クラン結成1
「ワオワァ~ォー、ジャングルこぞおー♪」
部屋に入ると、「ジャングル小僧田山ロミオ36歳」の主題歌が流れてくる。歌っているのはブリさんだ。あ~、小学校のとき、この特撮見てたなあ。普通にナツい。今、田山さん何歳になったんだろう?
「あ、イオちゃんいらっしゃ~い! 一緒に歌う?」
小指を立てるブリさん。
「駄目よ! 次は私の『マイケルハンデル交響曲』なんだから!」
そう言ってブリさんからマイクを奪おうとするケイ。マイク一本しかないのかな?
「イオちゃん、お疲れ。ごめんね、急に呼びつけちゃって」
「あ、一茶さん。どもです」
「外、暑かったでしょ? ここは僕ら持ちだからアイスでもジュースでも好きなの頼んでいいよ」
「ありがとうございます。一茶さんって、お金持ちだったんですか?」
「うん、まあね」
ぶっちゃけ一中学生の私としては新宿までの往復電車賃だけでもけっこうな出費なので助かる。
このパーティールームもふつうの部屋より高価だろうし、やっぱ夢の島の学生とかは副業とかしてるのかな? ダイゴはお金持ってなさそうだけど。
「そういえば、カブさんは?」
「今、エトちゃんを迎えに行ってる、彼女、ふつうに授業あったから」
「一茶さんは?」
「うちはテスト休み。うちの学校は中間期末のテストが終わると1週間休みになるんだ」
「うちの中学もですよ」
「うちの専門学校はもう夏休みだけどね」
「……さすがに早くない? まだ7月入ったばかりだよ?」
ダイゴ、その専門学校大丈夫?
「おう、みんな揃ってるか?」
そう言って入ってきたのは、小柄ながら頭にタオルを巻き、タンクトップの裾を作業ズボンにINした土方作業員。
カブさんだ。
その隣にはどう見てもカブさんの格好にはミスマッチな清楚なワンピースを着た美少女。
エトちゃんだ。
「あ、イオちゃん!」
「エトちゃん!」
私とエトちゃんは手を取り合った。
コンクエストモードで一か月以上毎日顔を合わせていたことで、私とエトちゃんは親友のようになっていた。
ぶっちゃけ貴重な同性の友人だ。
私は良助のせいで女友達少ないのだ。
「なんだ、ナギサはいないのか」
「ナギサは小学生だからね。携帯も持ってなくて連絡取れなかったんだ」
「そうか。それじゃこれで全員だな。おい、ケイ! みんな集まったから一旦曲止めろ」
「最後まで歌わせてよ!」
「あ、これ。マイケルハンデル交響曲じゃねえか。懐かしいな、ウェストポイントアニメ劇場。小学生の時学校行く前に見てたわ」
「今でもやってますよ」
「へえ、イオは見てるのか?」
「たまに見ます」
そう言って舌を見せると、突然エトちゃんが抱き着いてきてカブさんとの会話を遮った。
この子、いい子なんだけどカブさん関連だけはやたらと攻撃的になるのよね。
……言っちゃなんだけどカブさんのどこがいいんだろ?
ほどなくして店員からドリンクが届き、さらに歌い続けようとするブリさんとケイを止めて、全員席につく。
「あ~、まあ、堅苦しいのは抜きだ。とりあえずコンクエストモードお疲れ。ここは俺たち持ちだから好きに飲み食いしてくれ。乾杯!」
「「乾杯!!」」
しばらく12時投稿します。
今後とも本作をよろしくお願いします。




