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俺の音楽ここにあります!  作者: 竹野きの
第2章 バンド作り
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大人の世界

東京でのライブを終えた俺たちは、最終日名古屋でのライブに向けてハイエースを走らせていた。


車内ででは、H.B.Pの今後について盛り上がっていた。


「まひるちゃん。相談なんだけどね、インディーズデビューに向けて準備して欲しい事があるんだ」


西田さんは、インディーズデビューについて話し始めた。


「まず、シーサイドレコーズはタキオくんと契約したいと考えている。 こないだのポートフォリオのクオリティ、価格帯を考慮した結論だ。だから、一度連絡を取って僕と繋いでくれないか?」


いきなりの西田さんの話に驚いた。

タキオと契約か……俺はデザインについてはよくわからないが、西田さんにはタキオの凄さが伝わっている様だった。


「それと、リクソン君には連絡している、契約次第日程を抑えてくれるそうだ」


早い、スピード感がすごい。

てっきりツアー後から動くのかと思っていたがもうすでに根回し始めているのか。


俺はタキオにメールを入れると、タキオから直ぐに返事が来た。


"まひるさん、契約の件了解です。契約書をお送りします。また、今現在サイトの管理されている方とチラシをデザインされた方を教えてもらえますか?"


吉田君とゆきちゃんを? なんだろう?

俺はとりあえず連絡出来るよう双方に連絡し黙々と繋いだ。


「リリースのイメージとしては、ちょっと急なんだけど、7月末で考えている。 ちょっと忙しくなるけど、学校にはなるべく影響が出無いように考えるから安心して欲しい」


中学3年でインディーズデビューか。

色々大変になりそうだな。


話が飛びすぎてひなとかなは唖然としていた。


「夏休みにはうちらのCDが店に並んでんねんな……想像できひんわ」


「本当にね、去年までの日常が嘘みたい」


正直俺だってそうだ。

インディーズで出していたとはいえ、オムニバスの片手間で流通をかけただけのお友達レーベルとは訳が違う。


シーサイドレコーズは少数精鋭のレーベル、チャート上位にガンガン入る"サカナ"が異常なだけで、ほかのバンドもそれなりに知名度があるバンドなんだ。


これから起こる、期待と不安を胸に俺たちは名古屋に帰ってきた。



♦︎



久しぶりの家に着くと、家族で食卓を囲む。

もちろんご飯はお土産のシュウマイ。


ツアーでの土産話と一緒にレーベルとの契約の話をした。


「まひる、ついにCDデビューするのか! 俺はできると思ってたよ!」

兄は自分の事の様に喜んでくれた。


パパは、お金をもらうという責任を語ると、応援するからしっかりやりなさいと言った。

かなの家は大丈夫そうだが、ひなは大丈夫だろうか?



その晩タキオからデザインの件で電話が来た。

タキオと普通に話すのは緊張するな。


「まひるさん、西田社長とおはなしさせて頂きました。 レーベルのカラーは理解したので、H.B.Pについてはカラーを考慮の上、まひるさんと話して決めて欲しいと……」


ん?おれデザインとかさっぱりだけど?

前のバンドの時も知り合いのデザイナーが作ったのを絶賛しただけだったし……。


「えっと、何を話せばいいですか?」


俺は恐る恐る聞いてみる。


「ホームページと、コンテンツ関連のデザインを進めていこうと思ってます、バンドのコンセプトやしていきたいブランディングとかってあります? あ、予算は西田さんに聞いてるので好きに言ってください! 無理なものは入れませんので」


「……コンセプト? あ、うん。ハンバーガーかな?」


「あはは、それバンドの名前じゃないですか! まひるさんこういうの初めてです? てっきり転生前に経験されてるのかと……」


ヤバイ、タキオはまともな社会人だったから当たり前なのかも知れないが俺はバンドとバイトくらいしかして来てないからな……。


「もう、中学生と思って対応して下さい……まともに社会出たこと無いので……」


それからタキオは分かりやすくコンセプトやブランディングについて説明してくれ、音符しかない俺の頭でも大体理解する事ができた。


今までの経緯を話すと、

「そしたら、今の話の流れでパターン作って名古屋に持っていきますよ!」


「すいません、一度メンバーと相談しておきたいので……お手数ですがよろしくお願いします。」


と凄くナチュラルに来週末に来てくれる事になった。タキオの社会人感が凄くて俺は圧倒されてしまった。


「え、営業の人や!」

と電話を切った後、一人でかなのモノマネをした。

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