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能力開発センター

作者: 倉下 漂

いつもどおりの朝だった。

珍しく人が来た。


数日前から来なくなった友人かもしれない。

僕は今日から能力開発センターでくらすことになりました。


数年前に両親をなくし、日々を漠然と生きていた僕にはどうやら超能力か何かの素質があるらしい。

今朝、能力開発センターの人から説明を受けた。


「悪を許してはいけない」

「訓練をして」

「殺人犯を見逃すわけにはいかない」

「君の未来のためにも」

「協力してほしい」


そんなことを言っていた。

目の前の説明をする職員の髪についていた小さな蜘蛛が気になってちゃんと話は聞いていなかったけど。


要するに「僕には何かの能力があるから悪を倒すために協力してくれ」ってことだろう。そのために訓練施設である開発センターで生活しろということだろう。

ヒーローになれるかもしれない。ヒーローは漠然と生きるよりは楽しいだろうか。



施設に入ると毎日規則正しい生活をさせられた。

職員の指示は絶対。訓練の内容は色々あったけど、真面目に訓練を受ける人から施設で見かけなくなったのできっと真面目に訓練をしたほうが能力の開花が早いのだろう。


不真面目な人たちも「あと3年もすればここから出られる」と言っていた。

鍛えれば3年ほどで能力に目覚めるみたいだ。

僕は早くヒーローになってみたかったので、真面目に訓練を受けた。





最終日。と職員から聞いただけ。

ボクは能力開発センターである『ケイムショ』から『シュッショ』させられた。

追い出しのことだろうか。努力はしていたはずなんだけどな。才能がなかったのかな。

結局、僕は昔と同じように漠然と生きるのがいいのかもしれない。

ボクの『シュッショ』から数日後


ボクの家の近くで一家惨殺事件があったらしい。

この世には悪い人がたくさん居るみたいだ。

ボクが『ケイムショ』で能力に目覚めていたら助けられたのかな?


あの家の子供はボクと遊んでくれるいい子だったのにな。

また友達が減って退屈になったな。



さっきから玄関から叫び声が聞こえる。

なにかあったかな。

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