信用できない部活内容
次の日。
今日はいつも通り寝坊したため、遅刻届けを書き、教室に行くと一時間目の放課だった。
「あっ、京也! 寝坊したんだねー。ねぼ助だねー」
「まあ。そうだよ。でも……なんで浴衣なの?」
僕が学校に着くとなぜか高橋さんは浴衣だった。
「えっと……普通、学校っていったら浴衣だと思ったんだけど。なんか違ったみたいで先生に怒られちゃたた」
先生も衝撃だっただろうな。
「そうなんだ……それは先生もびっくりだっただろうね」
「うん。でも、なんかウケたみたいで笑いながらだったけどね」
笑劇だった。
「それとさ、京也。部活作ろうと思ってるんだよね。私」
「へー。それで、何をする部活?」
「えっと、それはね……」
少し溜めたところでまた話を続けた。
「秘密! 放課後に話すね」
そういってきた。いったい何をする部活なのだろうか。全くもって謎である。
「あはは。そうなんだ。楽しみにしとくよ」
そうは答えたものの内心は不安と心配で頭の中が溢れそうである。
―放課後―
高橋さんは僕を体育倉庫の裏へと呼び出した。それにしても、体育倉庫の裏とか、告白でもするつもりなのだろうか。
「それで、さっきの話の部活内容ってなに?」
「それはねー。京谷がしたいことをしてもらいます!」
「えっ!? それが部活内容とはどういうこと? それはつまり、僕が部活内容を決めると言うことでいいの?」
「まあ、そうだね。もう少し具体的に言うと、京也が過去にした失敗や過ちを解決するって感じかな。あと、それだけじゃすぐに終わっちゃうから他の人のもだけどね」
したいことと、失敗の解決では全然違うような……。
「解決するって……具体的にどうやってするの?」
「それはね」と、にひひと笑い、話を続ける。
「この私。高橋京香がなんとかします!」
そういって、胸に手を当ててドンと叩いた。
それは、全くもって信用できない言葉であった。
―下校―
まったく信用できない高橋さんの告白(想像していたのとは違った)のあと、昨日と同じように僕と高橋さんと隆司で帰っていた。
「隆司さ。高橋さんが部活を作ろってさっき言われたんだけど、隆司も入る?」
「へーそうなのか。いいじゃんいいじゃん。それで、何をする部活なんだ?」
「それがよくわからないんだけど、僕が過去にした過ちを解決するって言う部活らしいんだよね」
「そうなのか。なんか難しそうだな。それで、誰が解決するんだ?」
「それは、高橋さんが何とかするらしいよ」
言葉に出してみるとやはり凄い部活内容だと改めて思った。
「それはなんとも。信用しがたい話だな……まあでも、面白そうだから入ってみようかな!」
「良かったね! 高橋さん! 小浮気が部活に入ってくれるらしいよ」
「そうなんだ! あと何人って部活って作れるんだっけ?」
高橋さんは目を輝かしながらそう言った。
「えっと、確か五人からだった気がする」
「じゃあ、まずは同好会からのスタートだね。とりあえず文化部の教室が開いている
はずだから、何も担当してない近藤先生に頼むってことで、今日は解散! じゃあねー!」
そして僕と隆司も「じゃあねー」と返してそれぞれの家へと帰っていった。