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前世は魔王らしい  作者: カルン
1/1

プロローグ

 ―― ……これは……何だ……? 夢……か……?


 ……ん? なんでこんなところに誰かいるんだ……?

 ここ誰もきてはいけない場所d……!? 待て何で私に意識があるんだ!? 私は既に消えている筈なのに……? 何でだ……? う~~~~ん………まあ考えても分からんから今は別にいいや。


 ―― お前は……誰だ……?


 で、問題は君のことだが……ん? 私が誰だって? おお! よく聞いてくれた!

 我が名はリュシーナ!誇り高き夜を統べる吸血鬼であり、天と地を征した偉大なる魔王である!


 ―― ………………


 ……何その間。その「うわ~何か痛いこと言ってるな~」みたいな雰囲気を今すぐやめてくれないかな?

 ねえちょっと、聞いてる?おーい。あ、ようやくやめてくれた。

 まぁとにかく何で私が君に話しかけられてるって言うと……


 私、君の前世なんだ。


 いや、冗談でも何でもなく正真正銘君の前世なんだ私。驚くのも無理はないだろうし、前世が魔王って突然言われてもピンとこないと思うけど、これは紛れもない事実だし……多分これから大事になってくると思うんだけど……


 ―― ……何で……前世……なのに……


 え? 何で前世なのに話しかけられるかって? そこは……ほら……魔王パワーか何かの影響じゃない? うん、きっとそうだよ……ってもう時間か、語りたいことは山ほどあるのに……仕方ない。

 また会おう! 神原龍人(かんばらりゅうと )君! 君の人生に幸運あれ! 














 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ――RiRiRiRiRiRiRiRi!!!!!


 けたたましい目覚まし時計のアラーム音が部屋の中に響く。

 柔らかい布団が僕を包んで離さない。ああ、心地良い眠りに再び落ちていk……


「何時まで寝てんだ、ばかお兄!!!」


 聞き慣れた大声が耳に届く、それと同時に布団が引き剥がされる。


「遅刻するぞ!!ばかお兄!!!!」

「分かった、分かったから!朝からその大声はやめてくれないかっていつも言っているだろ!?」



 今日もいつも通りの日が始まる………はずだった。

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