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週末は、異世界行って金稼ぎ  作者: 浅野 
最凶クラン ヘブンズウルフ
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イオと立川ドライブ(カブ)

 9月も半ば過ぎたというのに、夏はその場に居座りまるで老害のように世代交代を拒否している。

 俺は照り付ける太陽を睨みつけ、バイクを西に走らせた。


「カブさん!」


 立川駅でイオを見つけ、バイクを止める。


「待ったか?」


「少しだけ。あと5分遅かったら暑さに切れてたかもしれませんけど」


「ギリ間に合ったってところかな。ほら、乗れ」


 俺はイオにヘルメットを渡し、バイクのタンデムに乗せた。


「バイク、お金あるんだからもっと格好いいのに変えたらどうですか?」


「まだまだ乗れるだろ? それに、これ、かなり性能いいんだぞ」


「そういう外見より中身重視なところ、カブさんらしいですけど」


 バイクを走らせさらに西進。


「おまえ、この辺に住んでんだろ? なにか美味しいもの食える店教えろよ」


「中学生になに期待してるんですか! 家族と行くハンバーグ屋くらいしか知りませんよ、それも全国チェーンの」


「それじゃあ俺が教えてやろうか。今度連れてってやる」


「エトちゃんには内緒で」


「あいつ、仲間外れ極端に嫌がるからな。以前俺とブリが下関でフグ食ったの聞いてブチ切れてたんだぜ」


「それ、たぶん怒った理由、カブさんの考えてるのと違いますよ」


「なにが違うってんだよ」


「教えませ~ん!」


 俺はバイクをある町工場の前で止めた。

 勝手知ったる他人の会社、俺はエアコンのよく効く事務所に入った。


「こんちわ~」


「お、カブくん。いらっしゃい」


 出てきたのは、若禿が光る社長だった。


「おや、こちらの美少女は?」


「こんにちは」


「こいつはイオ。今度からはこいつが届けるから」


 俺はそう言って社長にバッグを渡した。

 社長は中身を確認する。

 そこに入っていたのは、4キロのゴールドだった。

 この会社は都市鉱山採集をする会社だとかで、文化省に紹介してもらってゴールドを無税で買い取ってもらっているのだ。

 もっとも、上限が決まっていて週に4キロまでとなっているが、まあ十分ちゃあ十分だな。


「ゴールドって、意外と重いですよね」


「意外じゃなくて正々堂々と重いな。比重が高いって一茶が言ってた」


「そんなものをか弱い乙女に運ばせますか」


「タクシー使っていいから。ていうか、行きは必ず使えよ。強盗に遭うかもしれないからな」


「さすがに大げさでは?」


「そんなことねえんだな。一回俺と一茶も遭ったし。実際現金換算1600万円を持ち歩いてることになるんだから注意し過ぎってことはねえよ」


 そんなことを話していると、一度奥に行った社長が戻って来た。


「今回も24金のゴールドだと確認したよ。代金はいつもの口座で?」


「ああ、よろしく。麦茶ごちそうさま」


 俺とイオは会社を出た。


「それじゃあイオ。来週から頼むな」


「やりますよ。私の家が一番この会社に近いみたいだし。ただ、中学生のやることじゃないってことと、受験が近いってことは考慮してくださいよ」


「わかってるよ。さて、これからどうする? 家まで送って行ってもいいけど、地元で見つかったら彼氏に悪いか?」


「彼氏ってなんですか?」


「大学生の彼氏だよ。確か9月頭から付き合い出しただろ」


「いつの話ですか。とっくに別れてますよ」


 マジかよ。まだ半月足らずだぞ。


「ていうか、中学生に粉かける大学生ってやばいですよね。ロリコンですよ」


「そうか? 年齢差で5歳くらいだろ?」


「そういえば、カブさんこそ年齢差30歳の彼女はどうしたんですか……、カブさん?」


「……いや、なんでもない」


「うまくいってないんですね」


 女ってのはどうしてこう勘がいいのか。


「そんなことねえよ。ただ、忙しくてなかなか会えないだけで」


 彼女は仕事持ちだし、俺もナギサの件で色々動いてるし。


「9月で何回会いましたか?」


「……頭に1回」


「振られましたね」


「やっぱそう思うか? どうすればいいんだよ!」


「ちょ! やめてくださいよ! 年下に恋愛相談とか恥ずかしくないんですか?」


 んなこと言ったって、アニオタトリオには爆笑されて終わりだろうしエトとダイゴは綺麗事しか言わなそうだし、一茶に至っては相談自体を拒否するっていう恋愛アレルギーだ。外国で風俗行ってたスケベ野郎のくせに。


「とにかく、一度顔を合わせて話し合うしかないんじゃないですか?」


「おまえもそう思う?」


「その泣きそうな顔やめてください」




次回ラスト。

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