第6話 野外学習、肝試しの話
第6話ですよろしくお願いします
なんだかんだで四限目の授業も終わり、昼休みになった。 いつも通り空き教室で飯を食うつもりだが……昨日の今日だ。冬月さんはどこで食べるんだろうか。
ふと教室を見渡してみたが、彼女の姿はもうどこにもなかった。
(……もう移動したのかな)
そんなことを考えながら、優はいつも通りコンビニで買ったパンを手に、例の空き教室へと向かった。
ガラリとドアを開けると、そこには昨日と同じ場所に座っている冬月さんの姿があった。
「あ、こ、こんにちは……」
消え入りそうな、けれど緊張した声で冬月さんが挨拶をしてきた。優も心臓の鼓動が速
くなるのを感じながら、咄嗟に言葉を返す。
「……こんにちは」 「……来るの、早いですね」 「あ、まあ、そうですね……」
それきり、会話が続かない。 昨日よりは言葉数が増えたはずなのに、同じ班になったという事実が、かえって妙な意識をさせてしまう。
(ああ、もう。こういう時、何て言えばいいんだよ……)
優は買ってきたパンを口に運び、冬月さんも持ってきたお弁当を静かに食べ始めた。 沈黙を破ったのは、冬月さんの方だった。
「……そういえば、班、同じになったね」
俯き加減に、けれど確かにこちらを意識して声をかけてくれた。
「……そうだね」
優の返事は、相変わらず不格好で短い。 けれど、せっかく冬月さんが話題を振ってくれたんだ。優も何か話そう。
「あ、あの……冬月さん」 「は、はいっ!」
名前を呼ぶと、彼女は驚いた表情でガバッとこちらを向いた。そんなに構えなくてもいいのに、と内心で苦笑いしながら言葉を続ける。
「野外学習って、色々イベントがあるじゃないですか。例えば、肝試しとか……」
「肝試し……」
「冬月さんって、そういうの得意ですか?」
優の問いに、彼女は少し考える仕草を見せてから答えた。
「……ま、まあ、得意な方かな。本物の肝試しみたいなのはやったことないけど……ホラー系は平気だから、大丈夫だと思う」
意外な答えだった。おどおどしている彼女のことだから、てっきり怖がりだと思っていたのに。
「……まあ、野外学習、頑張ろうね」
「うん!」
そんな何気ないやり取りをしていたら、昼休み終了を告げる予鈴のチャイムが校内に響いた。




