とある社会人の朝の話
初めての投稿で緊張しています。
短編なので軽く読めると思うので、是非読んでみてください。
その光景を忘れることが出来ない。
突然起きた現実を理解することが出来ない。
だからこそ、いつまでも俺の記憶に残るんだろう。
今日の出来事をベッドの中で思い出しながら、ゆっくり寝た。
今日の朝は気持ちがよかった。
いつにも増して、気分が良かった。
だから気が付いたら散歩に出ていた。
「う~ん。風は冷たいし、人はいなし、こんなときにする散歩は最高だ」
今、世界は俺一人だけしかいないような清清しい気分で地元の公園を歩いていた。
休日の朝6時、いつもならまだ寝ている時間だ。
たまにする早起きはいいものだ、というやつなんだろうか。
これからは毎日早起きをしてみようか。
「なんて、無理だよな。ふふ」
気分が良すぎる。
気持ちが悪すぎる。
これが今年で22歳の社会人だ。
鼻歌まで歌いだしながら歩いている。
ここまで他の人に出会わなかったのは奇跡だ。
出会ってしまったらあまりの恥かしさで帰宅していた。
6時30分。
散歩を始めてから30分経った。
流石にこの時間になると人が増える。
休日出勤の人、部活に向かう学生、朝帰りのグループ。
「もう帰るか」
30分も散歩したんだ。もう満足だ。
そのまま家に向かうことにした。
適当に携帯をいじって信号が青になるのを待つ。
ふと前を見ると、一人の男の子が信号が赤なのにも関わらず、歩いていた。
男の子は携帯を見ながら歩いていた。
そして、横からトラックが猛スピードでやってきた。
「このままじゃ、あの男の子が轢かれてしまう!」
横からそんな声が聞こえる
理解が追いつかなかった俺は、一歩遅かった。
助けに行こうと走り出した時、既に横にいた学生が男の子を助けていた。
男の子は無事だったが、助けた学生がそのままトラックに轢かれてしまっていた。
その場は大騒ぎだった。警察が来て事情聴取を行っていた。
トラックの運転手、男の子、その場にいた人々が警察に話を聞かれていた。
勿論俺もだ。
清清しい朝から一変、地獄のような朝に変わった。
家に戻る。
男の子を助けた学生は即死だった。
周りの人々は彼を立派だの、英雄だの言っていた。
でも、俺にはそうは思うことができなかった。
俺は見ていた。学生が男の子を助ける瞬間笑っていて、その横には金髪の美少女が立っていた。
非現実なことが目の前で起こった。
彼は、何か目的があって男の子を助けたのかもしれない。
けれど、それを知る術はない。
あの学生はきっと、俺がいる世界とは別の世界にいるような、そんな気がした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
至らぬ点が多いですが、頑張ってやっていきたいです。