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記録  作者: 福森 月乃
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一日目~彼岸花~

そう、あれは小学生だった時の話。



家の事情で祖母の家から学校に行ってた時期がありました。



田舎なので農家が多く、一軒一軒の敷地が広かったのを覚えています。



学校の帰り道は、近道と称して人の家の庭や畑の真中を横切って帰ってました。




毎日違うコースで帰るのが日課になっていました。



道無き道を通って民家の裏庭に出たり、飼い葉の中を歩いて足がかぶれたり。


小さな冒険です。



でも、いつもと変わらない事が一つだけありました。



それは・・祖母の家に近づくと決まって現れます。



特に土手と生垣に挟まれた小道で出会うのです。



土手の上にはビニールハウスと畑、生け垣は家が見えないほどの高さがあります。



この小道の先にある白い坂道を登ったら祖母の家です。



大通りから小道に入る辺りから、それは、後ろから距離をおいていつのまにかついてきます。



振りかえると物陰に隠れ、こちらの様子を伺っているのです。



それは私の目では黒い人影に見えます。



黒い影なのにそれが小学生の男の子のような気がしました。



しばらくするといつの間にかいなくなります。時々、別の場所でも見かけるのですが、必ず外です。



よく現れるのはこの小道です。



夕方、真っ赤な彼岸花が咲き乱れる土手がある小道に黒い影の少年は現れ、しばらくついてくるのです。



後日母から流産したことがあり自分に弟がいることを知りました。



もしかしたら亡くなった弟が自分と同じく成長して一緒にいてくれているのかな?と、勝手に想像したものです。



土手に彼岸花がよく咲いていたのが印象的で、彼岸花を見ると思い出します。


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