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週末は、異世界行って金稼ぎ  作者: 浅野 
クラン結成
61/88

レイドバトルでリクルート3

「マニュアル通りか」


 ぼそりと呟くカブに祥子女史は仮面を脱ぎ捨てた。


「じゃああなたならどうするってのよ!? さぞ素晴らしい戦略があるのでしょうね!」


 カブは横目で僕を見た。

 仕方ない。

 僕は無言で頷いた。


 カブは、のりこちゃんを撫でた。

 すると、のりこちゃんは大きく息を吸って、大きな咆哮を上げた。


 今まで好き勝手に話していたプレイヤーたちは動きを止め、場を静寂が支配した。

 中には驚きのあまりその場に座り込んだプレイヤーもいる。

 カブは頭上で2度ほど手を叩き、そういった連中を覚醒させて自分に注目を集めた。


「敵が来るぞ! 全員射撃戦準備! 術者は詠唱を始めろ、近接武器しか持たない奴は術者を守れ!」


 カブが指し示す方角を見るとぽつりぽつりと黒い点が浮かびだした。

 プレイヤーは大急ぎでいくつかのグループに分かれ、迎撃態勢を整えた。


「……ちょっと意外。ひとりで全部やっちゃうかと思ったんだけど」


「なんだ、やってよかったのか? さっき手の内見せるのは禁止って言ってたじゃねえか。そんで、おまえはどんだけかかる?」


「3分もあれば」


「上出来。エト、回りのサポート」


「了解です!」


 前線を見ると戦闘が始まっていた。


 打ち上げ花火のようにパンパンと空に咲く攻撃魔法。

 それをものともせず攻め寄せるフライングエイプ。

 突如、一匹が急降下をし、詠唱中の術師を鋭い爪で攻撃してきた。戦士がそれを大盾で防ぐ。

 フライングエイプは高度を上げようとしたところを弓で羽を傷つけられて落下した。


 今回のレイドバトルは有志だということもあるのだろう、よく防ぎ、よく戦えていた。

 そんな中で、明らかにおかしいのがいる。


 立て巻ロールに西洋ドレスを着た少女。

 素手で空中を飛び回り跳ね回っている。

 うん、あの傍若無人ぶりはどこかブリちゃんを彷彿させる。


「あ~、あいつもどこかで見たことあるな」


「カブってけっこう顔広いね。あ、捕まった」


 少女は猿に両手両足立て巻ロールを掴まれて上昇していく。


「仕方ねえなあ」


 カブは手に持つ電動ガンを構えると、少女に向かって撃った。


 弾は一直線に飛び、少女に当たる寸前で弾けて複数のウィンドカッターになって猿を傷つけた。

 そして落下する少女。


「ナギサ」


「おけ」


 ナギサちゃんはのりこちゃんに乗って駆け出し、少女に向かって中村さんを投げた。

 中村さんは少女をキャッチするとクッションとなり軟着陸した。


 隣を見れば、エトちゃんが急降下する敵にはウィンドウォールで阻害し、空中の敵にはゲイルでバランスを崩させて落下、あるいは近くの敵と衝突させていた。

 エトちゃん自身は気付いていないけど、周りからは驚愕の瞳を向けられている。

 魔法構築の速度、完成度、連射性、どれをとってもコンクエスト前とは比較にならない出来になっている。

 そして、周りにいる連中はコンクエストモード前の僕たちと同程度の能力しか持っていないのだ。


「ああ、もう鬱陶しい!」


 祥子女史は頭上を飛び交うフライングエイプに向かって手を伸ばす。すると、眼前に3つの魔法陣が浮かび同時に中級魔法を発動した。


 どや顔でこちらを見る祥子女史、が、ドン無視するカブ。

 いや、祥子女史を擁護するけど、多重詠唱の上に詠唱破棄って、かなり高度な技術なんだよ。ただ、ものすごく燃費が悪いってのと、普通に僕たちは使えるっていう、あ、今エトちゃんがやったやつね。

 うん、時機が悪かったね。コンクエスト前だったら腰を抜かすほど驚いたかもしれないのに。


「上で倒す必要はねえ! バランスを崩して落下させろ! ほら、なにやってる!? ポイントの稼ぎ時だぞ、落下したやつにとどめを刺せ!」


 カブの指示通りに周りは動く。

 こういうのはやはり才能だろうね。度胸があることや目立つことに忌避感がないこと。

 少なくとも同じことを僕がやろうとしても失敗するだろう。




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