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記録  作者: 福森 月乃
2/10

二日目~小学校の林間学校~

小学生5年生の時



心霊現象ブームがやってきました。



あちらこちらでスーパー小学生(霊能力者)が現れては幽霊退治にいそしんでいたのです。



降霊術も流行り、得体の知れない遊びがあちこちの教室で行われていました。



もっぱら、呼び出されたお化けにする質問は恋愛や友達関係の悩み相談です。



中にはいたずら心を出して、手が動かない、帰ってくれないなど悪ふざけをするがいたり、異常に怯える子もいました。



そのうち、学校の怪しげな場所にはいつの間にやら盛り塩がされ、除霊活動が盛んに行われるようになり、幽霊目撃談は次々と増え、学校はゴーストスクール化したのです。



その騒ぎを重く見た教職員が、全校朝会を開き騒ぎの発端となったグループを立たせ、厳重注意をしてなんとかこの場を鎮めたのでした。



心霊ブームが下火になった頃、林間学校が開催されました。



学校からさほど離れていない場所に市の宿泊施設があり、そこに二泊三日ほど泊まることになったのです。



簡単なオリエンテーションの後、食事を取って予め部屋割りされた場所へと就寝に移動します。



部屋は二クラスの女子が眠れる広い部屋で、窓とドアが向かい合わせにありその間の壁伝いに仕切りのない広々としt二段ベッドが用意されていました。



興奮気味のクラスメイト達は、噂話をしたりふざけて笑いあったりで就寝時間を過ぎてもなかなか寝付けません。



そこへ、窓の外の街頭がだんだん近づいてくる、壁に耳を当てると人の声が聞こえるなど怪談めいた話で益々盛り上がり、きゃあきゃあ言っていました。



そんな楽しい雰囲気の中、二段ベッドの二段目にいた生徒たちが急に騒ぎ出しました。



何事かと皆、注目します。



そこにはうたた寝していたクラスメイトが急に苦しみだし、奇声を上げながら寝転がったまま暴れ始めたのです。



スポーツ万能で性格も明るく印象の良い女子で、まるで怪異現象と無縁な子でした。



仲の良い友達が何度も声をかけ、起こそうとしましたが中々目を覚ましません。



先生を呼ぼうと皆が動いた時、ピタリと彼女の動きが止まり心配そうにクラスメイトが見守る中しばらくして目を覚ましたのです。



起きた彼女は普段と変わらず眠っていた時のことを全く覚えていませんでした。



何故、そんなことになったのか未だに謎です。



補足ですが、壁伝いに聞こえてきた話し声。私も好奇心にかられて聞きました。



複数人男女の入り混じった話し声で、隣は先生達の部屋なんだと思い少し安心しました。



しかし、後日部屋割表を確認するとそこは自分たちの使っていた部屋の半分の大きさしかなく、ベッドも片側の壁沿いにしかない間取りになっており、しかも隣の部屋は空室だったのです。

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