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俺の音楽ここにあります!  作者: 竹野きの
第1章 転生からの新しいスタート
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自分へのコンタクト

ジリリリ……バシッ!


昨日と変わらない耳障りな目覚まし音……。

だが今日はすんなり止めてやった。


どうやら俺は今のところ元には戻ってはいないらしい。

昨日とは違いこの子の情報は仕入れた。ある程度であれば、入れ替わった後の生活に順応できるはずだ。


クローゼットにあったセーラー風の制服に着替え、朝ごはんを食べる。鞄を持ってからはする事は一つ、中学校の道案内のナビを開くことだ。


幸い俺は元バンドマン、地図には強い。

現在地を検索してみて驚いたのだが、ここは愛知県。昔、バンドのツアーで来た事のある場所の近くだった。


だが、流石にローカルな中道までは知らない。

しかし現在の文明の進化は素晴らしい、グーグル先生に道案内をしてもらおう。


スマホでグーグルマップを取り出し、名前を入れた道案内にまかせて中学校まで歩く……学校に着くまでは完璧だ……学校のクラスが2ーCだということは下調べが済んでいる……流石は中身は大人、こういうことは、経験値が物をいう。



学校について教室の場所を適当に探り、教室に着く……自分の席が分からん……どうしようかと周りを見渡すと昨日の写メで見た仲良しの子の一人が既に席にいる事にきづいた。


助かった、さりげなく話しかけて席を確認しよう。


この子は確か……ひなちゃんだ、ラインで「ひな」と呼んで居たから、そのまま呼んでみると……。


ここで問題が、ひなちゃんが写メで見るよりかなりかわいい……。


この子と毎日話しちゃっていいのか??

話しちゃっていいんだな! とテンションがあがる。だがそんなことは関係ない、ひなちゃんは心配そうに話しかけてくれた。


「まーちゃん、風邪はもう大丈夫?」


と早速、体調を気にしてくれたようだ。俺はひなちゃんにほとんど治ったという事をつたえた。それから、座席の場所を確認をするために、簡単な世間話をしながら探ることにした。


それにしてもこの子はかわいいな。


座席は確認できたが、ノートを取り出すと20年くらい前に勉強したような内容。数学?そんなものはとっくに忘れている。これは勉強し直さないといけないかな……と考えていた。



ひなちゃんの他にもかなちゃんやゆきちゃん、拓也と雅人が基本的には休み時間に集まる仲のいいメンバーのようで、取り急ぎ怪しまれないように相槌をベースに話を合わせた。


今のところは持ち前のバンドマンのおっさんコミュ力で、なんとか乗り切れているようだ。所々突っ込まれはするものの、普段の話をする分には問題はなかった。


ただ、環境に順応出来たのはいいのだけど、実際問題、俺はこれから何をしなきゃいけないのか?俺は、ようやく考える余裕ができたので、授業中に入れ替わってしまった状況を考えてみることにした。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


1.俺の身体はどうなっているのか?


2.本来のまひるちゃんは入れ替わったのか消滅してしまったのか?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


1の俺の身体だが、酒を飲んで寝ているうちにポックリ死んだ可能性がある。


その場合まひるちゃんの意識は消滅してるか別の人の身体に行ったかになるわけだけど。


とりあえず、勇気を出して自分自身にコンタクトを取ってみるか……。


ん? どうやってコンタクトを取るかって?

自分のスマホの番号にかけてみるのだよ。昨日は一瞬考えたが現状を乗り越えるために後回しにしていたが、今日こそはかけて確認してみよう。


もし、まひるちゃんと入れ替わっていたなら、まひるちゃんはおっさんになった事で自殺すらしかね無いからね! このスマホに電話が来てないって事は、まだ大丈夫なはず! そうと決まれば放課後決行だ!


懐かしい授業で、感傷に浸りながら元々書いてあるノートの字を真似ながらノートを取った。


中学校生活2度目とか、俺的には悪くないな! もし戻れなかったらこの状況を楽しんでやろうと思った。

だが、とりあえずは現在の状況把握だ!





放課後になり、病み上がりを理由にひなちゃん達にまっすぐ帰る事を伝えると……早速電話作戦決行だ。


自分の携帯の番号にかけてみる……。



緊張するなぁ。



プルルルル……プルルルル……



「はい、もしもし?」



ん??まさかの俺がふつうに出た!

予想外の展開に俺は一瞬パニックになった。


「あ、あの太郎さんですか?」


「あ、はい、もしかしてバンド関係の方ですか?」


???

普通に普段の俺なんだけど、、

という事は、向こうの俺は入れ替わってはいないのか?


解散している事は知らない前提で適当にブッキングの話でもして様子を探ろう。


「あの、11月のイベントのブッキングの件なんですけど……」


「11月ならまだいくつか日程は空いてますが、イベント名と日程を聞いてもいいですか?」


んんっ??

俺から解散の話が出ない……俺は頭を振り絞り、とっさによく出ていたイベント名を言った。


「ハードコアナイトです、2019年、11月の3週目の金曜です」


「2019年? あはは、未来すぎますね、16年ですよね!?もしかして新しいスタッフさんですか?? いつもお世話になってます! そうしたら今日中にメンバーに話して返事させてもらいますね」


「よろしくお願いします」

そういうと、この世界の俺は電話を切った。


まさか普通に俺が出るとは思わなかった。


というか、今は2016年??

気にも留めていなかったが3年も前にきてたのか?? スマホが古いのはそのせいか?


ちょっとまて、たしか3年くらい前に嘘イベントの電話がかかってきた事があったぞ。あの後連絡したら電話がつながらず、元のイベント担当者は俺には連絡してなかったといわれたイベントだ……。


あの時イベントの打ち上げで、メンバーと幽霊説やファン説で盛り上がったっけ。


という事はあの電話に出たのは間違いなく当時の俺だ。


家に帰り情報を整理してみることにした。


(この先俺は、一体どうなるんだろう??)

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