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俺の音楽ここにあります!  作者: 竹野きの
メジャーに向けて
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自主企画イベント②

後10分でライブなのに……。



俺は転生前、"ブリーズヘッド"の時に観客の居ないライブなんて、何度も経験した。


むしろほとんど満員で出来て居た今までが異常だったんだ……。


「あれだけ頑張ったのに……なんでなん……」


かなは、涙目になる。

そりゃそうだ、かなにはその資格がある。


ん? 何を言ってるんだ?

ひなも、俺も本気でやったじゃないか。今までとは違う悔しい気持ちがその証拠だ。

ひなも下を向いている、悔しいんだろう。



やらずに諦めて居たのは"過去の俺"だけだ。



俺は気持ちを押し殺して言った。

「少なくても、見に来てくれて居る人はいる、次に繋げられるように、全力で頑張ろう!」


今まで何度も言ったことのある台詞。

して来た事の過程でこんなにも重さが違うのか……俺は涙が浮かんでいた。



そして、俺たちはステージに向かった。

ステージに人影が?


「あー、あー、マイク入ってるね」


は? ジュンさん?

何でステージに立ってるの?


「イベントもうすぐ始まりまっす! こんな箱のトップバッターでこいつらを見れるのは、最初で、最後になるぜ?」


会場がざわざわしだす。

「ジュンさんだ!」

「えっ? ドリッパーズ?」


「後悔したくない奴ら、前に来とけよ!」

そう言うとマイクを置いてステージを降りた。


フロアにいた人が前に集まって来る……

入口から人が入って来るのがみえると、ヒロタカさんが走ってきた。


「まひるさん! 外の人声かけてますんでもう少し入ってくれると思います!」


入口では、時子さんたちも声をかけてくれたみたいで、気がつけば、フロアに100人近く入って来ていた。


「ひな、かな、いこう!」


ステージに向かうと、手前はかなり埋まっている……良かった。


後は、音で呼ぼう。そして1曲目をスタートさせると、照明がついて顔が見えた。


何度か来てくれている人も居る、前回のライブの人だろうか?


俺はステージの奥に声を届けるように歌う。

ライブが盛り上がるにつれ人が増えていく……ツアーで鍛えた演出もいい感じに反響がくる、確実に成長している!



そして新曲、現時点での最高傑作だ。



目線が……ひな?


「これドラム凄くない?」

「あの子もヤバい!」


リハの時から思っていたのだけど、この曲はドラムの評判がいい様に思う、他の曲とそんなに変わらないクオリティなんだけど、クリーントーンでのひなはハイハットの使い方が生きる。


そう言った曲も意識して作っていかないといけないなと思っていた。そして、最後の曲を終えた頃フロアは300人近くになっていた。


楽屋に戻ると、ドリッパーズが準備していた、ジュンさんバージョン初めてみるかもしれない!


「おつかれ! ここからは任せて!」

ジュンさんはサムズアップした。


任せてって俺すぐ出るけど……。


"レディースエンジェントルメン! みんな!準備はいいか! ドリッパーズが始まるぜ!"


SEがバンドとメンバー紹介!?

こんな演出もあるんだな……。


最後"レッツショータイム"と流れると高速2ビートのリフがスタートした。


ステージのお返しの間の黒いボックスに登り煽る、ボックス持参はその為か……。


ジュンさんは普段と全く変わらないけど、あのテンションはライブだと無敵だ。


あの人本当に骨折れてるのかな?

前回のライブ、これを見に来ていたのなら、全然代わりになれていないな……。


ムードメーカー、うちのバンドだとかなが1番向いているよな、ちょっとそのあたりも考えてみるか……


そして、まずはサプライズ①ドリップノットだ!


照明が落ちるとともにジェイソンを被りステージへ……ちょ! これ暗闇で光るやつ!


少しホールがざわつき、曲が始まる。

これは音圧が重い!



あはは、久しぶりの感覚だな!



安定感のあるリズム隊に、ユニゾンに近いギター、リズムに音を引っ掛けている様な感覚になる。


ホールがヤバいな……それにしても、ライブの作り方と言うかテンションの持って行きかたが凄く上手い。


課題が沢山あるな……と思っていると

その瞬間ヒロタカさんが客席にダイブした。



これぞモッシュアンドダイブ!



予定通り帰って来ると、ドリップノットが終わり、コラボ曲になる為俺はジェイソンのマスクを外した。



あれ? ちょっと不思議反応? なんだろ?

◯用語補足


・お返し

音を確認するモニター、演奏しやすくします。

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