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高橋さんは色が嫌い  作者: ゆきんこ
4/9

信用できない部活内容

 次の日。

 今日はいつも通り寝坊したため、遅刻届けを書き、教室に行くと一時間目の放課だった。

「あっ、京也! 寝坊したんだねー。ねぼ助だねー」

「まあ。そうだよ。でも……なんで浴衣なの?」

 僕が学校に着くとなぜか高橋さんは浴衣だった。

「えっと……普通、学校っていったら浴衣だと思ったんだけど。なんか違ったみたいで先生に怒られちゃたた」

 先生も衝撃だっただろうな。

「そうなんだ……それは先生もびっくりだっただろうね」

「うん。でも、なんかウケたみたいで笑いながらだったけどね」

 笑劇だった。

「それとさ、京也。部活作ろうと思ってるんだよね。私」

「へー。それで、何をする部活?」

「えっと、それはね……」

 少し溜めたところでまた話を続けた。

「秘密! 放課後に話すね」

 そういってきた。いったい何をする部活なのだろうか。全くもって謎である。

「あはは。そうなんだ。楽しみにしとくよ」

 そうは答えたものの内心は不安と心配で頭の中が溢れそうである。







            ―放課後―

 高橋さんは僕を体育倉庫の裏へと呼び出した。それにしても、体育倉庫の裏とか、告白でもするつもりなのだろうか。

「それで、さっきの話の部活内容ってなに?」

「それはねー。京谷がしたいことをしてもらいます!」

「えっ!? それが部活内容とはどういうこと? それはつまり、僕が部活内容を決めると言うことでいいの?」

「まあ、そうだね。もう少し具体的に言うと、京也が過去にした失敗や過ちを解決するって感じかな。あと、それだけじゃすぐに終わっちゃうから他の人のもだけどね」

 したいことと、失敗の解決では全然違うような……。 

「解決するって……具体的にどうやってするの?」

「それはね」と、にひひと笑い、話を続ける。

「この私。高橋京香たかはしきょうかがなんとかします!」 

 そういって、胸に手を当ててドンと叩いた。

 それは、全くもって信用できない言葉であった。





           ―下校―


 まったく信用できない高橋さんの告白(想像していたのとは違った)のあと、昨日と同じように僕と高橋さんと隆司で帰っていた。

「隆司さ。高橋さんが部活を作ろってさっき言われたんだけど、隆司も入る?」

「へーそうなのか。いいじゃんいいじゃん。それで、何をする部活なんだ?」

「それがよくわからないんだけど、僕が過去にした過ちを解決するって言う部活らしいんだよね」

「そうなのか。なんか難しそうだな。それで、誰が解決するんだ?」

「それは、高橋さんが何とかするらしいよ」

 言葉に出してみるとやはり凄い部活内容だと改めて思った。

「それはなんとも。信用しがたい話だな……まあでも、面白そうだから入ってみようかな!」

「良かったね! 高橋さん! 小浮気が部活に入ってくれるらしいよ」

「そうなんだ! あと何人って部活って作れるんだっけ?」

 高橋さんは目を輝かしながらそう言った。

「えっと、確か五人からだった気がする」

「じゃあ、まずは同好会からのスタートだね。とりあえず文化部の教室が開いている

 はずだから、何も担当してない近藤先生に頼むってことで、今日は解散! じゃあねー!」

 そして僕と隆司も「じゃあねー」と返してそれぞれの家へと帰っていった。



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