6話 チュートリアル?
「全然いないじゃん・・。≪外敵≫。」
外敵が近くにいたらそれらが発する魔力にステッキが反応し、教えてくれるらしい。
「やぁ 風君!魔法少女ライフ、楽しんでる~?」
「うわぁぁ!!」
びっくりした・・。なぜリッカはいつもいきなり出てくるんだ・・。
「で、何の用だよ。」
「いや、外敵倒してるかなって。」
「そもそも見つかんないんだが・・。コツとかないの??」
「努力あるのみ!・・っあ!風君後ろ!」
ん?ただの犬ではないか?あれが外敵??
「それが敵なんだよね~。」
そうリッカが言っているとこっちにきた。
それなりに可愛い。こいつがマジで敵なのか?
「お手!」
俺がそう言うと、犬が・・・。
「うわぁ!」
ゴキンッ!!
犬のようなそれは俺の上半身くらいの大きさまで口を広げ、俺の手を噛み千切ろうとした。
「ば、化け物・・・!」
俺はとっさに逃げた。犬(仮)は追いかけてくる。
しかし、住宅街だったので捲きやすい。
「っはぁはぁ・・。」
家と家の間に入り、何とか捲いた。
リッカはいつの間にかいなくなっている。
「あいつ、ちっさかったし、敵の中じゃザコなんだろうけど・・。」
だが、怖い。さっき、殺されそうになったから。今までの俺の人生では絶対にありえなかった。
「おもしろいじゃないか・・。」
怖いけれど不思議と楽しくもなってきた。そんな不思議な気分だ。
俺は自分のいた狭い空間を抜け、広い道の真ん中に立った。
ステッキは鳴り続けている。その音がさらに大きくなり・・。
「一匹じゃないのかよ・・。」
敵は、八、九、十・・十二匹。
そのうちの一匹が襲い掛かってくる。大きな口を広げて。
「ここっ!」
俺はステッキで奴の口の中を撃つ。
血が爆発したように飛び散る。ドス黒い色だ。
まず一体。
今度は奴らは一斉に飛びかかってきた。さっきのは牽制だったのだろう。ヤバい!!
奴らとの距離は約15m。
どうする?? 俺は考える。魔法を使うか?いや、どんな魔法かも分からないのに・・。ギャンブルすぎる・・。ならどうすればいいんだ??どうこう言ってる暇はない。 仕方ない!
「一か八かだ!」
俺は魔法を使用した。