第3話 ~水と食料を求めるが・・・
こちらの話の主人公もティル・・・とのことで、『F.E.O』のキャラも使うか悩んでいたり。
当然、使う場合は性格を変えますが。
こっちとあっちの性格の違いに、たぶん・・・他にも違いが出てくるでしょう。
あくまで、使ったらの話ですよ。
水と食料を確保する為に、見知らぬ森を歩く俺。あまり遠くへは行けない、見知らぬ場所を爆進するのは馬鹿のすること。拠点であるコテージを建てた故に、なおのこと遠くへは行けない。そして迷い、戻ることが出来なくなることも避けたい。だから俺は、
ズバッ!・・・ズゥゥゥゥゥンッ!!
一定の間隔で木を切り倒している、・・・手刀で。倒した木を目印にすれば、迷うことなくコテージへ帰れる筈だ。そして帰る際、倒した木を回収すれば木材に困ることも無くなるだろう。倒した木を無駄にしてはいけないし、簡単に切り倒せるけど面倒だし。これが最善だろうさ、あるにこしたことはない。
切り倒した木はどうやって運ぶの?と思うだろう。・・・そこは問題ないのだよ、便利スキルを入手したからね。水と食料を入手しても、そのまま持ち運ぶのは面倒だな。・・・何かこう、・・・無駄な労力を使わないで運べる方法はないだろうか?アイテムボックス的な異空間?に保存出来るようになるスキルとか・・・。なんて考えていた時に、
『〈収納〉を入手しました。
〈収納〉:異空間の収納庫に所持品等を保存することが出来る。出し入れは自由で、収納庫内は時が止まっている。』
・・・なんてスキルを入手したのだ、不思議スキル・・・パネェぜ。このスキルで収納すれば、木を運ぶのも、入手予定の水と食料も沢山運べるってわけだ。しかも時が止まっているっぽいから、水と食料が傷むってことも無いだろう。なんと素晴らしいスキルだろうか!
そんなわけで、運搬系?の悩みは無い。故に俺は入手出来る限り、水と食料、その他入手可能な物をかき集める。あればある程、後の生活が楽になると思うからな。
コテージから離れ、何本かの木を手刀で切り倒してから思う。・・・何が食えるのか食えないのか、この水は飲めるのか飲めないのか、敵なのか味方なのか・・・等、何も知らない俺は不利すぎやしないか?どんなに自分が強くても、・・・強いか否かはよく分からんけど、毒とかを食ったり飲んだりしたら死ぬかもしれない。それに自分より強い奴に遭遇したら・・・、死ぬ自信がある、・・・当たり前だけど。・・・・・・そう考えると少しビビる、悪人顔の俺でも恐いものは恐い。これは夢ではなく現実なのだから、・・・誰だって死にたくはないだろ?
・・・というわけで、一時退却して心構えをしっかりしてから探索しよう。何かこう・・・、すぐに知ることが出来るスキルが入手出来れば良いんだけどな。矢印とか色とかで、色々と知れることが出来れば・・・、
『〈検索〉を入手しました。
〈検索〉:自身から半径100m範囲内の全てを鑑定出来る。その際、鑑定したモノには矢印が付き、念じれば情報が見れる。人間(他種族含む)や魔物の場合は色付きで、自分との関係を知ることが出来る。』
・・・なんか入手したっぽい、〈検索〉?・・・凄く便利そうなスキルやね?
とりあえず、使ってみようかね。・・・・・・検索!
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ウザッ!多っ!目にウルサイ!!視界に入る大量の矢印に一瞬でお腹一杯だ。・・・無し!今の無し、検索解除!!そう念じるとウザ多かった矢印は消えた。
・・・であの後、暫くここで検証をしてみた。そして分かったことがある、キーワードを言ってから〈検索〉を発動させるのが正しいスキルの使い方だと。所謂ネット検索と同じってわけだ、正しいやり方が分かったからには正しく使いましょうかね。
そういうことで、まずは水場、検索!
・・・・・・・・・
反応無し、この辺りに水場は無しときた。水が無いのはキツイっしょ、・・・どうするか。・・・うーん、水に限定せんでも飲める物なら水分補給が出来るのでは?思い立ったらすぐ検索、水場削除、水分補給、飲める物、検索!
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飲める物、わりとあるじゃないか。これで一安心、水分補給が出来ますな!とりあえず俺は、一番近い矢印の下へ。・・・そこには何やら丸い植物が、この中に水分補給可能な何かがあるのかな?・・・そういえば植物の種類によっちゃあ、その内部に水分を貯えるヤツがいたような、・・・転生前に。・・・そう考えると、この丸の中にきっと!一応念じて情報を見てみよう、何々・・・、
『ビトルプラント:植物/水分補給 HIT!・飲める物 HIT!』
・・・名前以外は見れば分かる、検索したのは俺だし。俺は、もっと詳しい情報が欲しいんだけど。
・・・色々と検索をイジってみたけど、内容は変わらず。・・・この〈検索〉とかいうスキル、詳細な情報は無理みたいだ。さて、どうするか?このビトルプラントっつー植物は、飲める物で水分補給は可能みたいなんだが・・・。全然知らないモノだから、ちょいと恐いよな。なんかもっと詳しく調べる方法は・・・、と考えて気付いた。俺には先程入手した〈鑑定〉があるじゃないか、〈鑑定〉を使えば詳細な情報を入手出来る筈。・・・いざ!
『ビトルプラント:森に自生する食虫植物。内部には、捕食した昆虫を溶かす為に必要な酸性の液体を貯め込んでいる。飲めば大変美味しく栄養価が高い、しかし確実にお腹を壊す。多く飲めば死に至る場合も。そのまま飲むのではなく、火で煮てその酸性を消そう。因みに薬の材料として重宝されており、良い値段で売ることが出来る。』
・・・・・・虫が溶け込んでいる液体ってわけだね?・・・マジかぁ~。何か嫌だけど仕方ないか、虫の原形は残っていないよね?酸性だし。そのまま飲まなきゃ害は無いみたいだし、とりあえずはゲットだな。しかし煮るといっても火種なんか無いぞ、どうしようか・・・。
後でじっくり考えるってことで、とりあえずは矢印の付く場所を巡ってみた。・・・・・・全部ビトルプラントだった、この森の水分補給元はこいつしかないんか?まぁ手を加えれば飲めるみたいだし、全部収納しましたよ。しかしながら、ビトルプラントばかりではツマランと思うわけでして。水分補給・飲める削除、加工・素材・検索!
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やや目にウルサイけど、何かしらで使える物が沢山あるみたいだ。流石は素材の宝庫である森、異世界でも同じみたいだ。現在地より半径100m範囲内の素材は俺のもんだ、取りまくってくれる!
・・・・・・一向に矢印が消えないのは何故?理由は簡単、素材となるモノが多過ぎるんさ。近場からかき集めているんだが、この調子では日が暮れちまう。そこまで深い森ではないから木漏れ日で明るい、だが日が落ちれば途端に暗い森。それは危険、灯りの無い俺には絶対に避けたいことである。故にさっさと集めたいんだが、さっきも言ったが多過ぎる。諦めるっていう手もあるが、出来る限り集めたい。されど食料・・・、肉系を入手したいが故にどうしますかね?う~ん・・・、何か簡単に手っ取り早い方法はないだろうか?
そして色々試してみた結果閃いた、頭の中でチーン!と鳴ったね。今の状況って加工・素材・検索をして、至っているわけじゃん?・・・で、検索キーワードんとこに〈鑑定〉を足してみたんよ。念じれば情報が出るとのことだったが、名前と種類しか出なかった。〈鑑定〉を使ってやっとこ、ビトルプラントの詳しい情報が出た。そこから導き出したのが、〈鑑定〉を含めて〈検索〉を使うとどうなるか?実際にやってみると、全く変わらない矢印と簡単な情報が吹き出しで出てきた。そして念じれば、〈鑑定〉を使った時に出た詳細な情報が瞬時に出現。近付かなきゃ鑑定出来なかった俺だが、〈検索〉と合わせることで矢印と吹き出しが出る。吹き出しが出ていれば、離れていても念じれば詳細な情報を得ることが出来る。そのことを知ったのだ、・・・そこで俺は閃いたわけなのだよ。〈鑑定〉を足すことでこの結果になったのなら、〈収納〉を足せば・・・。
そんなわけでやってみた、・・・その結果は矢印が消失!物の見事にウルサイ矢印が全て消えたわけなのです、これは所謂成功と思って良いのかな?一応、矢印があった辺りを見てみたのだが何も無い。・・・収納されたってことなのかな?・・・収納された物って、どうやって確認するんだ?ゲーム的な収納リストは無いのかな?と考えてみれば、良い仕事をしてくれたみたいです。
『〈記録〉を入手しました。
〈記録〉:自身に関係するありとあらゆる情報を記録し保存する。記録されたことはそれぞれにまとめられて一覧表に記載され、一覧表はいつでも見ることが出来る。記録は自動更新される。』
とまぁそんなわけで、一覧表を見ることが出来るようになりました。早速見てみるとホログラフィーで出てきまして、大量の素材が載っていましたよ。
この件により、スキル同士を組み合わせれば更に良い結果になると知ったのだ。この事実はこの先、大きな助けとなるだろう。要チェックやで!
大量の素材を入手してホクホクしていると、何かしらの気配を感じる。・・・ついに魔物か何かに遭遇することになるか?警戒しつつ、検索してみた方がいいか?そう思って、魔物・検索をしてみると赤い矢印が複数、此方に向かってきている。赤・・・というと、敵ってイメージがあるよな?・・・〈鑑定〉を足して再び検索を。すると・・・赤い矢印と共に吹き出しが、そこには・・・『ウルフ』。・・・完全に魔物っすよね?ただの狼ではないよね?・・・たぶん。
下手に動くより待ち構える方が良いかもな、警戒を解かずに矢印を注視。吹き出しが出ているから、詳細を知ることが出来るな。どれ・・・、
『ウルフ:森に生息する狼型の魔物。複数で行動し獲物を追い詰め、数で蹂躙する狡猾な戦法を取る。初心者殺しとも呼ばれており、ウルフを討伐することで一人前の冒険者と呼ばれる。牙や爪、毛皮等は素材となり、その肉は食用となる。』
・・・やっぱり魔物だ、しかも複数で襲うのを得意としているっぽい。俺で勝てるかは分からんけど、俺の認識が正しければ負けることはない筈。なんていったって魔神クラスの強さなんだしな、新人類の説明を見る限り。それにステータスはAとBが多い、即ち強いということだ。AとBが弱い筈がない、だが・・・何があるかは分からんからな、油断はせんぞ!
『〈察知警戒〉を入手しました。
〈察知警戒〉:自身の周囲にいる人間(他種族含む)・魔物等の存在を察知し、敵意があれば警鐘を鳴らし注意を促す。』
身構えた瞬間、新たなスキルを入手した。入手した途端、頭の中で警鐘が鳴らされる。・・・ウルフが、俺を狙っているってことが分かった。・・・これもかなり良いスキルみたいだな。
そして遂に、明確な敵意を宿した矢印が俺の前に。木々の合間を駆けてきた狼、ウルフが姿を現した。それと同時に襲い掛かってくるが、既に身構えていたからな。俺はそのまま避けずに手刀を振り下ろす、すると・・・、
『ギャウンッ!!』
一撃で両断、俺は続け様に襲いくるウルフ達を手刀で切り裂いていく。華麗なステップ・・・と言っても、昔喧嘩で慣らした足さばきでウルフの攻撃を掻い潜る。掻い潜る中で蹴り上げ手刀で切り裂き、切り裂いたウルフを蹴り飛ばして新手にぶつけ、手刀で切り裂きつつ次の相手を視界に捉えて手刀を振るう。まさに、手刀無双である。・・・手刀強し!
それから暫くして戦いは終結、俺の周囲には切り裂かれたウルフの死体、俺の完全勝利である。俺は大きく息を吐きつつ、周囲の死体をどうするか考える。・・・がその前に、
『〈乱戦〉を入手しました。
〈乱戦〉:敵味方が入り乱れる戦いにて自身の能力を上げ、戦いを有利に進めることが出来る。』
『〈喧嘩殺法〉を入手しました。
〈喧嘩殺法〉:思うがままに戦う無法の格闘術。利用出来るモノは死体でも利用する、多対一では無類の強さを誇る。』
『称号【狼ハンター】を入手しました。
【狼ハンター】:一度の戦いで多数の狼型を討伐した者に与えられる。対狼型で有利になる。狼型素材入手時、良い物が入手しやすくなる。』
新たなスキルに称号までも入手、俺の成長が凄い!
・・・でウルフの死体についてだが、このまま収納擦るのは気が引ける。時間が止まっているから腐りはしないが、取り出す際にちょいと厳しいかと思う。自分で仕舞った癖に、取り出し時にビビる自信が俺にはある。そしていちいち処理するのもかったるい、そこで不思議スキルである〈俺道〉の力を借りるってわけである。解体・分別・処理と考えながら、ウルフの死体に手をかざす。そして案の定・・・、
『〈解体処理〉を入手しました。
〈解体処理〉:解体出来るモノなら何でも解体し個々の素材にする。その際、不要なモノは消去する。』
というスキルを入手、手をかざしていたウルフの死体は素材となった。牙・爪・骨・毛皮・肉・etc・・・、細かく解体されている。これはかなり助かるな、素材にならない物は消去されるってところが。超優良スキルじゃないか、〈解体処理〉。このスキルの素晴らしさは分かった、後は検索で・・・。
周囲に散らばるウルフの死体を、ウルフ・死体・〈解体処理〉・〈収納〉・検索!・・・をして処理しました。一応・・・一覧で確認しましたが、大量の素材で一杯ですな。素材を大量に入手したし、水に準ずる液体も食料も入手した。これ以上はもう良いだろう、コテージに帰って飯を食って色々考えよう。俺が凄いってーのは分かったが、これから先・・・どう動くかもじっくり考えないと。この世界で生きる為に、どうするかってことをね・・・。さて、帰るまでが遠足というからな!気を引き締めてコテージへと戻ろう、ウルフ以外の何かが襲ってくるかもしれんし。
目印にしていた木を収納しつつ、俺は自分の拠点であるコテージの方へと歩いていく。途中、幾度となくウルフに襲われたが。・・・というか、ウルフにしか襲われていないのだが何故だろう。他の魔物はこの森にはいないんか?・・・まぁ良いけど。最初の内は一切出てこなかったのに、一度遭遇したら連戦だよ。どんだけ多く生息してんの?この森はウルフの森なんか?きっちり殺して素材を回収していますけど。早くコテージに戻って休みたい、流石に疲れますぜ・・・精神的に。
しかし、コテージへ近付くにつれ何かを感じる。よく分からんけど妙な気配?異世界的に言うなら魔力的な何かだろうか、俺のコテージに問題発生か?もしそうならばそれは勘弁、すぐに建てられるけど気持ち的問題で堪える。拠点が駄目になるのはヤバイ、・・・どうか何にもありませんように!
・・・なんて思っていたのに、フラグってヤツですか?コテージの前に魔法陣?幾何学模様の円があり、淡く光輝いている。何か厄介事が起きそうな気がする、・・・近付きたくないんだけど。されど、近付かなければ休むことが出来ない・・・が、嫌な感じはしない。うーむ、本当に分からん。
暫く考えてみたけど、嫌な感じはしないってことで近付いてみる、・・・休みたいしね。さて・・・どうなるか、と思ったんだけど俺が近付いた瞬間に魔法陣が・・・!
「まぶしっ!!」
めっちゃ光りまして・・・。手で光を遮り目を瞑る俺、何が起きるんだよ!!
うーむ、どうしようか。
こちらばかり考えてしまう。
兎に角、あっちも考えないと・・・とは思うもののままならないものよな(汗