第7話 野外学習、それぞれの役割
第7話です
なんだかんだあって学校が終わり、帰宅して真っ先に『あいりん』のSNSを確認した。
『今日の配信はお休みします。楽しみにしていた人、ごめんね!』
(嘘だろ……今日、配信ないのかよ……)
絶望的なショックを受けつつも、仕方なく過去のアーカイブを観返して心を落ち着かせた。
翌朝、いつも通り教室に着き、ラノベを読んで時間を潰す。 今日の一限から三限までは、すべてLHRだ。来週に迫った野外学習の最終確認が行われるらしい。
(おいおい、三時間もあるのかよ……)
今日は五月二十一日。出発まであと一週間ちょっとだ。 チャイムとともにLHRが始まり、昨日決めた班ごとに机を合わせた。先生から二泊三日の詳細な日程が発表される。
一日目は、昼にカレー作り、夜には昨日話題に上がった肝試し。
二日目は、午前中にオリエンテーリング、夜には名物のキャンプファイヤー。
三日目は、午前中に片付けをして午後には解散。
大まかな日程説明が終わると、班ごとの役割分担が始まった。 優たちのグループは、男子三人と女子三人の計六人。リーダーの山田が仕切り始める。
「じゃあ、まずカレー作りの持ち場を決めるぞ。食材を切る人、立候補!」
「はーい! 私やりたーい!」
真っ先に手を挙げたのは、クラスの陽キャ女子、青山 さや(あおやま さや)だった。
「よし、青山決定。次は米炊きと炒める係、三人な」
「俺やるわ」「じゃあ、私も!」
村岡 拓実と最川 凛が迷わず手を挙げる。
「オッケー。……あと一人だけど、とりあえず俺が入るよ」
山田が名簿に名前を書き込む。結局、俺と冬月 さんは一度も手を挙げられないまま取り残された。
「じゃあ……悪いけど、水瀬と冬月さんは食材の運び出しと食器洗い、あと何かあった時のヘルプに回ってくれるか?」
山田の問いかけに、俺は「……わかった」とだけ短く返した。 (まあ、ぼっちはこうなるよな……)
隣を見ると、冬月さんもどこかホッとしたような、それでいて少し寂しそうな顔で手元の資料を見つめていた。
そして昼休み。当たり前のように空き教室に行くと、そこには既に冬月さんが座っていた。
(相変わらず早いな)
なんてことを思いながら、俺たちはついさっき決まったばかりの野外学習について、互いに言葉を交わした。
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