第4話 夜の雑談配信
第4話になります感想のほどよろしくお願いします
午後の授業も終わり、ようやく帰宅の時間になった。昼休みにあんなことがあったせい
で、結局午後の授業には全く集中できなかった。
(今日はやけに疲れたな……)
帰りのホームルームが終わると、優は足早に教室を後にし、帰路についた。
「ふぅ……。今日は本当に疲れた……」
玄関で靴を脱ぎ捨て、自室のベッドに倒れ込む。
「でも、あと三時間くらいで配信が始まるんだ……」
それだけを糧に、手早く夕飯と風呂を済ませた。PCの前で待機していると、待機画面のBGMが止まり、ブラウザの更新ボタンを押す指に力が入る。
「お! あと三分で始まる……!」
期待で胸が高鳴り、興奮を抑えきれない。そして、待ちに待った配信が始まった。
『みんな〜、おはなつ〜!』
画面の中から響く、聞き馴染みのある甲高い声。星夏愛――「あいりん」の、いつも通りの元気な挨拶だ。
「始まった始まった……!」
今日の配信内容は、リスナーとの距離が近い「雑談回」らしい。
(今日は雑談か。あいりんの雑談は面白いからな……)
登録者54万人を抱える人気配信者だけあって、トークのテンポが良く、コメントを拾う技術も一流だ。 配信開始から三十分ほど経った頃、彼女はふと思い出したようにこんな話を切り出した。
『あ、そうそう! 実はね、今日学校でとある男の子と喋ったんだけど……私がコミュ障すぎて、何を喋ればいいか分からなかったんだよねー』
優の手が、ピタリと止まる。
『でも、なんか「Vチューバー推し」? みたいな話はしたんだよ!』
画面の向こうで、あいりんが楽しそうに笑う。
(……ん? 何か、この話……聞き覚えがあるような……)
デジャブのような不思議な感覚。けれど、まさかあの冬月さんがこの「あいりん」だなんて結びつくはずもなく、俺は首を振って思考を追い出した。
一時間の配信は、あっという間に過ぎていった。
「あ〜、今日も最高だったな……」
配信終了後、恒例となっているSNSでのファン仲間への感想会を済ませる。
「やっぱ、あいりんの雑談は元気がもらえるな」
心地よい充足感に包まれながら、俺は深い眠りについた。




