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俺の音楽ここにあります!  作者: 竹野きの
メジャーに向けて
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かなのお仕事

「まーちゃん、今日やんな?」

「かな、もう10回くらい言ってるよ」



そう、今日は初めてのラジオ出演。

正確にはちゃんと呼ばれた出演での初めてとなるわけだけど、かなはそわそわしていた。


その理由は……この内容が届いた時の山野さんのメールにある。


"ラジオではかなちゃんメインで話してもらう形で番組に話しています"


まぁ、どう考えてもメディアで話して面白そう&緊張してても喋れそうなんだけども……多分楽しみで仕方ないんだろう。


放課後、3人で集まるとラジオ局にむかう。

かなはなぜか気合いの入った格好でくる……ラジオだから映らないと思うんだけど。


ひなは緊張?なのか悟りを開いた顔になっている。頼むから変なことは言わないでくれよ……


ラジオ局に着くと意外と小さい。

広島の時も小さかったけど……まさか名古屋も小さいとは……。


基本的にFM局は小さく、AMは大きな建物が多いらしい。AMはテレビ局とも繋がりのある所が殆どなのでビルが多いらしい。


今回もFMなので、部屋はコンパクト。

スタジオの中に案内される。"ファングアウト"のDJはフユさん、最初の冒頭ではフユさんが1人で話し続けるのだけど生で見ると違和感がすごい。


だって全力で独り言なんだぞ?

曲をかけると簡単に話してくれる、挨拶以外ではDJとこの時初めてはなすのだ。


"本日のゲストは今月の23日にシーサイドレコーズよりアルバム"Atmosphere(アトモスフィア)"を発売されますハンパテ★(はんぱて)のみなさんです!"


「よろしくお願いします!」

「「「よろしくお願いしまーす!」」」


「みなさんお若いですよね!」

「中学の同級生のバンドなんです!」

「中学生! それはほかの同級生はコピーバンドとかじゃないんですか?」


「それが、同級生もインディーズになってんですけど……」


かな、なんで雅人たちの宣伝を始めようと……でもさすがというか、ナチュラルに受け答えができているな。


「たか、この"ハンパテ★"のみなさんですが、想像以上のクオリティとの事なので一度、聞いてみたいと思います!」


"23日に発売されるアルバム"Atmosphere(アトモスフィア)"より、3曲め目に収録されている、"|Fast fashionファストファッション"お聴き下さい!


曲がかかっている間フユさんが話す。


「えーっ、こんな感じの音なんですね! 思っていたより音がすごく綺麗で繊細ですね!」


「ありがとうございます!」

「ちょっとクオリティ高すぎません? ライブ見てみたいですねー!」

「フユさん、是非来てくださいよー!」

「"スターリン&バックドロップ"のドラムが元メンバーだったんですよね?」

「そうなんです!さっきも言ったんですけど、同級生で……」

「どんな学校なのか気になりますね!」


話しの途中で曲が終わった。

「続々とメールがとどいてます!」


"音源まちがえてませんか?"

"本当に中学生? バンド辞めます"

"バックバンドが居るインディーズ?"

"すごくいいです! 好きになりました!"

"サカナのライブで見た時からヤバかったです! ついにリリースなんですね!"


「反響が新しいですね」

「ほとんど信じてへんやん! でもライブ見てくれてはる人もメッセージくれてはる」

「あれ? かなさん普段そんな感じなんですね! もっと気楽に話してくれていいですよ!」


あ、これは言っておかないと……


(かな! ジャケットのデザイン!)

「あーそうそう! うちらのジャケットなんですけど、今話題のTAKIOさんがデザインしてくれてます!」


「最年少広告大賞の人ですか? それはすごいですね!」



そのあと、少しはなしてもう一曲かけてもらうとこの日の出演は終了した。


かなはすごく頑張ったと思う。

発売まであと少し……タキオの恩恵を俺たちのよりもはるかに上手く使うバンド


そう、ついに"サカナ"のメジャー1発目のサクセスストーリーが始まった。

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