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第3話 空き教室、ふたりきりの昼休み

第3話です

それから、重苦しくもどこか落ち着かない空気が流れる中、優はコンビニで買ったパンを口に運んでいた。


(冬月さんは、お弁当を食べてるんだな……)


視線の端に映る、彼女の手作りらしきお弁当を意識しながらも、沈黙が続く。


(やっぱ何か喋った方がいいのかな……。でも、ただでさえ女子と会話なんてしたことないのに、何を喋ればいいんだよ……)


そう自問自答していると、お弁当を食べていた冬月さんが、消え入りそうな声で口を開いた。


「あ、あの……い、いつも、ここで食べているんですか?」


いきなりの質問に、優は心臓が跳ね上がるのを必死に抑えながら、咄嗟に答えた。


「え、あ、はい。……まあ、そうですね」


敬語混じりの、なんとも不格好な返答。


(ああ、もう。こういう時、女子と何を喋ればいいのやら……)


内心で頭を抱えながらも、優は逃げるように残りのパンを平らげた。手持ち無沙汰になり、そういえば「あいりん」のSNSをチェックしていなかったことを思い出す。


(お、今日20時から配信がある……!)


画面に並んだ「今夜、みんなに会えるの楽しみにしてるね!」という投稿。 喜びのあまり、つい頬が緩んでニヤけてしまった。すると、それを見た彼女が、若干引き気味な顔でボソリと呟いた。


「……な、何かいいことでも、あったんですか?」

「あ、いえ! えーと、その……推しの配信があるというか……」


焦って口走った優の言葉に、冬月さんが目を見開く。


「お、おし……?」


彼女の声が、妙に上擦うわずった。


(やばい、焦って咄嗟に変なことを言ってしまった……!)


「推しって……だ、誰を推しているの……?」


予想外の追及に回答に困り、俺は恐る恐る呟いた。


「ええと……ぶ、Vチューバーを推していて……」

「V、Vチューバー……?」


冬月さんはなんともいえない表情を浮かべる。気まずい空気が流れる中、タイミングよく昼休み終了のチャイムが響き渡った。


最後まで読んでいただきありがとございます。

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