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バカ以上天才未満の魔術師  作者: ペポ
エピローグ
16/16

勇者様と指輪


「勇者様―、楓太さんからの預かりものですー」



「なんだと?」



心底意外そうな顔をする勇者様。



巫女はそっと勇者様の手のひらに深紅の指輪を手渡した。



「・・・」



ああ、まったく、



後始末を俺に押し付けたわけか。



ルビーの奴、泣き喚くだろうな。



楓太のこと結構好いてたし。



「・・・・・・?」



「どうかしましたかー?」



「いや、なるほど、と思ってな」



勇者様は真紅の指輪をじっと見つめて頬を緩めた。



そしてその指輪を自分の右手の人差し指にはめた。



「おい巫女さん、姫様に俺の部屋を用意するように言っといてくれないか?・・・なにせ金がないんでね」



「わかりましたー」



巫女が塔から出るのに続いて勇者様も塔を出た。



「・・・お前が名付け親なんて、俺最大の汚点だな」



そう呟いて右手の指輪を見つめながら歩く。



「でもまあ、バカの割にはよく考えた方かな」



勇者様は歩く。



リングの裏側に刻まれていた、



新たな名を携えて。



『YUSYA(勇者)』の五文字を並び替えた、



SYUYA(シュヤ)』という名を携えて。



バカが必死に考えた精一杯の名を携えて、



勇者・シュヤ様は歩く。


                       完


           


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