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週末は、異世界行って金稼ぎ  作者: 浅野 
コンクエストでチート獲得!
53/88

対黒山羊3

 深淵。

 静寂、完全なる静寂。自らの心音すら聞こえない。

 その中で自らの呼吸を数える。


「……よし!」


 俺は立ち上がり、ダークネスの中から出た。

 座禅によって魔力は全快だ。深い眠りから目覚まし時計を使わずに起きたときのように頭もすっきりしている。


 世界ってのは広いようで狭い。

 黒山羊の奴はまっすぐこっちに向かってきていた。


「逆方向に行ってくれれば平和なんですけどね」


 黒山羊から逃げて雪崩のように迫ってくるゴブリンを処理しながらイオは言った。


「ま、そううまくいかないのが世の常ってね。ほら、カブ。頼まれてたの」


 俺はダイゴから5粒の鋼鉄の玉を受け取る。

 付与魔法のかかった電動ガンの弾だ。

 残り5発、心元ないが、まあしょうがない。


「注文通り?」


「もちろん」


「上級魔法?」


「それは無理だって」


 システム的に付与魔法は中級までらしい。

まあ、上級魔法連発はさすがにやりすぎな気がするし、中級を無詠唱で発動できるだけでも十分強力だ。


「エト、黒山羊は?」


「ゆっくりこっちに向かってます。こっちの射程まで、あと5分ってところです」


「余裕ぶってプレッシャーかけてるつもりかね。ナギサ、中村さん借りてくぞ」


「壊すなよ」

 ぶる!?


「どうやって壊すんだよ。さっきだって敵の攻撃普通に吸収してたぞ、こいつ」


「火あぶりはどう?」

 ぶるる!!?


 と、ブリ。


「氷で固めて砕くのは?」

 ぶるりん!!!?


 と、ケイ。


「この手の妖怪はコンクリートと混ぜて固めて土中に埋めるのがいいらしいですよ」

 ブルブル。


 イオまでそんなことを言う。

 中村さんはナギサの肩ですっかり怯えて震えていた。表情、どころか顔もない癖にわかりやすいやつだ。

 俺は中村さんを自分の肩に乗せた。ちなみに今は250ミリリットルの缶ジュースくらいの大きさ。これが全長3メートルにもなるんだから物理を舐めてるよな。


「のりこはイオのサポート。ゴブリンを一匹もここに近づけさせるなよ」

 らじゃ!


 俺は尻尾を振るのりこの頭を撫でると、一茶を見た。


「時間稼ぎ、よろしく」


「うっせ。切り札使う用意はしておけよ」


「最終手段でね」


 一茶は拳を突き出した。

 俺はそれに自分の拳を合わせ、一気に丘を駆け下りた。


「アップドラフト」


 飛び上がり上昇気流に乗って急上昇。

 地面が無くなり世界が広がる。


 雲一つない大空。


 運動後の火照った身体に冷たいシャワーをぶっかけるような爽快感。


「……よし!」


 黒山羊はすぐに見つかった。

 思ったよりずっと近い。

 だが、組織化されたゴブリンの波状攻撃に進攻速度は遅いようだ。



 黒山羊は俺を見つけると、群がるゴブリンを無視して問答無用で光弾を連射してきた。


「当たるかよ!」


 俺は銃に一発弾を込め、速度を上げて急接近。光弾をかわしつつ至近距離からぶちかました。

 が、黒山羊はびくともしなかった。


「……付与魔法で威力が落ちるとはいえ、中級魔法をまともに喰らって無傷かよ」


 見ると黒山羊は足を止めていた。その頭上に浮かび上がるふたつの立体魔法陣。

 それを見て慌てて退避を始めるゴブリン。


「ふたつ?」


 俺は銃に弾を込めた。

 再び急接近し、一発、が、やはりびくともしない。


 ふたつの立体魔法陣に魔力が充足していき、ゆっくりと重なっていく。


「例のセーフエリアを壊しかけた雷撃か」


 俺は銃に残りの3発の弾を込めた。

 そして、頃合いを見て黒山羊に急接近。

 もはや黒山羊はこちらを見向きすらしなかった。


「喰らえ!」


 俺は2発の弾丸を放った。

 狙った先は黒山羊、ではなく、今まさに重なろうとしているふたつの立体魔法陣だ。

 立体魔法陣は弾丸を受けると砕け散り、間を置かずに消失した。


 中級魔法「マジックキャンセラー」だ。


 黒山羊は膨大な魔力と時間を費やした魔法が発動前に消失し、一瞬呆けた顔になった後、怒りを表してこちらに向かってきた。


「怖っ!」


 俺はそのまま低空を滑空、追いつかれる寸前で背後に振り返り、最後の弾を放った。


 中級魔法「ハイシールド」。

 シールドの上位互換だ。

 シールドがガラス窓並の強度だとするなら、ハイシールドは機動隊が持っているライオットシールド並の強度がある。


 しかし黒山羊はそれを物ともせずハイシールドを安々と砕く。。。が、少し、ほんの少しだけ勢いが落ちた。





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