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俺の音楽ここにあります!  作者: 竹野きの
第1章 転生からの新しいスタート
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文化祭本番 ─前編─

入れ替わってから一カ月半が過ぎ文化祭の当日を迎えた。


俺がやっている事は正しいのだろうか?

もしかしたら、なるべくこの身体で状況に順応する形で過ごすのが良かったのかもしれない。


こないだ雅人の言った「お前一体誰なんだよ。」という言葉が、先週からずっと心に引っかかっていた。


俺たちの出順は4組中3番目。

出順の逆に行われる逆リハなので朝早くから体育館に来ていた。


3人がリハ直前で揃う。


ギクシャクしてる訳じゃないけど、俺はどこかに引っかかりを覚えていた。


(次。ハンバーガーパーティの皆さんステージまでお願いします。)


体育館のマイクで呼ばれた。

音響は学校が外注に頼んでいる様で、意外としっかりとした機材が持ち込まれていた。


「緊張するなぁ〜」


かなは初めてのリハーサルに緊張を表に出している。


「自分が弾きやすい様に言えばいいだけだから! 気楽に行こう!」

俺はかなにそういって声をかけた。


それぞれ機材の設定をして、音を確認。

体育館の反響音はいつもと違うので慣れていないとかなり弾きにくい。


緊張していたのか、リハーサルはあっという間に終わった。





文化祭が始まり1組目の演奏が始まった。

そんなに上手くはないのだが、生徒達が150人は入っているのだろう、それなりの盛り上がりを見せていた。


「やっぱり俺たちと全然違うよな。なんか負ける気がしないわ。」

雅人は自信満々に言った。


バックステージで、かなは緊張を抑える為かずっと演奏する曲を弾いていた。


1組目の演奏が終わる頃、事件が起きた。



ブチッ



「あー!」


「かな? どうしたの?」


「弦が伸びちゃった……」


ベースの弦が切れたのだ。俺たちの出番までは約15分。変える弦さえあれば俺なら変えられなくもない。


「かな、替えの弦持ってる??」


「まーちゃん、持ってきてないんやけど、どうしよう??」


ヤバい、ハコでのライブならそんなになくは無いトラブルなのだが、あまり経験の無いかなに別のベースを借りて代用するのは避けたい。


ダダリオの弦か……。

「ちょっと待ってて、他の出演者に持って無いか聞いてくる!」


「俺も聞いてみるわ!」

雅人も急いで駆け出した。


俺たちは手分けして、さっき出演したバンドと、次に出るバンドに聞いてみる事にした。


「すいません、予備の弦持って無いですか??」


「ごめん、俺は持ってないわ、、」


まずい、雅人が行った方に賭けるか……。

「ありがとう」と言ってバックステージにもどる。


雅人が弦を貰って来てくれた。


「これさ、今度同じの買ってかえしてくれるならいいって!」


でかした! が、ダダリオじゃない。


「かな、ちょっとベース借りていい? 弦全部変えるよ!」


「一番上だけじゃダメなの?」

かなは焦って言った。


「弦の種類が違うから、全部変えないと音がバラバラになっちゃう。」


俺は急いで交換に入る。

残り時間は5分を切っていた。


すべて変えるのに間に合うのか……。


俺は必死で弦の交換をはじめた。




(続きまして2年生バンドハンバーガーパーティです!!)




体育館に放送が響き渡った。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

次回で第1章は完結予定です。

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