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俺の音楽ここにあります!  作者: 竹野きの
第2章 バンド作り
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ひなへの気持ち

次の日はまた日常が始まった。

なんとなく昨日の熱が冷めてないんだろう。

少し体調を崩している。


授業を聴きながら、イベントを終え、"ムンド"の田中さんがいっていたことを思い返す。


そういえば、インディーズの時も似たような事を言われたな……。


「太郎ちゃん、君らはうまいしやりたい事はわかるよ。でもね、他のバンドよりクオリティが高いから今は人が来て、増えてくれているけど、他のバンドが上手くなった時に太郎ちゃんのバンドを見に来る理由って何だろう? それでも更に上手いと思わせる事が出来るだろうか?今、来てくれている人たちの中には、そのまま来てくれる人も居るかも知れないね。だけど、それじゃあ今後は人が居なくなる一方だ」


あの時俺はまだまだ上手くなれる自信があったし、現に上手くなったと思う。


だけど、結局それではダメだったんだ。


昔の事を思いだし、考えていたのだが、

この日俺は思いがけない人生のピンチを迎えることになった。


─3時間目の授業を過ぎた頃。

俺は体調おかしい気がしてたが3時間目には腹痛に悩まされ、ピークを迎えていた、、、ちょっと動けない……。


この授業が終われば、ダッシュでトイレにかけこもうと……。


あと15分か……長いな。


ひなから紙クズが飛んで来た。

開いて見ると、


(まーちゃん、大丈夫? 体調わるい?)


俺は、目があった時にうなづく。


すると、ひなちゃんがすかさず

「先生、木下さんが体調悪いそうなので保健室連れて行きます!」


先生は

「木下、体調わるいのか?」


俺はうなづいた。

「わかった、そうしたら小山、連れて行ってやってくれ……」


小山とはひなの事だ、ひなは席を立って、行こう! と合図した。

俺はひなに連れられ、教室をでた。


「まーちゃん、体調悪いならいわなきゃだめだよ?」

「うん、ちょっとトイレに行きたくて、」


「それで我慢してたのー?」

「そう、長くなりそうで、トイレ! っていう訳にも行かないから」


「ふーん、タイミング良かったね!あたしがまーちゃんを助けたわけだね」

「ありがとうございますう……」


トイレに着いて、ひなは入口で待ってくれてる様だ。

出すものを出して少しマシになったきがするがまだいたい……。


ふとトイレを見ると血で染まっていた。


えっ!

ヤバい……これは死ぬ。

まひるちゃんごめん、俺は君の身体を酷使し過ぎたみたいだ。


「まーちゃん大丈夫?まだかかりそう?」

「ごめん、ひな、わたしもうダメかもしれん」


「えー? うそ? どうしたの??」

「トイレが血だらけでもう長くないかも……」

「ふふっ、あはは……はいはいわかりましたよ! 投げるから、キャッチしてね!」


?ん??

ひなはなんで爆笑なんだろう??


するとドアの上からポケットティッシュの様なものが飛んで来た。


あー、紙が無いと思ったのかな……そうじゃない……ん?


ポケットティッシュの正体に気づいた時、俺は全てを理解して俺は笑った。


「あははは、ひなありがとう!」

「シリアスな感じで言うのやめてよねー」


「ごめんね……ひな……」

「今度は何ー?」

「大好き!」


「このタイミングでいう? あはは!」


そのあと保健室に行き痛み止めをもらい1時間ほど寝る事にした。


ひなは、「またね!」と言うと教室に戻っていった。



─痛みどめが効いたのだろうか……。

俺は保険室を後にし、授業に戻った。


「調子はどう? 大丈夫?」

ひなが声をかけてくれた。


「うん、大丈夫」


俺は、身体のこととか不安だったが、どうにか授業を乗り越えた。


学校の帰り道、ひなが駆け寄る

「まーちゃん、一緒に帰ろ!」


おれはなんとなく手を繋いだ。

「最近のまーちゃんは頑張りすぎだよ」


そうかな……。

「体調の悪い時は、あたしを頼っていいんだよ? 親友でしょ??」


「うん……ありがとう」

おれはひなの優しさに嬉しくなった。


「そういえばさ……ひなは好きな人……いるの??」

なぜか、俺は雰囲気できいてしまう。


「うーん、今は彼氏はいいかな……まーちゃんが一番好きだよ! 」

(笑)が付きそうな感じで答えた。


「わたしもひなが好き」

俺はそう言っててを強く握った。


ひなは家までついて来てくれ、俺の部屋に上がって、服を着替えるまでいてくれた。


「じゃあ、あたしは行くね! ゆっくり休むんだよ」


そう言って、部屋を出ようとした。


「えっ、まーちゃん? どうしたの?」

俺はひなに抱きついた。


ひな……ありがとう。


「うん……」


ひなは抱きつかれたまま、こっちを向いて目線が合わないでいる。


「ちょっと恥ずかしいよ……」


ひな、好きだよ。

俺はキスをした。

10秒くらい、ひなは受け入れ……


「まーちゃん、今日変だよ?」


「ごめん……」

俺は抱きついたまま、泣いた。

ひなとこれ以上にはなれないことになのか……これからのまひるとして生きていくことへの不安、3年後どうなるかの不安なんかが一気に溢れて来た。


「まーちゃん、無理しないでね」


ひなは、そう言って帰って行った。

その優しさで何か救われたような気がしていた。



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