プロローグ
―― ……これは……何だ……? 夢……か……?
……ん? なんでこんなところに誰かいるんだ……?
ここ誰もきてはいけない場所d……!? 待て何で私に意識があるんだ!? 私は既に消えている筈なのに……? 何でだ……? う~~~~ん………まあ考えても分からんから今は別にいいや。
―― お前は……誰だ……?
で、問題は君のことだが……ん? 私が誰だって? おお! よく聞いてくれた!
我が名はリュシーナ!誇り高き夜を統べる吸血鬼であり、天と地を征した偉大なる魔王である!
―― ………………
……何その間。その「うわ~何か痛いこと言ってるな~」みたいな雰囲気を今すぐやめてくれないかな?
ねえちょっと、聞いてる?おーい。あ、ようやくやめてくれた。
まぁとにかく何で私が君に話しかけられてるって言うと……
私、君の前世なんだ。
いや、冗談でも何でもなく正真正銘君の前世なんだ私。驚くのも無理はないだろうし、前世が魔王って突然言われてもピンとこないと思うけど、これは紛れもない事実だし……多分これから大事になってくると思うんだけど……
―― ……何で……前世……なのに……
え? 何で前世なのに話しかけられるかって? そこは……ほら……魔王パワーか何かの影響じゃない? うん、きっとそうだよ……ってもう時間か、語りたいことは山ほどあるのに……仕方ない。
また会おう! 神原龍人君! 君の人生に幸運あれ!
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――RiRiRiRiRiRiRiRi!!!!!
けたたましい目覚まし時計のアラーム音が部屋の中に響く。
柔らかい布団が僕を包んで離さない。ああ、心地良い眠りに再び落ちていk……
「何時まで寝てんだ、ばかお兄!!!」
聞き慣れた大声が耳に届く、それと同時に布団が引き剥がされる。
「遅刻するぞ!!ばかお兄!!!!」
「分かった、分かったから!朝からその大声はやめてくれないかっていつも言っているだろ!?」
今日もいつも通りの日が始まる………はずだった。