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週末は、異世界行って金稼ぎ  作者: 浅野 
最凶クラン ヘブンズウルフ
83/88

ILZ強襲1(守)

 最近追加された『ニューワールド』のランキング機能によると、現在クランは5強となる。


 まず、俺、友澤守の率いる「ILZ」。

 天才川瀬祥子の率いる「3B」。

 女性中心の「シャイニングバスタード」。

 ローティーンが多く在籍する「N°4(ナンバーフォー)」。

 そして、悪評紛々たる「ヘブンズウルフ」。


「兄様よ。ヘブンズウルフはすでに第6階層にまで深化したそうですよ」


「聞いている。あいつら、なにを慌てているんだか」


 階層深化にはメリットもデメリットもある。

 メリットは稼げるポイントが多くなることと、ボーナス特典として1クールタイムの時間が1時間延長されること。

 一方でデメリットは、敵が強くなるため死亡率が上がることだ。

 この世界はゲームのようでゲームではない。

 死んでしまえばコンテニューはできないのだ。


 我々ILZはそのことを念頭に踏まえて、とにかく負けない体勢を整えるようにしている。

 レベルを上げ、スキルを磨き、装備を整え負けない戦い方を身に着ける。

 一方で友澤の財力と情報力を使ってプレイヤーを勧誘し、味方を増やしていく。

 現在のILZ在籍数は100人を超え、全クラン内でもトップの大所帯だ。

 よく言えば堅実、悪く言えば臆病な経営をしているところだ。

 以前ブリに引き抜きを仕掛けたところ、「つまんね」で切り捨てられたのはいい思い出だ。


 俺は遠い目をして紅茶を啜った。


 ここは我が「ILZ」の司令室だ。

 機能は全クラン員の情報をリアルタイムで集約でき、全員と音声連絡ができるという代物。

 ワールドカスタマイズで300万もしたが所帯の多い我らとしてはその価値がある代物だ。

 ちなみに言うとILZは、 Ilon like a Lion in Zion. (ザイオンのライオンのように強く)の頭文字。

 由来はブリに貰った腕輪だが、


「ライオンと獅子は違くね?」


 と突っ込まれたのはクラン結成して名前登録した後だった。


「兄様、目が赤いですが?」


「気のせいだ。それにしても、ヘブンズウルフの悪評は散々だな」


 奴らの名声は、ひょっとしたら友澤クループのバックアップを受ける我々を超えるかもしれない。

 理由は、彼らの悪名によるものだ。


 毎週のように他クランにコンクエストモードを仕掛け略奪の限りを尽くし、レイドバトルでも他参加者を無視して敵を殲滅するのだ。

 コンクエストモードは、そういう機能があるとはいえやっていることは『プレイヤーキラー』(この言葉はブリに教えてもらった)で嫌われる行為だ。

 レイドバトルにしたって取決めがなければ早い者勝ち、という理屈はわかるが、他参加者の分までポイントを独り占めしてしまえば反感は買う。

 いくら合法とはいえ、度が過ぎれば敵を作るものなのだ。


「なにかしらの方法で規制する必要があるな」


「彼らが従いましょうか?」


「どう思う?」


「腕力では無理でしょうな」


 妹の瑞樹はそう断言する。俺もそう思う。

 正面から戦って負けるとも思わないが、こちらの被害も甚大だろう。


 もし勝てたとしても被害が大きく得るものも少ない。

 これは、孫子の兵法で言うところの「費留ひりゅう」というやつで、もっともやっていはいけないことだとされている。

 俺がこの選択をすることはまず有り得ないことだ。


 だが、

 だが、だ。


 向うから仕掛けてきたとするならば?





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