JKはじめました!
えっと……だれだろ?
見たことある気はするんだけど。
もちろんスタジオだからバンドマンだとは思うけど……。
ただ、別に悪意があるわけではなさそうなので、ひなとかなを呼びスタジオに入ると、 あれ?ジュンさん?
「ヤッホー! びっくりした?」
「なにやってるんですか?」
「いやータクミさんが"ハンパテ★"見たいって言うからさ!」
という事は……タクミさん?
「2人できたんですか? というかなんでスタジオが……?」
「ナカノがおしえてくれたよ! 今日ここでやるって!」
「うん、うちナカノさんに言ったと思う」
「ちょっとちょっと、ジュン君〜紹介先して欲しいねんけどなぁ」
「あっ、すません! こちら9STEPのタクミさん!」
「宜しく! なんかジュンが京都フェスに出して欲しいって言ってたからきてんけど、えらい美少女バンドやな〜」
「でしょ? ナカノがヴザくなるのもわかるでしょ?」
「まぁ、珍しいとは思ったけど、これはしゃーないかもなぁ〜」
「とりあえずセッティングしてしてー!」
言われるがままとりあえずセッティングをする。俺はケトナーのヘッドをセットした。
「キラーにケトナーかぁ、かわいいんか厳ついんかわからんなぁ〜。ドラムは同期か……なんかこれだけでヤバそうやなぁ」
「よろしくお願いしまーす!」
「かわいっ!」
「まひまひ、なんかひいちゃってー!」
「無茶振り! ひな、ファストファッションいける?」
「だせるよー!」
「とりあえずそれにしよう!」
俺はひなのカウントに合わせて、イントロを弾くと2人は立ち上がった。
演奏が終わり、タクミさんは笑った。
「ハッハー、君らめっちゃええやん! そのルックスと声はわざとやろ? 新しい新しい! 今日来てよかったわー」
「そうでしょ? 結構すごいんすよ!」
「ほんまに、ジュン君よりギター上手いし」
「それはない」
「ジュン君よりかわいいし」
「いやいや俺の方がかわいい」
ジュンさんの合いの手みたいなのが少し面白くて笑ってしまった。
「そしたら、京都フェスは?」
「音は120点やな!」
「やったー!」
俺たちはハイタッチした。
「あとは、今度のライブ見せてもらってきめるわ! 枠用意しとくから頑張ってな!」
そのあと色々コピーしたりしてジュンさんとタクミさんとあそんで仲良くなり、スタジオから出るとタクミさんはどこかへ行ってしまった。
「あれ? ジュンさんはいいんですか?」
「俺は暇だよ?」
「そうなんですか? でも、色々ありがとうございます」
「ほんまに、ジュンさんにほんま、色々助けられてます!」
「ありがとう、ジュンさん!」
「えー? 俺モテモテ?」
ジュンさんはふざけていたけど嬉しそうだった。
「俺、まひまひたち結構すきだからなー」
「えっ? 好きって……」
「あー、人間的にだよ! 君らカッケーよ!」
そう言ったジュンさんは少し雰囲気があってカッコ良かった。
♦︎
春休み後半、ライブを終えると俺たちの新しいスタイルはほとんど完成する事ができ、春休みを終えた。
リアルタイムでの同期演奏の弱点のライブでのアドリブがしにくい事やトラブルに弱い部分の対処も大分出来るようになった。
ヒロタカさんの言っていたライブは4月末、それまでにはもっと馴染んでいるだろう。
ただ、俺は今日からJK!新しい生活が始まろうとしていた。
今年も3人と由美ちゃんも同じクラスになる。ただ、今回は理由がある、インディーズで活動している事は事前に学校につたえており、状況によっては休みも認められる。
これも過去に、芸能人になった生徒や、スポーツ系もそこそこ強いから学校自体もサポートする姿勢なんだとか……。
そんな学校があるのか……。
そのせいか推薦が多かったりとちょっと変わったクラスだった。
「どうや? めっちゃかわいいやろ?」
かながドヤ顔でブレザーを見せる。
「あたしも同じの着てるし!」
「うん、わたしも……」
「なんや、ブレザーに憧れは無かったんかいな?」
学校に付きクラスに入ると新鮮な気分。
初めて会う生徒達に俺たちは色々声をかけられた。
「ねえねえ、3人は同じ中学から来たの?」
「そうやで! 仲良くしてなぁ」
かなはどんどん仲良くなっていく、俺とひなはついて行き挨拶して行った。
「あー! まひるさん、同じクラスでっすねー!」
「由美ちゃん! ヒロタカさんの妹だったんだねー!」
「そうなんです! あ、この子橘 六花わたしと同じ中学なんでっす!」
「あ、りっかです! 由美の知り合いだったんですねー、3人ともオーラヤバたんです!」
りっかちゃんも150cmギリギリないくらいの小柄な女の子。黒縁のメガネのワンレンだけど、メガネをかけていても可愛らしい感じがした。
雑談をしていると、先生がきてかなを呼び出し、話が終わると教室に入った。
「みなさんおはようございます。担任の福山です、今日から高校生なので、高校生らしい振る舞いを心がけてください」
顔合わせが済むと、入学式が始まる。
あー、昔からこういう式典は苦手なんだよなー……。
「新入生代表挨拶、山本加奈子……」
「はいっ!」
こうして、俺たちの高校生活はスタートした。




