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第7話 私の将来

大志さんにプロポーズをされてから1カ月が経とうとしていた。私は相変わらず決断力がない。私の記憶がなくなっている感覚もありながら、結婚をするのもどうかと思う。今私はスーパーで買い物中。その時だった。

ブーーーー、ブーーーー。メールが来た。

“今暇?”

大志さんからだった。

“買い物中。”

“会いに行っていい?”

“いいよ。携帯電話のGPSで検索していいから、私のいるスーパーに来て。”

私は携帯電話をバッグにしまった。

「うっ。」

急に頭が痛くなった。流石に今回は凄く痛くお店で倒れてしまった。



しばらくすると私は病院にいた。隣には大志さんが座っていた。

「大丈夫?」

「大志さん…。」

「心配したよ。お店に来たら救急車があったからビックリした。」

「ごめんね。」

「無理しないで。俺には美穂が一番大切なんだから。」

この一言で私は決めた。

「大志さん。私…、大志さんと結婚する。こんなに私のことを思ってくれていたなんて思っていなかったから。」

「俺が幸せにするよ。」

「ありがとう。幸せにしてよね。」

私たちは結婚をすることになった。少し時間が経った頃、私はレントゲン検査を行った。先生から意外な言葉が言われた。

「原田さん、あなたの脳はあなたのものでは御座いませんよ。」

「どういう意味ですか?」

「こちらをご覧ください。」

私は先生からレントゲン写真を見せられた。

「原田さんの頭と、脳の形が一致していないんです。」

確かに頭と脳のバランスが悪い。それに脳の方が大きい。

「あなたの脳内を調べさせていただきました。あなたの脳は前世である原田優希さんの脳です。」

「もしかして私が頭痛で倒れる理由って…。」

「これかもしれませんね。」

私は動揺した。

「私の脳はどこに行ったのですか?」

「それは私にも分かりません。1つ言えるのは、あなたの体に原田優希さんの脳がだれかによって埋め込まれたのは確かです。」

私は何も言い返せなかった。



診察が終わり、病院のベッドへ戻ってきた。戻ってきたら大志さんがリンゴを剥いて待っていた。

「お疲れ。」

「うん。」

「何て言われた?」

「私の脳って、私のものじゃないんだって…。可哀想よね。」

「俺は何も言えないよ。それより何でこんなことになったの?」

「分からない。」

大志さんはリンゴを私にくれた。

「ありがとう。」

そして大志さんは私にキスをした。

「俺が守るから。」

「私の脳のこと、調べて欲しいんだけど。私の脳は優希お爺ちゃんのものなんだって。どうしてこうなったのか調べて。」

「分かった。」

「お願いね。」



私は3週間後に退院が出来た。大分長かった。大志さんはまだ調査をしていて、まだ調べがつかないらしい。今日は家に梅野さんが来ていた。

「え?結婚したんですか?」

「うん。昨日、婚姻届を出しに行った。」

「それまで病院にいたらしいですね。家にいなかったからビックリしました。大丈夫ですか?」

「衝撃なことばかり。でも大志が守ってくれるから。」

「ハハハ。ラブラブですね。」

「ありがとう。」

「そうだ。私、面白い資料を見つけたんですよ。」

そう言って梅野さんはファイルを出した。

「何それ?」

「私、都市伝説が好きなんですけどー。…これ今の美穂さんにピッタリ。この資料は偉人の死体が冷凍保存されているという都市伝説です。」

「…どういうこと?」

「要するに、原田氏の脳が誰かによって冷凍保存されていたんだと思います。」

「不思議な話。」

「あくまでも都市伝説ですけどね。」

カランコロン♪♪

「ただいま。」

大志が返ってきた。

「お帰りなさい。何か分かった?」

「ああ。美穂の脳はお爺ちゃんの脳だ。それに美穂の脳は国に保管されてあるらしい。」

「冷凍保存でしょ?」

「知っていたのか?」

「都市伝説らしいけど、どうやら本当みたいね。どうすれば良いの?」

「国が、美穂が死ぬまで保管しているって。そして美穂を再生させるらしい。」

「そもそも誰がやったの?」

大志は私を指差した。

「美穂だ。」   続く

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