5話 カレー。
魔力は本を読んだら使えるようになった。不思議だ。
「あとは魔法か・・・。」
俺がどんな魔法が使えるのか。何もわからない。
「使ってからのお楽しみか・・。」
そう言いながら俺は時計を見る。 時刻は19時13分。
「もうこんな時間か・・。」
予想以上に本を読むのに時間がかかった。
「飯食うか。」
俺は階段を下り、ダイニングへ向かった。 家族は いない。 両親は海外で仕事をしているし、
姉は仕事で毎日遅い。よってすべて自分で行わなければいけない。冷蔵庫を開け、昨日の残りのカレーを取り出し、温める。 その間にテレビの電源を入れる。
「カレーはやっぱり二日目だな・・・。」
「昨夜未明、〇〇県△△で三人が殺害されるという事件が起こりました・・・・・」
感情のこもっていないキャスターの声。 そろそろ観たいアニメが始まる時間だ。 チャンネルを変える。
好きなアニメを観ながらカレーを食う。
「幸せじゃぁ・・・」
これが幸せ。誰もいないから寂しい、なんてことはない。 一人には慣れた。 カレーを食べ終わり、食器を洗いながら継続して観る。
アニメが終わった。
「そろそろ行ってみるか・・。」