第4話 仙台に行こう
いつも私は何かと忙しい。とか言いつつも今日は仙台に旅行に来ています。家を空けて来たので完全にプライベート。私の前世の優希お爺ちゃんと明日香お婆ちゃんの墓に用事があったのです。そこで、ある人物と出会ったのです。
「ふ~。」
御墓参りも一旦終わり帰ろうとした後に…。
「こんにちは。」
「こんにちは。」
そう言って男の人はお爺ちゃんの墓に手を合わせた。
「あの~、あなた何でこの墓に手を合わせているのですか?」
「僕ですか?僕は原田明日香お婆ちゃんの生まれ変わりなんです。原田大志と言います。」
「えーーーーーー。世の中狭い。」
「あなたこそ誰ですか?」
「私は原田美穂と言います。原田優希お爺ちゃんの生まれ変わりです。」
「本当ですか?こんな時にどうしてですか?」
「仕事の気晴らしですよ。大志さんこそ、どうして来たんですか?」
「何でか今日来るように足が動いたんです。」
「不思議ですね。」
「美穂さん、もし良かったら今から食事でも行きませんか?」
「ナンパですか?」
「違います。こんなことありますか?元夫婦の生まれ変わり同士が出会うなんて運命ですよ。」
「まあ、別に断る理由がないから…良いですよ。」
大志さんは私を食事に連れて行った。
私は誘われるがままに、高級レストランに誘われた。
「この後どこ行きます?」
「え…展開早くありません?」
「どこ行きたいですか?」
「大志さんはどこに行きたいんですか?」
「俺は、ここ。」
そう言って、地図を見せてきた。
「どこですか?」
「原田優希お爺ちゃんの小学校です。何かあるかもって思いましてねー。」
「私も行きます。」
不図、言葉が出た。何故かは知らない。
「メールアドレス聞いてもいいですか?」
「大胆ですね。良いですよ。不思議な縁ですから。」
話がトントン拍子で進んでいった。
食事も終わり、小学校に行った。本当なら取り壊しされているはずだったのだが、何故か100年の時を超えて取り壊されていなかった。むしろ外は改築されていた。
「ここか…。」
「教室、ここみたいです。」
「大志さん、もう敬語止めない?あなた歳は?」
「22歳。」
「私も22歳だから。普通に話して。この出会いは運命なんでしょ?」
「分かった。結婚するかもしれないもんね。」
な…何言っているの。私は顔が真っ赤になった。
「とりあえず教室に行かない?楽しみ。」
「そうだね。」
2人で教室に向かった。
教室は、もうボロボロ。少しだけ臭い匂いがした。それはそうだ、100年も経ってるんだから。
「ここだってさ、優希お爺ちゃんの席。ん?」
大志は何か気が付いたようだ。
「どうした?」
「何か机に掘られてあるぞ。」
私はお爺ちゃんの机を見た。
「熊谷麻美?誰?」
「原田家の言い伝えでは聞いたことがないぞ。」
不思議に思ったので机に周りを探してみた。机に中を覗いたら、手紙が書いてあった。手紙を触った時。頭が痛くなった。
「痛。」
“麻美の方こそおかしいぞ。俺たち結婚しているんだぞ。”
“優希、私のこと愛してる?”
“………。”
“昔は私のこと愛してくれたのに…。”
“昔は昔。嫌っていた昔を後悔するがいい。”
“立場が…逆転してる…。”
今度は何?
「大丈夫?」
「ええ、それより机に中に手紙が入っていたけど…。開けてみる?」
「見ようか。」
手紙には、こんなことが書いてあった。
“私の生まれ変わりの人間よ。この手紙を読んでくれ。私は元々、熊谷麻美という女と結婚していた。だが心の擦れ違いで麻美を失ってしまった。でも本当に俺のことを思ってくれていたのが、妻の明日香だ。私の生まれ変わりの人間よ、明日香の生まれ変わりと性別が違っていたら、そいつと結婚してほしい。そいつとは血は繋がっていないから安心しろ。”
血が繋がっていないってどういう意味?
“俺の子孫には麻美の血統が流れていて、明日香には隠し子がいたんだ。”
「だって。」
私たちは、しばらく沈黙していた。 続く