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俺の音楽ここにあります!  作者: 竹野きの
メジャーに向けて
134/185

初心にかえる

「今日のライブも最高らね! 俺出たくなっちゃったよ!」


源さんはそういうと、シグネイチャーモデルのギターを構える。


「でもね、源バンドは今日来てないんだ」


そう言って、源さんは歪ませず、ギターを鳴らす。


「こんな、最高のメンバーに支えられて、幸せだと思う……ステンバーイミー、ステンバーイミー〜」


そのままスタンドバイミーのカバーを弾き語り始め、空気が変わる。


すると、途中で歌をやめ、

「やっぱりバンドの方がいいらね?」


(わー!)


「声がちいせぇなぁ、人気ないらか? ちょっと人気ありそうなのを呼ぶかぁ、可愛いほうが絵になるなぁ、まひちゃんちょっときて?」


(わー!)


えっ! 俺?

俺は近くまだ片付けてない"マスたん"を手に取りステージに立つ。


(何ひける?)

(源さんの曲は大体行けます!)


(おー、OK! 適当にあわせて!)

(はい!)


それから雅人とマイニングのベースを呼んだ。


「ドラッドと、ジャマイカンはいつもやってっから今日はこれで! 準備はいいらか?」


(おー!!!)


「やっぱり人気者はちがうらね!」


そして源さんはリフを始め、俺はそれに乗っかる、荒々しいギターの威圧感が心地いい。


そして会場はまた、熱気に包まれぐちゃぐちゃになった。


このメンバーでも浮かないなんて、雅人も上手くなったなぁ……

まさかマイニングと一緒にするとは……


元仲間やライバル、そしてギターヒーロー。


源さんは、"そんな事どうでもいいから一緒にやれば楽しいらよ"そう言っているような気がした。



♦︎



俺は中学1年の始めの時にギターを買った。

お年玉の残りや、小遣いを掻き集め買ったのは廉価版のストラトキャスター。


あの頃、世の中はバンドブームでビジュアル系の全盛期、ラジオや音楽が好きだった俺は、聖飢魔Ⅱや解散したXJAPAN、またhideが始めたきっかけになった。


中学2年の頃、洋楽に手を出した。

メタリカやスレイヤーなど、海外のクオリティにやられた。スリップノットが流行りだしたのもその辺りかな。


その頃、日本で出てきたのが源さんたち。

高校生になり、パンクが流行りだした頃に解散した。


あの頃、俺はバンドが楽しくて、俺のギターで世界をハッピーに出来ると本気で思っていた。まぁ、メタルとハードコアという、ハッピーとは掛け離れた様な音楽だったんだけどね!


いろんな葛藤や、世の中の理不尽な事に俺は抗っていただけかも知れない。


でも……

俺はこのライブで1つの答えを見つけた様な気がしたんだ。



♦︎



その日のライブはその後、ジャマイカン6がしっかり締めてライブが終わる。


源さんは、最後に俺たちにこう言った。

「その音楽で戦え!」


よく意味は分からなかったけれど、取り敢えず後押ししてくれたんだろう。


数日後、西田さんから連絡があった。


「まひるちゃん、ちょっといいかな?」


「西田さん、どうしたんです? フェスの話ですか?」


「それなんだけど、"ハンパテ★"はAIRも京都フェスも出れなくなった」


「は? なんで?」

源さんも、タクミさんも絶賛してくれたのに……。


その意外さに俺は息を飲む。


「ただ、フェスは一つ、意外なところから来ている、サマーフェスティバル2ndステージだ……」


サマーフェス2nd? インディーズが出ているなんて聞いたこと無いけど?


「すまないがなんでなのかは僕もわからないんだ、あの後好印象だったのは間違いないからね……ただ、チャンスだと思ってサマーフェスに意識を向けて欲しい」

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