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俺の音楽ここにあります!  作者: 竹野きの
第2章 バンド作り
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ひなの憂鬱

今回はひな目線の番外編です!


キスされた日、あたしは悩んでいた。


まーちゃんはなんであの時男の子のフリしてキスしたんだろう? あたしを喜ばせるためだけだったのかな?


あたしは別に女の子が好きなわけじゃない。

最近急に覚醒した幼馴染が素敵で、ライクとラブの間を彷徨っているだけ……。


可愛い笑顔、ギターを弾く手。いつも気にかけてくれるまーちゃんと、恋人と言うより家族になりたいかんじなんだと思う。


今週末レコーディングだし、今週スタジオの帰りにまーちゃんのうちに泊まりに行こうかなぁ……。


あたしは、まーちゃんとは家も近い。幼稚園も一緒で、親同士も知り合いだから結構気軽にお泊りができる。



スタジオ練習のあと、家に行く事を伝えた。

「まーちゃん! 今日まーちゃんちに泊まりに行くね!」


「えっ? 明日も平日だよ?」


「週末のレコーディングまで時間ないし!」


「練習かぁ、そうだね、お母さんにメールしとくね!」


いつも通り、あっさりとお泊りOKになった。

練習が終わると、着替えだけ取りに行き、まーちゃんのうちに着いた。


「なんか久しぶりのお泊り〜」


「そうだねぇ、前回いつだっけ?」


「合宿の時以外だったら去年の夏かなぁ、あの時からは今が想像できないね」


「そうだね、じゃあ晩御飯まで早速今日の反省会!」


まーちゃんはドラムについて色々教えてくれる。多分雅人が居なくなったから、あたしの為にすごく勉強しといてくれてるんだろうなぁ。


「ひなってさぁ、すごく器用だよね」

隣に座るまーちゃんと目が合う。


「そうかなぁ、まーちゃんがしっかり教えてくれるからだよ」


やっぱり近頃のまーちゃんは素敵、目線や仕草が可愛いんだけどどこかカッコいい。


ギターを頑張ってるから?


夕ご飯もおじゃまします!

晩御飯を食べる時でも、何か考えてるみたいな不思議なオーラがでている。

こんな時は裸の付き合いだよね!あたしはお風呂に誘ってみる事にした。


「ねぇ、一緒にお風呂はいろ?」

「えっ? いいけど、」

どこか照れくさそうなまーちゃん。


「久しぶりだから恥ずかしい?」


「んーん、大丈夫!」

ちょっと照れてるのかな?


交互に洗い一緒に湯船に浸かる。まーちゃんの目線を感じたから少し笑顔で聞いた。


「泡でもついてる??」

「ひなの髪、編まれてないのが新鮮で……いつもどうやってるの?」


「なんか前も言ってなかった?」

「そ、そうかな?」


あたしは普段、ミディアムヘアを編み込んでいる、日によって微妙に違うんだけど編むのが好きだから編む。そのせいでイメージにもなってるみたい。


「まーちゃんもやってあげよっか?」


「うん」

まーちゃんは、そういうと軽く頷いた。


お風呂から上がりパジャマに着替えると、ドラムのイメトレの再開!まーちゃんもギターでフレーズと合わせた所を確認する。


やっぱりみっちり練習してるのはあたしだけじゃ無いんだよね。2人の練習は0時まで続いた。


「そろそろ寝よっか?」

時計を見ながらそういうとまーちゃんが布団を出そうとした。


あたしはすかさず、


「冬だし、一緒に寝よう?」


と言った。



シングルベッドで向かい合うと意外と近い。

2人して照れ笑いした。


疲れていたのか、まーちゃんはすぐに眠った。あたしは30cm前にあるまーちゃんの寝顔にドキドキして眠れない。


目の前で香るシャンプーの香りに、八重歯の覗く少し開いた口、長いまつ毛。透き通るような綺麗な肌が凄く気になる。


あたしは頭をそっと撫でた。

少し笑った気がした。


可愛い唇、触れて見ようかな……

そっと指で触れると凄く柔らかい。


なんか悪いことをする時のドキドキが、ブレーキが壊れて止まらない。


起きたり、しないかな?


おでこにそっとキスしてみる。

ほっぺにそっとキスしてみる。

鼻にもそっとキスしてみる。


うん、ドキドキする。


最後に唇を重ねてみた。

凄く心地よい時間が流れ心臓が踊り出した。


たまらず何度か繰り返すと、薄く目が開き、冷や汗が出た。


「んー? ひな ? チューしたいの?」


寝ぼけてる?起きてる?

そうしてまーちゃんはあたしをギュッと抱きしめた。


「えっ? まーちゃん?」

咄嗟にに目を閉じ急な展開にドギマギしてきた、もう密着してるんですけど!?


ゆっくり目を開くと、唇まで1cmくらいの距離、あーん、ドキドキする。


あたしは少し開いた口にもう一度キスすると少し舌が触れ合った。


もう、後戻り出来ないかもしれない。

あたしは抱きついたままモヤモヤして眠った。


朝起きても密着していたあたしは腕が痺れて目が覚めた。


痺れた腕を戻そうとした時、まーちゃんも起きた。


抱きついて居る姿勢に少し冷や汗が出たけど、まーちゃんははにかんで笑うとちょっとだけギュッと抱きしめてくれた。



これってまーちゃんも意外とあたしが好きなんじゃないの? とちょっとにやけてしまった。


あたしのモヤモヤはどこか晴れ、それからドラムの練習もいつも以上に捗っていた。





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