念すべき出会い、じゃない?あなたにとっては大勢のうちの1人でしかないんだろうけどさ」


「いえ、私も覚えていると思いますよ。ここまでのんびりしたチュートリアルしてる方なんてあなただけですし。それに、他のAIは結構せっかちなのが多いんですよね…」


「へえ〜。ま、今日は忙しいんだろうし、AIにも有給とかあればいいのにね」



「そうですね…一応疲れ知らずなもので、休む、という感覚が未だに掴めずにいることもあるんですよ。だからせっかちになるのかもしれませんね」



それが…私達と彼女らとの違う点。どうあがいても、私はそちらには行けない…機械でしかない以上、彼女らは理解できない、しあえない…。



思わぬところからそれを自覚させられ、戸惑ってしまう。セインという存在に興味を持ったからこそ生まれてきた感情だった。他人をもっと知りたい。見てみたい。


その感情は、彼女の次の言葉にさらに動かされた。



「私のキャラクタークリエイトは初めの一歩、だから。そこにいてくれた貴方は、きっと、ここで紡ぐ思い出の最初の1人になるの。他の人でもそうだけど。そこにある無限の可能性を、AIじゃない、ひとりの人間として感じて欲しい………な〜んてね」



「…」


ああ、貴方は…





っピピッーーーーーーーーーー


『おめでとうございます。AI No.『祝福されし7番目、blessing seventhの友好度がMAXになりました。これにより隠し要素、パートナー機能が起動します。なお、この放送はblessing seventh により、秘匿されました』





…………………





いや、ええええええええええええええ!?


いやいや?流石にもうこれ以上知らされていない不確定要素とかないと思っていたんですけど?何で管理者に情報渡さないんですか!?というか私も分からないんですからチュートリアル無理ですよ!?というかもうこれチュートリアルじゃないですよね!?



心の中で親たる運営への文句を垂れ流す。


と、取り敢えず(運営)への文句は後で言うとして、説明説明…!





「え〜。はい。プリーズ説明!」


「えっ!?私に投げないでください!私のデータの中にも入ってないんですよ!?」


「だよね〜。多分AIの貴方にも伝えられてない隠し要素だったみたいだね。取り敢えず状況を整理しようよ。2人で」


「はあ…。ええ、そうしましょう。恐らく、私のセインさんに対する[好感度]なるものがプログラムされていた様ですね。それがMAXになると発動する特殊なイベントみたいですね」


それしか考えうる可能性が今の所無い。



「うーむ、でも、ここで結ばないと、この先絶対に結べないんだよね?なら、私は結びたいんだけど…でも、天の声さんが嫌ならやらないよ。」


…この場面に来ても、貴方は私の意思を尊重してくれるんですね…

あくまで他人を気遣う姿勢と、このプレイヤーへの興味が、自分も彼女の行く道を見てみたい、と言う気持ちにさせていた。


プレイヤーならば誰だって直ぐに結んでしまいたいでしょう。何故なら通常のチュートリアルでは絶対に発生しない、隠された要素の一つであるからだ。



……そう言うタイプの人はそもそもNo7のこのイベントなど発生しないのだが、それは天の声さんの知るところでは無い。


彼女に嫌で無い、と言うことを伝えると、彼女は大層意外そうな顔をした。


…私、嫌われるるようなことはしてないんですがね…?


そう思いながら了承の返事をすると。

彼女は心配そうに何度も確認をして来た。


いや、そんなに何度も確認しなくても、「はい、いいですよ」って言ってますよ!?

後悔しませんからね!?



「…だからいいって言ってるんでしょうが。私が心変わりしないうちにして下さい」


っは!?つい本音が!?ダメですね。チュートリアルAIとしての公平性が無くなってしまいます。口調が荒れてしまうのは自制しなければ…



『〈誓いの宣誓〉をしてください。(No7。お前の選んだ道だ。応援しているよby荒木


P・S どれだけカッコつけてもいいから選んだ人にいいとこ見せてやれ。あ、録画してるからな?カッコいいセリフ頼むぞ)』


「………………………」



これはまあ、私は予想してましたよ。こういうロールプレイ好きですからねーウチの人達。はいはいどうせ後で兄弟達と(運営)に伝わって爆笑されるヤツでしょうよ!





「あ〜。う〜こういうのは苦手なんだけど…言わなきゃダメだよね。区切りはつけなくては」


「上(運営)がご迷惑おかけしてます…」


主に荒木さんが。


今回は私も被害者なので容赦なく後で抗議文でも入れておきましょう。



「………私はあなたと共にあることを誓おう。私とこの世界が貴方になにかをもたらせる様に、後悔させないために。…ありがとう私を選んでくれて。私は貴方の友達、貴方のたった1人のパートナー。友の友誼、パートナーの誓いを今ここに捧げる!」


「私は…貴方と共にあることを誓いましょう。私が貴方とこの世界の道標となれる様に。1人の人として貴方といられる様に。…私は貴方の盾、貴方の矛。物語の始まりを告げるもの。『blessing seventh 』の名において貴方を祝福しましょう。友の友誼、パートナーの誓いを今ここに捧げる!」



…これで大丈夫ですかね?なんとなく合わせては見ましたが…




『…これで《パートナーの誓い》は結ばれました。貴方とNo7に旅の加護があらんことを』


良かった…実質何の繋がりかどうかも分かってないですけどね。







……それでも、私を人間として見てくれて、私を尊重してくれる貴方は…きっと、私にとって、大切な存在です。






……さあ、これからの貴方の旅を見せてください。貴方だけの、『第二の現実』を。









次回からは普通に冒険して行きます。洞窟探検、その先にある物とは…?


自分も他の皆様の小説を読ませていただいてる中で、評価とかブクマをしないと、その作品を読んでいることが作者様に伝わらない、という事に気付き、評価を入れるようになりました。


皆様も、お気に入りの作品は評価すると良いと思います。


願わくば私の…嫌夢見すぎだっつの。

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