緑茶
すぅーー、っと息を吸う。
体の中に不足していた酸素を取り込む。
肺とお腹の隙間を埋めて、ゴム人形みたいに体が膨らむ。
小さな2つの穴から、よくもまぁ175センチ分の酸素が入るもんだ。
と思うと同時に、口から吸い込んだものを全部吐き出す。
いい気分だ。
ふと、試みに、机の上にある緑茶に手を伸ばす。
1リットルパックに長いストローが刺さっている。
おもむろに、右の鼻穴にさす。
酸素は鼻から、緑茶は口から。
誰がそう決めたのか。
左の鼻穴をぎゅっと塞ぎ、前のめりになって、視線を上に向けた。
呼吸をするように、自然に、自然に、自然に。
勢いよく。緑茶を吸い込んだ。
瞬間。
後悔と自責の念に駆られた。