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俺の音楽ここにあります!  作者: 竹野きの
メジャーに向けて
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夏休みライブスタート!

「こんばんは! 山野ですけど、どうしても対バンしたいっていうバンドが居るんですけどどうしますか?」


どうしても対バンしたい? もしかして広島で対バンしたサヤのバンドかな?


あの時大分気に入られちゃったからなぁ。


「はい、大丈夫ですけど……どんなバンドなんですか?」

「それが……GUN WITH A MISSIONガンウィズアミッションなんですよね……なんでまたうちと…… 」


大ブレイク中の猫の覆面バンド。俺はそれより中身を知っていた。


そう、転生前の時の先輩のバンド。ブランディングとスタイルを変えてブレイクしたのだけど、まさかオファーが来るとは……


「是非、やりましょう!」

「ただ、価値はあると思いますけど、ウリを考えると、あのバンドはハンパテのクオリティを超えてますけど……」


そりゃそうだろう、全員俺レベル。

可愛さくらいしか勝てるところはないだろうな。


それでも俺はやりたかった。

バッキング主体だからスタイルは少し違うが事実上俺の本当のライバル。それもホームの名古屋ならなおさらだ。


「分かりました、メンタル的にも大丈夫そうなので安心しました!」


こうして俺たちのレコ発ツアーは幕を開けた。



♦︎



「今回のツアーは色んなバンドがでてくるんだよね?」

「うん、ブッキングのトリやトリ前にツアーバンドとして出る型だからね!」

「途中のガンウィズとってマジなん?」

「うん、なんか向こうのたっての希望らしいよ?」


かなは少し考えると。

「その日うちら、ネズミの耳つける?」


また、かなは……

と思ったものの、コラボ感が出ていいかも知れないな。


「うん、それで準備しよ!」

「ええっ! まーちゃんまで……まぁ、一緒にするならいいけど……」



♦︎



この日は、CDが発売された。3人でCDショップに向かうと、発売日の特集が組まれてCDが積まれている。


「おぉー! うちらのCDやで!」

「本当だ凄い! このポスターの写真ちょっと恥ずかしいね……」


「ちょっとうち、お礼言ってくるわ!」

「あたしらもいこ?」

「うん行こう!」



「こんにちは! 特集組んでもらってありがとうございます!」


「あー! ハッピの子たちだよね?」

「はい! 覚えててくれたんですか?」

「あれはインパクトあったからね! おっと、リリースおめでとうございます!」


「ありがとうございます!」

「ところでさ、せっかくだからポスターにサイン描いてくれませんか?」


「あーっ!」

「どうしたの?」

「うち、サイン考えてへん……」

「あたしも……」


「ひなはサイン有るよね? お手紙の最後に書くウサギの耳が"hina"になってるマーク!」


「ほんまやん、あれでええやん!」

「えーっ、あれでいいの?」


それぞれサインを書いてみる事にした。

俺はひらがなをちょっと崩してサイン風に、かなはまさかの達筆フルネームで書いていた。


「書道!? でも、味があっていいよね!」

「次迄にはなんか考えとく!」


「書けましたー? おー、いいかんじ! 今日も予約以外でも10枚以上は売れたんじゃないかな? なかなかいい感じだと思うよ!」


俺たちは顔を見合わせて笑顔になった。

その後も4件ほど周り、それぞれ大小はあるもののそれぞれピックアップしてくれていたのが嬉しかった。



♦︎



夏休みのライブに合わせて、レーベルからCDとグッズが届いた。


・CD1000枚

・Tシャツ4色3サイズ200枚

・缶バッジ200個

・フライヤー10000枚

・アンケートハガキ1000枚


一気に販促グッズが充実した!

そして今回も自分たちの分があるのだけど、1人3枚と多い。 ライブの日に同じTシャツにコンスタントに着替えるためなのだと言う。


要は汗びっしょりのままホールに出るな! と言う事だろう。と言うわけで新しくライブ用の黒のパーカーを4つ買っておいた。


新しいパーカーはフードにツノが付いたデザイン。印象を意識してちょっと変化をつけてみた。


そして、今回1発目の名古屋ライブのブッキングで問題は起きた。


「なんでアイドルみてーなガキが俺たちの後なんだよ? メンツ丸潰れだわ」


今回はトリ。リハーサルの準備をしていると、怒鳴り声が聞こえてきた。

◯用語補足


・トリ

ライブの出番が最後の事


・ブッキング

ライブハウスが出演者を取りまとめたライブ


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