繋いだ手
眠れない夜は何度も何度も寝返りを打ち、考えなくていい事で頭が埋まっていく。
ふいに不安に襲われて心許ない。
そんな独りをいつもより身近に感じる夜、小さな手を握ったまま眠った。
守らなくちゃ…私が。
そう思っていたのに、守られていたのは私だったのかもしれない事に気づく。
暖かく柔らかい可愛らしい手を握っていると、自分が今この瞬間も必死で生きていて、これからもきっとそうやって生きていくんだと改めて実感する。
これが私が選んだ道。
そうか…こんなにも不安でこんなにもしんどい。
でも、この手を守るためなら私がどんな敵からも守ってみせる。
…私と生きることを選んでくれたのだから。