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私、ついに王宮に来ちゃったよ……

「お城おっきぃー!」

「すげー、でけー!」「…………」

「はいはい、あんまり騒がないの」

はい、ついに来ました。アヴェリアの王宮前でございます。

子供達は初めてまじかに見る王宮に、セレナ以外は大興奮。

セレナちゃんは相変わらず眠たげな表情で、興奮する姉と兄を眺めてます。

私? 緊張で潰されそうです。やばい、いざ王宮を前にすると足が少し震えてきた。

「そちらのご婦人。王宮に何か御用でしょうか。御用であれば許可証などをご提示ください」

「あ、はい。こちらでよろしいでしょうか?」

門番に許可証の提示を求められた私は、ユーリにもらった入城許可書を取り出した。

ちなみにユーリは、仕事で先に家を出ている。

「確認しました。案内のものが来るのでお待ちください」

しばらくするとメイドさんがやって来た。

「ティアット様ですね? お待ちしておりました。ユリウス様より、最初は3番隊の兵舎に来て欲しいと言付かっておりますので案内いたします」

そう言ってメイドさんは先導し始めた。

そういえばユーリが仕事している姿を見るのは初めてだな……。

「ひろーいー!」「あははは!」

「こら! 大人しくしてなさい!」

リアナとルークは相変わらずはしゃぎっぱなし。

はあ、はしゃぐ気持ちもわかるけど王宮内だから大人しくして欲しい。

高いものとか壊しそうで怖い……。

しばらく歩くと兵舎らしき建物が見えて来た。

おそらく今は訓練中なのだろう。猛々しい掛け声がここまで響いて来る。

「こちらです。今は訓練中ですがどうされますか?」

「夫の仕事をしている姿を見てみたいので覗かせてもらってもいいですか?」

「わかりました。では、どうぞ」

「リアナ、ルーク。お父さんは仕事中だから中で騒いではダメよ。わかった?」

「わかった」「はーい」

本当にわかっているのだろうか……。心配だ。

中に入るとたくさんの騎士が訓練用の剣で模擬戦をしていた。

私はその中にユーリの姿を見つけた。

なんと、そこでユーリは1人で2人の相手をしている。

私は大丈夫なのか心配だったがそれは杞憂だった。

相手をしている2人の騎士は見事な連帯でユーリに襲いかかるが、ユーリはそれを見事に捌き、籠手に剣を当てて叩き落とした。

かっこいい、思わず見とれてしまう。いつも私が見るのとは違うユーリで新鮮だ。

子供達もユーリに目が釘付けで一言も喋らずに黙々と見ていた。

すると、模擬戦を終えて目線を広げたユーリと目があった。

「みんな! 一旦休憩だ! 各自で水分補給などしておいてくれ!」

「やっとか……」「疲れた……」

休憩を他の騎士達に言い渡したユーリは微笑みながらこちらに近づいて来た。

「パパー! かっこよかった!」「父ちゃんすげえ!」「パパつよい……!」

子供達は一斉にユーリに駆け寄り興奮した様子で話しかける。

「やあ、ティア。来てくれたね」

「ええ。初めて仕事をしている貴方を見たけどびっくりしたわ。素敵だったわよ」

「はは、ありがとう」

『……………………』

気づけば、休憩していた騎士達の動きが止まっている。

「ん? お前らどうした?」

「あの……そちらの女性はどなたで? あとこの子達は?」

「そんなの見たらわかるだろ。妻と子だ」

『はあああああああああ⁉︎』

うわ! びっくりしたー。

「な、なんだよ。そんなに驚くか?」

「そりゃあ驚きますよ! 俺たち今まで隊長は女に興味がないのかと思ってたんですから!」

「というか、いろんなご令嬢を振ってたもんだから男色家ってもっぱらの噂だったんですよ⁉︎」

「そ、それが……こんなに美人な奥さんがいる上に子供が3人って……」

ぶっ⁉︎ 男色家って……。や、やばい……笑いが堪え切れない……。

部下のセリフに今度はユーリが固まった。

「おい……お前ら……」

『はっ⁉︎」

言いたい放題言った部下さん達はようやく自分たちの失言に気付いたようだ。

「あとで、覚えてろよ?……」

『すいまっせんしたー!』

「まあまあ、面白い人たちじゃない。それより、大したものではありませんが差し入れ持って来たので召し上がってください」

そう言って私が取り出したのは、前世で言うはちみつレモンだ。

この世界にはレモンに似た果物とはちみつはあったが、はちみつレモンは無かったので作ってみたらユーリに絶賛された。

「おお、女神だ……」「ありがたい……」

「ったく、ティアは甘いな。お前ら、感謝して食えよ!」

『はい! ありがとうございます!』

「なんだこれ⁉︎」「やべえ!」「うっま!」

部下さん達にも好評のようで一安心。

そこでユーリがついに切り出してきた。

「ティア、そろそろ陛下のところに行こうか?」

「⁉︎ え、ええ、そうね……」

ついに……か……。あー緊張するー。

「そういえば子供達はどうするの?」

「陛下が、俺の子供の顔を見たいから連れて来ていいって言ってたから大丈夫だ」

「そう。じゃあ、行きましょうか」

私の戦いはもうすぐ始まる。


200pt突破しました!

本当にありがとうございます!

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