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俺の音楽ここにあります!  作者: 竹野きの
メジャーに向けて
120/185

さくら咲く

受験の結果発表当日俺は寝不足だった。

結果が気になるのもあるが、ひなのDTM、フェスへのアプローチ、さらには高校生になる事を考えるとやる事は山積みだ。


DTMに関しては、流石に基礎知識位はある。

だが確実に古い。無理もない触れたのは俺の全盛期。DAWソフトのプロツールスがウィンドウズで出たとか言った時代だ。


あれから出来る事も増えているはずだ。合間をぬってネットで調べるようにした。


二つ目は、フェスへのアプローチ。

今の周りは西田さん含めどれかは出れると信じて疑わない。


だが、その難易度は俺が一番よく知っている。なぜなら俺は20年フェスに出れていないのだ。


最後は、正直一番の問題と言っていいだろう。高校生になる事だ。


今までは中学生と言う制限が、ある意味武器だった。高校生になれば、お金もある程度使え、本格的に活動出来るバントがふえる。


比較されるバンドやギタリストが格段にレベルが上がるんだ。アーティストで言えばティーンズフェス出身や閃光ライオット出身たちか……山嵐も高校生でほぼ完成していた?


ギタリストも本来の俺とほぼ歳の変わらない森下志音はメジャーに行っていた。


更なる進化を見せられるだろうか?



♦︎



桜がもうすぐ咲きそうな時期。

結果発表を見に行くためにに、2人と待ち合わせをする。


「おっまたせー!」

「かなーギリギリだよー?」

「なんか色々緊張しちゃってん」

「わかるー! でもきっと大丈夫だよ!」


赤信号みんなで渡れば……ちょっと違うか。

3人で向かうと不思議と足取りは軽くなって緊張が少しほぐれた。


張り出された表にはたくさんの受験番号が書いてあり、周りの人は一喜一憂している。


「あー! あたしのあった!」

「うちもー」


ひなとかなは早速見つける。

かなが受かっていて良かった。


えーと、俺のは……。

あれ? あれれれれ?


俺はめを擦る。

えーと、まさか……。


「わたしのが無いんだけど……」


だが2人は不安な顔はしていない。


「え? まーちゃんのあるよ?」

「いやこれ……無いんだけど?」

「いや、あたしの一つ前の番号だし? ちょっとみせてみて?」


ひなはそう言うと、俺の受験票を見る。


「やっぱりあるじゃん!」

「へ?」


9600……0096……あははは!

「ごめん逆さまに見てた!」


「もう、まーちゃん、驚かせないでよ! そもそも9000人も受けてないし!」

「ほんま、まーちゃんはへんなところ抜けてるんやから!」


「あははは。改めて高校でもよろしくね」

「うん、勉強した甲斐あったよね!」

「あれ? うちのおかげちゃう?」


俺たちの笑い声が校庭に響いた。

すると1人の女の子が近づいてきて声をかけてくる。


「あのー? もしかして"ハンパテ★"の方ですか?」


「そだよー! もしかして知ってる?」

「もちろんです! "スターリン"と対バンされてた時から知ってまっす!」


「ふぇー! それホンマにレアやん!」

「もしかして軽音部に入られるんですか?」

「入ろうかなと思っているよ!」


「わたし、牧野由美(まきのゆみ)っていいます! ギターやってるのでよろしくお願いしまっす!」


由美ちゃんは、ポニーテールで150cmくらいの小さい可愛らしい女の子だ。


「ギターやって! まーちゃん!」

「早速友達が出来そうだね!」


「いえいえ、まだまだちょっと弾けるくらいなので色々教えて欲しいでっす」

「ギターは何を使ってるの?」

「ギブソンのレスポールスタジオでっす!」


「おー! いいギター!」

「兄のお下がりなんでっす!」



兄? レスポールスタジオ?

そしてこの喋り方……どこかで聞いたことあるような?


「軽音部にはいるの?」

「はい! 高校生になったらバンドがしたいと思ってまして……」


「ホンマに? うちらと一緒やん!」


「由美ちゃんよろしくね! 同じクラスになれるといいよね!」

「はい! 是非是非お願いしまっす!」


そのあと、バンドの話で少し盛り上がると、

由美ちゃんはまだ、バンドをした事は無い様子だったが、ギターは結構やってる見たいだった。


そして、この時覚えた親近感は後々解る事になる。

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