ILZ強襲3(守)
突然頭部に強い衝撃を受け地面に叩き付けられる。
常に張り付けているハイシールドが粉々に砕けていた。
ハイシールドは機動隊員の持つライオットシールド並の防御力を持つんだぞ。それを、1撃で!?
「守さん!」
「大丈夫だ、それより、どこからの攻撃だ!?」
「兄様、上だ!」
瑞樹に言われ、中空を睨んだ。
天が翳る。
俺は歯軋りした。
「……カブ!」
上空1000メートル。
そこを悠々と旋回する雄敵の姿。
手に持つのは狙撃銃か?
「撃ち落とせ!」
指示を出すも下級魔法ではカブのいる高度に届かず、発動に時間のかかる遠距離用の中級魔法でも余裕を持ってかわされる。
「上級魔法は?」
魔法攻撃隊はすでに詠唱に入っていたが、まだ時間がかかるようだった。
元々1時間以上の詠唱が必要なのだ。あと20分かかることか30分かかることか、どっちにしてもそれまで向うのやりたい放題だ。
俺はカブを見上げた。
カブと目が合う。
瞬間、俺は手に持つラージシールドを構える。
同時に、強い衝撃を受けて吹っ飛ばされた。
さっきまでラージシールドだったものは、ひしゃげて原型を留めていなかった。
「衝撃軽減の魔法のかかっている防具でこれかよ」
俺は痛む身体を無視して立ち上がった。
視界に、俺に駆け寄る仲間が見える。
「馬鹿! 持ち場を離れるな!」
一瞬、隙を見せたのはほんの一瞬のはずなのに、間隙を埋めるように2人目の敵が姿を現した。
低空からのサブマシンガンの乱射!
あれは、河本の娘か?
陣形を保っていた連中はなんとか防げたが、俺に駆け寄った連中は悉く撃ち取られた。
河本の娘は弾が尽きると、低空を旋回しながら下級魔法で攻撃してくる。
あの位置なら、こちらの攻撃も当たるんじゃないか? そう自然に思わせる、囮だ。
俺はカブを見た。
「やはり!」
カブは、急降下してこちらに迫っていた。
俺は眼前にシールドを展開して次の攻撃に備えた。
が、行われたのは直接攻撃ではなかった。
カブの投げた黒い塊は俺の足元で弾け、一気に膨らんで陣地全体を包み込んだ。
後に訪れる完全なる闇。
視覚も聴覚も、上下感覚すら消失する。
「……ダークネス! 下級魔法とはいえこれほどの規模を!」
俺はどうすることもできず、頭上に中級魔法『ハイシールド』を張り、敵の攻撃に耐えた。
時折感じる衝撃、おそらく河本の娘がダークネス内に下級魔法の縦断爆撃を行っているのだろう。
と、俺の側面が輝き光と音が戻った。
下級魔法の『クリアリング』。
解呪効果があり、ダークネスを消失させる効果がある。
だがそんなことをすれば、
甲高い音と共にクリアリングを唱えた仲間は先ほど俺の持っていたラージシールドのようにひしゃげて消えた。
俯瞰から見れば黒闇の中に光点が灯るようなものだ。狙い撃ちされるのは必然だろう。




