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俺の音楽ここにあります!  作者: 竹野きの
第2章 バンド作り
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まひるの日常

「ねぇ、まーちゃん。あたしの事好き?」


ひなは俺に優しく言った。

俺はひなを抱き寄せ耳元で囁く。


「好きだよ」


同じベッドで眠るひなを抱きしめて、キスをする、パジャマの下から手を入れひなの肌に触れた。心地よい感触が腕に広がり、そっと服のボタンを外した。


「まーちゃん、それはダメだよ?」


そう言ったひなの口を俺の唇で塞いだ。


「んっ……」


服のはだけたひなの胸元にキスをして、俺はそっとパジャマのズボンとパンツを同時におろし始め……


「あーっ!……夢かっ!」


起き上がり、俺はパンツを確かめてみた。

少し蒸れてはいたが特に問題は無くてホッとする。


なんて夢を見てしまったんだ……。

パンツはダメだろ、パンツは!



♦︎



学校に着くと、ひなが机に座りスマホをいじっていた。


「おはよう!」


「あ、まーちゃんおはよう!」

ひなは俺に気づくといつものようにかわいい笑顔で挨拶してくれた。


ひなの唇、首筋が気になる。

なんか俺、今日はダメかも。


そうこうしているうちにかなも登校してきた。


「おっはよー! あれ? 今日なんかまーちゃん顔赤いな ? 熱でもあるんちゃう?」


「えっ? そんなことはないと思うけど」


「ちょっと無理して練習し過ぎたんちゃう? 体調悪い時は早めに休んどいた方がええよ!」


俺はそんなに赤いのか? 良く考えたらちょっと熱があるかもしれない。


「うーん、体感したらそうするよ!」


それから俺はちょっとボーっとしたまま過ごしていると、ひなが突然上を脱いで下着になった。


「ちょちょちょ! ひな! 何してるん?」


「えー? ここ更衣室だよ? まーちゃんも体操服に着替えないと!」


ボーっとし過ぎたみたいだ。

やっぱり今日はダメかも。俺は体育を休み保健室に行く事にした。


「あら頭痛? ちょっと微熱があるみたいね。 あんまり酷いようなら早退しなさいね!」

保健の先生はそういうと、痛み止めをくれベッドに寝かせてくれた。


そうか、俺は風邪でもひいていたのか?

なんかこのムラムラ感はどうしたらいいんだろうか……待て待て、それだけはやってはいけない。


俺は枕を抱きしめて眠った。



♦︎



目を覚ますと、体操服のひなとかなが来ていた。


「まーちゃん、やっぱり体調悪かったの?」


「うん、でもただの頭痛だったみたい。少し寝たら治ったよ!」


「もう、大丈夫なんか?」

かなは心配そうに言った。


「うん、もう大丈夫! 今日もやる事は沢山あるから頑張ろう!」


学校での吉田君への情報の提供、今日のSNSとブログを更新するとひなの家でCD-Rを焼く作業に入る。


焼き終わった物からケースいれ、ステッカーと折り畳んだちらしを入れる。


これは分担作業の内職だ。


「なぁこれ500枚も焼くん??」

かなはぐったりしながらパソコンのCD-Rを交換した。


俺とひなはそれぞれをケースに入れると紙袋の中に収めた。


3人で3時間かけてやっと200枚、あと2回くらいはしないとダメそうだね。


「この作業も写メとってブログにアップしようや」


「大変さアピールみたいだね」

ひなは笑った。


「この裏方も見せな作業が報われへん」


「そうだねー! かなり大変だしね!」


かなが少し、そわそわしだして、俺たちに何か言いたそうだと思っていたら……


「そうそう、君ら大事なイベントわすれてへん?」


突然こんな事を言い出した。


「えー? 何? なんかあったっけ?」


俺は予定を振り返ってみたが、スターリンとのご飯会くらいしか思い浮かばなかった。


「あかんなー、君ら。年に一度の大イベントやで!来週はバレンタインや!」


「ほんとだー!忘れてた!」


やべ、俺は今回は渡す側だった……

「わたしも完全に頭になかったよ!」


「ほな、週末一緒に買いにいこ!」


「「はーい!」」


「あのなぁ、君らにお願いがあるんやけど……」

とかなは急にモジモジしだす。


「どうしたん?」


「リクソンさんに持って行くの付いて来てくれへん?」


「かな! リクソンさんにわたすの?」


「うん、でもな、3人からって事にしたいんよ」


「えっ? なんで?」


「うち個人とか重過ぎるやん? 30前のお兄さんやし、絶対困るとおもうんよな」


確かにね、いきなり中学生に貰ってもどうしたらいいかわかんないかもね!


「やろ? バンドの3人からやったらなんか気軽にもらってくれそうやん?」


でも、貰ってくれないとかは無いんじゃない?


「はぁ? まーちゃんなんやそのモテる女発言は?」


ん? なんか俺はまちがえたかな?


「うちらは常に拒否される恐怖と、捨てられる恐怖と戦う仲間やろ??」


もしかして下駄箱とかに入れる理由ってそういうことなのか?

と考えながら俺は口をつぐんだ。


「まーちゃん今年は強気だね! まぁ雅人なら100%貰ってくれると思うよ!」


いやいや、雅人には逆に渡しづらいよね!


「そうや、あの辺も一緒にわたそや!」


「「賛成ー!」」


こうして、とりあえずお世話になってる&仲のいい男子には3人で渡す事になった。


来週スターリンと打ち合わせのご飯会あるし丁度いいなと思った。


俺は、まひるちゃんからならみんな貰いたいだろうと密かに考えていたけどそんなもんじゃないのかな?



♦︎



次の日、俺は密かに企んでいた計画が有った。


それは、チョコを渡す時にかわいいワンピースを着る事!ただでさえ、まひるちゃんはかわいいのだ。清楚なワンピースを着てチョコを渡した日には、これはもう世のメンズ供はドキドキが止まらないはず!


だけど、ひなやかなにこの作戦を知られたら、当日あいつらと被ってしまうかもしれない。


かなはキャラ的に無理だとして、ひなが着たら(俺的に)勝ち目はない。


というわけで、今日もひなの家に集合しCD-Rを詰める作業が有ったのだが、寄るところがあると言ってワンピースを買いに来た。


だが……いつも2人と行く店を回っても、俺の求めるワンピースが無い。

近い物が有っても予算の3000円以内では厳しい。


諦めて帰ろうとした時、俺はあるお店を見つけてしまった。


そこには……ある! あるぞ!

俺の求めるワンピースが! しかも1980円!

なんてリーズナブルなんだ!


俺は試着し、満足すると早速購入するとウキウキしながら袋を抱えて帰った。


そして自宅に置いて、ひなの家に向かう。


それから俺の部屋の隅には某ファッションセンターの袋が当日まで息を潜める事となった。

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