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俺の音楽ここにあります!  作者: 竹野きの
第2章 バンド作り
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チョコと自主企画

2月12日日曜日、その日は昨日買ったチョコレートを渡す為、俺たちは集合した。


予定としては、リクソンさんのスタジオに行き、 "ムンド"へ向かう。


そして、お昼をカフェで軽く済まして、スターリンとの食事会にファミレスへ向かい、自主企画イベントの話をする予定だ。


今日は俺のワンピース姿にみんなキュンキュンする事だろう、ひなとかなもこの可愛さにきっと悔しがるにちがいない!


俺は先日買った淡い空色のワンピースを着て集合場所についた。


待ち合わせ場所には既にひながいた。


「ま、まーちゃんどうしたの?」


早速ひなは苦笑いだ。まさかこんな胸キュンスタイルで来るとは思っていなかったんだろう。


「ん?かわいいでしょ?」

俺は自信満々に言い放った。


「う、うん、アニメに出てきそうな感じだね……」


ふふふ、ひなには悪いが今日は俺の一人勝ちだ。


そうしてかなも到着する。


「まーちゃん、どないしたんや? なんか漫画みたいな格好して」


「かわいいでしょ?」

俺はかなにも言い放った。


「可愛いすぎるやろー」

かなは笑いながら言った。


そうだろう?これは、かなには出来ないスタイルだ。

俺は心の中でハハハと高笑いをした。


さて、リクソンさんをドキドキさせようか!

あの人が照れながらチョコレートを受け取る姿をしっかり見届けてやろう!


そしてスタジオに着いた。

さあ存分に照れるが……あれ?


リクソンさんは大爆笑していた。


「まひる、私服ひでーな! どこの乙女だよ? で、どうしたの?」


あれ? おかしいな。

俺たちはチョコレートを持って来ただけと告げると、


「えーまじ?チョコくれんの? サンキューな! いや、でもまひるの服は狙い過ぎだろ!」


リクソンさんは笑い死にしそうなくらい爆笑した。


「あれ? 無し?」

俺は、ひなとかなをみた。2人ともコクリと頷いた。


マジで? 男は放って置かないだろ?

えっ? 違うの?


「多分だけどそういうの喜ぶのって、オタクか彼氏くらいだとおもうよ……」

ひなが申し訳なさそうに呟いた。


「なに? まひるそれネタじゃないの? まぁ、とりあえずチョコサンキューな!」

リクソンさんはもう死んでくれ、というか俺を殺してくれ。


俺の自信は木っ端微塵に粉砕された。

はぁ、今から田中さんと、スターリンに会うのが本気で憂鬱になった。


案の定、そのあと持って行った田中さんも笑いを堪えて、「そういう打ち出しでいくの?」とか言われる始末。ただ、大人なのかオタクだからなのか「俺は嫌いじゃない」という謎のフォローを頂いた。


そのあとカフェで2人にいじられた。


「まーちゃんそんな服いつ買ったの?」


「あたしも着てるの見たことない!」


もうなんとでも言って下さい。俺は膨れてだんまりを決め込んだ。


カフェから出る頃には2人は俺のご機嫌とりになった。


「まーちゃんもう怒らんといてや!」


「ごめんねまーちゃん、まさか本気だとは思ってなくて」


もう、ここで脱いで行こうかな。


そんなこんなで、スターリンとのご飯会のファミレスに着く事になった。


そして、合流すると、約2名から求めていた反応がきた。


雅人は顔を赤くして

「まひる、今日の格好いいな……」

口元に手をやり、マジな感じだ。


ヒロタカさんも、

「まひるさん今日の格好マジやばいっすね! マジ俺好み、結婚してください!」

と手を差し出した。


「ちょっとヒロタカさん!」

雅人が、本気で困っていた。


後の2人とひなとかなは、ちょっと引いていた。


よかった、俺と同類がいた!と安心して、打ち合わせする事になった。



♦︎



自主企画イベント。

ライブのイベントには大きく分けると2つ、ハコの主催のイベント、ハコをレンタルして別に企画者がいるイベントがある。


今回は俺たちとスターリンが主催してイベントをするため、どこかでハコを借りる必要があった。


ヒロタカさんは早速イベントの話をはじめた。

「まず、今回なんですが、ハコはどうしますか? イメージ的にはムンドでするイメージなんすけど」


「あー、それなんだけどね」


「どうしたんですか?」


「あのぉ、対バンってどこ呼ぶ気でいます?」


「知り合いのバンド呼ぼうかなと?」


「スターリンがトリのイメージで大丈夫ですか?」


「まだ、うちの方が知名度はあるのでトリでいいですよ? ちょっとツアバンを手前で挟んで5バンドから6バンドくらいでいいかなと」


「知り合いのバンドを1つ入れてもいいですか?」


「大丈夫すよ! お友達かなんかすか?」


「お友達と言うか、先輩? 」


「いいすよ! 付き合いもありますし、そしたら5バンドは確定しますね!俺たちの前は知り合いのドリッパーズを呼ぶ予定だけどいいかな?」


ドリッパーズ、現役大学生の人気インディーズバンドか、今の感じなら充分集客しやすい。


「いいんだけど、ハコ"ムンド"じゃ狭いかも。"イカロス"くらい借りた方がいいかも。」


「キャパ500くらいすね。多分イカロス借りたら15万位掛かるとおもうすよ?」


「いや、8割埋める目安だとして、スターリン80、ドリッパーズで50、うちらも50くらいよべるかな。で、他が20位呼んだとして、サカナが200で400、あとは頑張り次第で完売かな?」


「うんうん、って?先輩ってサカナ? マジで? イベント売るならめちゃくちゃいいけど、バンド売るならマジで喰われますよ?」


「うん、流れで出してと……」


「それ多分即完売すよ? サカナは箱の告知だけで200くらい埋まると思う、そうしたら、順番……トリ前かな」


スターリンのメンバーが一斉にヒロタカさんを見た。


「キッツいなー。下手したら演奏中に半分くらい居なくなりそう」

ヒロタカさんは頭を抱える。


何かを悩んでいたひなが口を開く。

「ねぇ、イベント名、スタバ パーティはどう?」


いや、それ有名なカフェ感凄いよ?


「えぇ! ひなはずっとそれを考えてたのか?」雅人がひなを見た。


「とりあえず、イカロスで四月抑えて、面白いイベントにまとめて詰めていこう!」


「そうっすね、楽しめる工夫とかでどうにかしましょう!」


「まひるの言うように進めるしかないな!」


「そしたらがんばろー!」


「「オー!」」


とりあえず、今回で全体のイメージはまとまったなと思っていたら、かながなにやら下を向いて笑いをこらえてるようだ。


「かな?」


「えぇ、えぇねんけど、まーちゃんそのかっこで仕切るのは反則やわ!」

とかなは大笑いしだした。


おれはかなの腰を強くつねった。




来月にはツアー、再来月はイベントと中々タイトなスケジュールになってきており、金欠が進んでいた。


どうするかな、中学生はロクにバイトもできないし。


「あっ!」


その時おれはいい事を思いついたのだった。

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