私、ただの主婦ではありません!
…… モ○ハンしてえ。
はっ⁉︎ ボーってしてたら不意に前世でハマってたゲームのこと思い出しちゃったよ。
そういえばそろそろ私も仕事に行かないと。
実は私、ただの主婦じゃないんです!
私は治療師と言って聖魔法を使える魔法使い。つまりお医者さんだね。
ちなみに聖魔法というのは怪我や病気の回復に作用する魔法で、他にもバリアみたいなのも出せるよ!
そんでもって私には聖魔法の適性があったので治療師になることにしたんだ。
私はこの街、ネイリルって言うんだけどそこの治療院に勤めている。
「ルーク、セレナ、出るわよ」
「はーい」「うん……」
まだ5歳の2人を家で留守番させるのは不安なのでいつも連れて行く。
治療院は家からすぐ近くなのですぐに着く。
「あらティア、来たわね。今日もよろしくね。ルーク君とセレナちゃんもこんにちわ」
「アレルナさん、今日もよろしくお願いします」
『こんにちは』
アレルナさんはこの治療院の院長をしている人で私が小さい時からお世話になっている人でもある。
しかし40は超えてると思うんだけど未だに20代でも通じそう……。
「ティア? 今何か失礼なこと考えなかったかしら?」
「⁉︎ い、いえいえルナさんは若いなーって思っただけですよ」
「そう……あとでお仕置きね」
「なんで⁉︎」
ひ、ひどい……。
「あ、ティアさん来てたんですねー」
「ええ、今日もよろしくねアイシャちゃん」
アイシャちゃんはアレルナさんの娘さんで20歳。
この治療院はアレルナさん、アイシャちゃん、そして私でやっている。
「セレナちゃん今日も可愛いー!」
「アイシャさん……くるしい……」
アイシャちゃんはセレナが大好きで会うたびに抱きついている。
セレナも満更でもなさそうだ。
「いーなー、私も子供ほしーなー」
「ならさっさと相手を見つけて私を安心させておくれ。それよりいつまでも喋ってないで準備に入るわよ」
「はーい」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「今日はどうされましたか?」
「転んだ拍子に手首を折ってしまいました。仕事に影響するのでできるだけ早く治したくて……」
「わかりました。折った場所を見せてください」
「はい」
ちなみに私に前世のように進んだ医学知識なんてものはない。あるのはこの世界で習った医療技術、すなわち魔法だ。
ぶっちゃけ熱を出している人を見ても原因なんてよくわからない。
とりあえず女神の祝福とか願って魔法をかければ治ってしまうのだ。魔法マジパネェ。
場面を戻して骨折を訴える男性を診てみると、折れた手首はきちんと伸ばして固定されていた。これなら初級の聖魔法で完治できるだろう。
「これならすぐに治りますね。《神よ彼の者に癒しを与え給え》。はい、治りましたよ」
「え⁉︎ ほ、本当だ……痛くない……。あ、ありがとうございます! あ、あの……よければ今夜あたり食事でもーー」
「母ちゃんお腹減ったー」
「こらルーク! 今来ちゃダメじゃない。昼ごはんはもうすぐだから我慢しなさい」
「はーい……」
「息子がすみません……。何かおっしゃってた途中では?」
「い、いえ……。ありがとうございました……」
「? はい、どういたしまして」
なんか見るからに気落ちした感じだったけど、どうしたんだろう?
「ティアさんも罪な女だねー……」
「アイシャちゃん、何言ってるの?」
よくわからないけど、まっいっか!
思ったよりも多くの方に見ていただけて作者は狂喜乱舞しております。
よかったら感想や指摘など、どんどんください!
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m