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ほのぼの会です。
「うん、やっぱりお金がいるよね。」
シルバーは宿屋のカウンターで笑顔で頷いていた。
宿屋のおばさんから二人分の料金を請求されたのだ。
「あんたお金も無いのに、泊まったのかい??」
先払いの店では無く、後払いの店だったので、二日は泊まれたが最早これまで!
おばさんから凄い剣幕で睨まれる!
「少し待って下さい。。」
魔王になってから怖い者などいなかったが、今はおばさんが一番怖い。。
シルバーは直ぐにお金を用意しますと言い残し、部屋に戻る。
シャルルに聞いたがやはり持ってない。
魔法でどうにかしようと思ったが、シャルルに止められたために止める事にした。
「はあ、やっぱりギルドに行くしかないね。」
シルバーはそう言って立ち上がる。
ギルドとは冒険者ギルドの事で、500年前から変わらずあることは町に入った時に確認済みだ。
「シルバーは冒険者になるの??」
「うん、旅の資金も必用だからね。少しお金を稼いでくるよ。
シャルルもおいでよ。」
シャルルは笑顔でうんと頷くと、二人で部屋を出る。
おばさんに天使の笑顔で頼み込んで、なんとか一日待って貰う事ができた。
そして二人で町を歩きながら冒険者ギルドに向かう。
シャルルからしてみれば自由に町を歩くなど初めての事で、シルバーの手を引くように走り出す。
シャルルの服も買わなきゃなと思い、シルバーは微笑ましくシャルルの後をおう。
500年前は二人で外を歩く事など出来なかったから、シルバーの心は幸せに満ち溢れていた。
だが、服を買うにも、露店で食べ物を買うにもお金がいる。
シルバーは決意する!
まずお金を稼ごうと!
二人はギルドにたどり着く。
そして二人で入ると中は思ったより広く、鎧を纏った男達が酒を飲んだり談笑したり、依頼を見たりしていた。
シルバーはカウンターへと歩く。
カウンターの女性は歩いてくる二人に、天使が来たと思ったが実は悪魔だったのね。と思ったことは、後日談である。
「すいません。冒険者登録したいんだけど、いいですか?」
見た目15~6歳の男の子が最高の笑顔で声をかけてくる。
カウンターの女性はまさか彼らが登録するとは思ってもなく、驚き停止する。
しかし、さすがはプロで直ぐに我を取り戻し二人に対応する。
「は、はい。登録はお二人共ですか?」
「いや僕だけだよ。でもシャルルは僕と一緒にいるけどね。」
美男美女とはこのことね。お似合いよ。何故か文句も出ないわ。
とカウンターの女性が思ったのも後日談である。
「おーいお二人さ・・ぷけ!!!!!!」
そこに下品な男が現れる!そしてシャルルに絡んできた、、、直後男はシルバーのデコピンで吹っ飛ばされる!
「そんなテンプレはいらないよ。
お姉さん登録したいんだけど。」
男はギルドの壁にぶつかり泡を吹いている。
お姉さんは唖然としていたが、シルバーの言葉に我を取り戻す!
「は、はい。了解しました。手をこの水晶に当ててください。」
シルバーはお姉さんに言われた通り台に手を乗せる。
光と共にカードが飛び出る。
カードには
シルバー・ブライツェル
17歳
ランクF
と書かれていた。
名前等を読み込む魔法が読み込まれている事は、鑑定で見通してたので、年齢は少し魔力を流し込み操作した。
本当は517歳だからね。
「これで出来上がりです。」
「早速何かしたいんだけど、依頼はあるかい?」
「シルバーさんはFランクスタートですのでまずはFかEのランクの依頼を受けて頂けます。」
その後カウンターの女性から説明を受けた。
詳細は
冒険者はランクによる依頼を受けれる事。
ランクは一つ上までの依頼の受諾可能で、ある一定の依頼をこなすか、とんでもない実力を見せる事でランクが上がるのだと言う。
簡単な説明を受け、シルバーはまずウェアウルフの討伐を受けた。
いってらっしゃいと言って五分後、シルバーとシャルルが帰ってきた。
ウェアウルフを20体かかえて。
シルバーはまず探知でウェアウルフの場所を探し、その場に転移してささっと倒して帰ってきましたとさ。
とんでもない奴が冒険者になったと、ハナの町ではその日この話題が尽きる事はなかった。
依頼の基本金とウェアウルフの素材を売ったお金も合わせて、結構懐が暖まった二人は宿に帰ってきていた。
あと一回くらい依頼をこなせば旅の資金もできそうなので、明日またギルドに行くことを決めた。
「シャルルはどんな所に行きたい?」
二人で世界を回る旅の計画を立てる。
「私は海がみたいな。あ、それと雪も。」
シャルルはまるで子供の様に微笑む。
シルバーはその笑顔に胸を暖めながら、今度こそはシャルルに世界を見せようと決意する。
シルバー自信も知らない所は沢山ある。
「これから二人で色々な所に行こう!」
夢に膨らむ旅路に思いを馳せ、その日は二人で仲良く眠りについた。
『封印が解けてる!!』
因みにこの日初めてメテルディウスが封印が解けてる事をしったのだ。