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週末は、異世界行って金稼ぎ  作者: 浅野 
レイドバトル
19/88

魔法を使おう1(カブ)

 4回目のクールタイムは、特にやることがなかった。


 ちょっと語弊。


 俺を除いた3人、エト、一茶、ブリは探索すると言って広場から出て行った。んで、俺、カブはお留守番。

 この世界のシステムとして女神像を守るというルールがある以上、最低一人は残っている必要があるとのこと。


 俺には、宿題があった。

 電動銃は極めて有用な武器だが、ゴブリンジェネラルクラスになるとまるで役に立たない。

 空手は強いが戦車の装甲は正拳突きでは砕けない。戦車には戦車向けの武器が必要なわけで、俺には強力な武器が必要で、それを探さなければならないのだ。


 あ、そうそう、俺のレベルは15になった。それで選択できるジョブの幅が広がった。

 さらに、サブジョブなるものが選択可能になった。これは、メインジョブのようにステータス上昇がないし、スキル熟練度上昇が半分になるが、ジョブのスキルは使えるようになるってものだ。

 んで、今の俺のステータス。



カブ Lv15

メインジョブ  シューター

サブジョブ   下級魔法使い

筋力   6

知覚   8(+1)

耐久   8

カリスマ 4

知性   3

敏捷   7(+1)

運    2

魔力   15



スキル

体力回復小   上級

体力回復中   中級

射撃      上級

狙撃      上級

連続魔法発動  初級

下級魔法    初級


称号

実戦主義

条件

レベル12までの経験値をモンスターを倒すことのみで取得。

効果

戦闘中に得られる熟練度プラス100パーセント。それ以外で得られる熟練度マイナス20パーセント。


スロット 2/3



 なんか、変な称号がついた。マイナス効果もあるんでいいのか悪いのかよくわからん。

 知覚はポイントで上昇させたわけではなく勝手に上がってた。

 そんで、サブジョブには『下級魔法使い』を選んだ。

 その名の通り、魔法を使えるようになるジョブだ。


『下級魔法使い』

補正なし。

ジョブスキル

連続魔法発動

下級魔法

取得条件 レベル15以上

     魔力 15以上



 連続魔法発動は前回使った魔法を2倍の魔力を消費して即座に発動できるスキル。

 下級魔法は全ての下級魔法を使うことができるスキル。微妙に威力が下がって消費魔力が上がるみたいだけど。


 俺は、高威力の魔法で劣った攻撃力を補えないか、と思ったわけだ。


 んで、せっかくの留守番なのでいろいろ試してみることにした。


「まずは、一番攻撃力の高い闇魔法のダークマターを……」


 感覚としては、前頭葉に文字が叩き込まれたような感じ。その文字は、四則演算の穴喰い問題のような、タイピング練習ソフトの文字列のような感じで、それを解いた瞬間、魔法が発動した。


 拳大の黒い塊、それがまっすぐ森を進み、木々をへし折り貫いて、やがて消えた。


「強い……けど、遅!」


 威力は申し分ない。ゴブリンジェネラルでも直撃できれば一撃で倒せるだろう威力だ。

 が、遅すぎる。時速60キロないくらいだろう。遠くから狙っても普通に避けられる。

 たぶんこれ、接近戦で使うもんなのかもしれないが、敵が武器振るってる最中に魔法使う自信ないぞ。

 そう考えるとこの下級魔法使いってジョブ、取得に知性がいらないからラッキーくらいに思ってたけど、知性低いまま魔法使うのってけっこう地雷だ。


「もったいないよな。威力は文句なしなのに。手で投げたほうが速い。なら、実際に手で投げたらどうだ?」


 確か、そういう魔法があったような。

 女神像の前まで戻り、魔法のリストを見た。


「あった、これだ」


『付与魔法ダークマター』


 俺は通路を駆けて外に出ると、落ちている石にダークマターをかけて、放った。


 石は木にぶつかると、砕けて500円玉大の黒い塊になって、消えた。


「いいんじゃね?」


 威力は半分以下になるが、これなら及第点だ。

 俺は、次に電動ガンの弾にダークマターをかけて、銃を撃った。

 弾は木に当たってはじけ、幹の半分を消し飛ばした。


「いいじゃん!」


 けっこうあっさり問題が解決してしまった。

 もっといい魔法があるかもしれないので、俺は魔力の許す限り色々と試してみた。

 まあ、攻撃系は下級魔法ではダークマターが一番威力が強いので、そんなに参考にならなかった。

 それ以外だと、目晦ましに光魔法のフラッシュ、敵のバランスを崩すのに地魔法のベントあたりが使えそうだ。


「闇魔法のダークネス?」


 俺は闇魔法が気に入っていた。思った以上にダークマターが使えたから。


 俺はダークネスを使ってみた。

 手元に黒い雲が生まれる。大きさ、範囲などはある程度調整できるようだ。ちょっと面白い。

 俺は目の前に縦横2メートルくらいの黒い空間を作った。


「……これはあまり使えなさそうだな」


 説明によれば、ダークネスの空間の中では、視覚聴覚嗅覚に魔力まで感知できなくなるらしい。

 だが、場所固定のため数歩歩けば抜けてしまえるのだ。

 俺は、とりあえず、ダークネスの空間に入ってみた。


「おお、これは怖い」


 なにも見えないし聞こえない。閉ざされた空間に閉じ込められたような感覚だ。余分なものがないので座禅するには集中できていいかも。

 しばらく、だいたい5分くらいだろうか、それくらいでダークネスは消えた。

 と、今回から導入したトランシーバーから声が聞こえた。ダークネスの中では音が消失するため気付かなかった。


「おう、エト、どうした?」


『どうしたじゃないです、大丈夫なんですか!?』


 なんか涙声のエト。


「なにがだよ」


『なにがじゃありません! カブさん、5分くらい消えてたんですよ?』


「なんだそりゃ」


『オートマッピングの光点に、カブさんの反応がなくなったんです』


 考えられるのはダークネスか。あれ、魔力も外に漏らさないんだな。


 俺は再びダークネスを出現させ、手のひらでしばらく弄んだ後、ほくそ笑んだ。








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