ゴブリンをやっつけろ!後編 4(エト)
出口付近には、なにかの燃えカスがあった。
これで煙責めをやってきたんだろう。
「エトちゃん、外の様子は?」
「……右、左、正面。三隊に分かれてます。数は、だいたい50ずつ」
「昨日に比べるとだいぶ減ったな。それで、どうする?」
「ジェネラルは?」
「……わかりません。付近にはいないかも」
「それじゃあ攻めようか。一隊ずつ潰していこう。ブリちゃん、合図したら右の隊に攻撃をかけて。できるよね」
「おうよ、まかせろ」
「カブは左と正面の隊をけん制」
「さすがに火力で負けないか?」
「そうでもない。ゴブリンの弱装備なら遠距離攻撃はせいぜい10メートルってところだし、近距離のやつは対処できるでしょ?」
「一茶さん。私は?」
「とりあえずはカブの援護で」
「はい!」
「それじゃあ、行くぜ」
カブさんがそう言って取り出したのは、白い枕だった。
「あ~! それ、私の! どこにあったのよ!」
「広場の隅に転がってた」
……あ~、前回投げ捨ててそのままだったんだ。
「返しなさいよ!」
「やだよ、ほら!」
カブさんは枕を外に投げ出した。
途端、枕は爆発し、矢が突き刺さった。
たぶん、ゴブリンが火魔法のファイアボールと弓矢攻撃を一斉にしたんだ。
「ほら、ブリちゃん、ゴー!」
「くっそ! 覚えてろ!」
ブリさんは無残な燃えカスになった枕を一瞥すると、ゴブリンたちが次の攻撃に備える前に外に飛び出した。
次いでカブさんが外に出る。
カブさんは、ゴブリンで杖を持っている奴や弓矢を構えている奴を狙い撃ちしていく。
ぎゃっぎゃっと、ゴブリンは鳴き声を上げると、今度は駆け出して接近戦に持ち込もうとしてきた。
それを一茶さんはスリングショットで迎え撃った。
スリングショットの弾は高威力で、ゴブリンを吹き飛ばして周りにいる2匹、3匹と巻き込んで倒していった。
私も前回のようにただ黙って立っているわけじゃない。せっかく覚えた風魔法のウィンドバレットを放った。
不可視な風の塊がゴブリンを襲う。ゴブリンは突然襲った衝撃に足を止めた。そして、後ろから駆けて来る後続に突き飛ばされて光の粒子となった。
「さすがに、1発じゃ倒せないみたい」
「足を狙え!」
私はカブさんに言われた通り、ゴブリンの足を狙った。
そのゴブリンはバランスを崩し、転倒した。そして、後続のゴブリンはその転倒したゴブリンに躓き、転げる。それがドミノ倒しのように5体ほどが連鎖的に倒れた。
「エト、ナイス!」
カブさんは拳を突き出す。
私はそれに自分の拳を当てた。
ちょっと感動。やってみたかったのだ。
「ぎーや~~!」
と、突然右の方から間の抜けた悲鳴と爆発音が聞こえた。
見ると、ブリさんがお尻を突き出した格好で煙を上げて倒れていた。
「ブ、ブリさん、やられちゃったの!?」
一茶さんはこめかみを押さえた。
「あの子、馬鹿なんじゃないの!?」
「今頃知ったのかよ、ちょっと遅えな」
「え、なにがあったんですか?」
「ブリが飛んでくるファイアボールに正拳突きかましたの。んで、ファイアボールが至近距離で爆発したの」
……ブリさん。




