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ルークとセレナのはじめてのおつかい!

「あ、しまった!」

現在、治療院で昼ご飯を食べたあとの休憩中。

そんなとき、私は大事なことを思い出した。

「どうしたの? ティアさん」

「晩御飯の食材買ってない……」

「ああー」

めんどくさいけど仕事が終わった後に急いで買うしかないかなー。

それも全部冷蔵庫のせいだ! 買いだめできるようになって毎日食材を買う習慣がなくなったもんだから買うの忘れちゃったよ!

……私のせいですね、ごめんなさい。

「母ちゃん母ちゃん! 俺が買いに行く!」「私も……」

「え⁉︎」

ルークとセレナがなんか囁きあっていると思ったらそんなことを……。

こんなこと言われたの初めてだよ。

リアナはなんていうか……ゴーイングマイウェイな子だからそんなこと言わなかったし。

2人とも成長したなぁ……ぐすん。

行かせてやりたい……でも……。

「気持ちはとっても嬉しいんだけど2人だけは危ないかなぁー」

「えー! 行きたい!」「ママ、行かせて……」

えぇー……。

「行かせてやりなよ、ティアちゃん」

「ルナさん……」

「ティアちゃんは少し過保護だからねぇ。心配なのはわかるけど、この街は治安もいいし、子供の誘拐なんて聞いたこともないよ。それに、何より子供達が行きたがってんだ。子の頼みを聞いてあげるのが親ってものだろう?」

うっ、さすが母親の大先輩だ。一言一言が胸に染み入るぜ……。

というか私は過保護なのか……。そんなつもりなかったんだけどなー。

双子達から片時も目を離したくないだけで……。あ、やっぱり過保護かも。

うぅー。可愛い子には旅をさせよって前世でも言ってたし……。

「ルーク、セレナ、それじゃあおつかいを頼もうかな」

「やったー!」「まかせて」

断腸の思いで送り出すことにしました。

買ってくる食材は晩御飯のメインデッシュだけだから量はそんなに多くない。

行く店も、私と一緒によく行っているところだからちゃんとわかるだろう。

食材の名前を書いた紙を私から渡され、ついにルークとセレナは旅立つ!

『行ってきまーす!』

「行ってらっしゃい! 絶対に戻ってくるのよ!」

『……戦場にでも送り出してるの?(ルナさん&アイシャちゃん)』

うるさいな! それくらい不安ってことなの!


「……(ソワソワ)」

2人の姿が見えなくなってから私は、机に突っ伏したり、椅子から立ち上がったり座ったりをずっと繰り返している。

「…………ハァー。ティアちゃん、そんなに不安ならついて行っていいわよ……」

「え⁉︎ 本当ですか⁉︎」

「もうね、なんか見てられない」

そこまでか……。

「そ、それじゃあお言葉に甘えます! ありがとうございます!(バシュッ!)」

一刻も早く2人の様子を確かめたい私は転移魔法を使った。

「…………子供のおつかいの様子見に、転移魔法を使うお母さんなんてティアちゃんくらいでしょうね……」

「……そうだね」


見つけた! 2人仲良く手を繋いで歩いてる!

かわええ……。

あー抱きしめたい抱きしめたい抱きしめたい抱きしめたい抱きしめ(略。

い、いけない……。発作が!

落ち着け、落ち着け私! ここで出て行ってしまってはせっかくおつかいに行った2人に申し訳ない!

え? もう今更だろって? こ、このくらい大丈夫! ……だと思いたい。

「あ! ちょうちょ!」

すると突然、ルークが蝶を見つけて駆け出す。

「お兄ちゃんまって」

セレナはルークを追いかける。あっ⁉︎ セレナがこけた!

「うっ、うっ……」

今にも泣き出しそうだ。そして私は今にも飛び出しそうだ。

オリハルコンの自制心で耐えております。

「せ、セレナ⁉︎ だいじょうぶ⁉︎」

「お兄ちゃん……うん……」

そうして2人は再び手を繋いで歩き出した。よかった……。

そして! ついに!

「ん? おお、ティアちゃんとこの小僧じゃねえか。今日はどうした? 2人だけか?」

ようやく店に着きました!

「うん! 母ちゃんにおつかい頼まれた!」「…………」

「ほう、やるじゃねえか! それでどれを買うんだ?」

「これ!」

そう言ってルークは私が渡した紙を差し出す。

ちなみにセレナは人見知りを発揮してルークの後ろに隠れてる。

「これだな! ほい! これはおごりでいい! 頑張ったお前らへのご褒美だ!」

「ほんとかー⁉︎ ありがとう!」「……ありがとう」

「おう! 帰りも気をつけて帰れよ!」

「はーい」「うん……」

無事、買えたみたいだね……。よかったー。

それじゃあ私は2人の帰りを待とうかな。(バシュッ!)


「あ、ティアさん。お帰りなさい」

「ティアちゃん、どうだったかい?」

「はい。2人とも、私が思っていた以上にちゃんとしていました」

「そうだろそうだろ。子供なんてそんなもんだよ。親が気づかないうちに成長していくものさ。今日のでわかっただろ?」

「はい……本当に」

少し前まではあんなにちっちゃかったのになぁ……。

あ、やばい。涙腺が……。

「ティアさん泣いてるの⁉︎」

「⁉︎ な、泣いてないもん!」

「ははは、あんたも親になったらわかるさ」

「お、お母さん……」

しばらくして2人が帰ってきた。

『ただいまー!』

「お帰りなさい!」

帰ってきた2人を私は抱きしめる。

「母ちゃん! これ!」「がんばった……」

「うん! よくできたわね!」

「えへへ」「ん……」

「セレナ! 怪我してるじゃない! 見せなさい」

「うん」

こけた時に擦りむいたのだろう。回復魔法で傷を治してあげる。

「よし、これで大丈夫!」

「ありがと、ママ……」

「今日は頑張って晩御飯作るね!」

『やったー!』

今日わかったこと。

子供は親の知らないうちに成長する!

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