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知らぬが故の手紙

作者: 直美

貴方は知らないだろう。私が天然で、以外にツッコミ系キャラだということを。時々、ボケもやったりしますが(苦笑)。

最近感じます。内気な私…内弁慶な私を貴方は知らないだろう。

しかも、エセ関西弁、エセ博多弁、鹿児島弁(これは少し)等を多用してしゃべる私。主語は、ウチ、アタイ、ワシ等と使いまくってる私を知らないだろう。

最近、気付きました。貴方と私がたとえ機会があっても話すことはないだろうと。私は人見知りが激しく、無口ですから。友達や家族の前では六口だというのに(また苦笑)。

私が貴方を99.99999…%知らないように、貴方は私を99.99999…%知らない。

私は存在感のないまるで亡霊な人だから、貴方はもう忘れているでしょう。

悲しいけど、それでいいんです。私が願ったことだから…。

でも、私は恐れています。貴方を想う私が生霊となって、貴方に憑いていないか。それほど、私は貴方を想っているのです。情が深いのか、一途なのか、ひた向きなのか、知りはしませんがそのようなものが私を駆け巡って、蠢いて、形作ってる気がするのです。私の分身という生霊を。

夢で、目覚めたとき、貴方の残像を見ました。クリアな映像は私が最後に見た貴方の面影。横顔に心はハッとし、瞳が潤みそうになりました。馬鹿ですね。本人を見ても涙はでなかったのに面影に心震わせるなんて。いえ、本人にはドキドキしたのですが…(またまた苦笑)。

辛いです。こんな想い捨てちまいたいくらいです。それができません。

なぜだか、貴方に固執してます。そこまでいい男でもなかった気がするのですが…まっ、いい女ではない私が言っては失礼ですね。

貴方にとって私は全然タイプじゃないし、眼中外。むしろ、嫌われてたかな?近くにからかいがいのある可愛い女もいたことだし。実際、からかって遊んでましたね。その無邪気さにひかれたのかもしれませんね。

あの頃がフラッシュバックします。伝票見てるときとか、制服着た人見たときとか、ため息でちまうんですよ。青息吐息ですかね〜。

そう一つ印象的なことがあったのを貴方は知らないでしょう。出会い頭でぶつかりそうになったこと。貴方に私は最高の笑みで謝れたでしょうか?精一杯の愛嬌を込めたのを覚えてます。恥ずかしくてすぐに顔をそらしたことも、貴方が普通だったことも覚えてます。

そう言えば、壁に拳をぶつけまくってたところを目撃されたでしょうか?私は存在薄い上にドジだったので…いや、今もですが。嫌われていたのでイライラして壁にあたってストレス解消してたんです。暴力的でしょ。私からそんなこと想像できましたか?ほんまは蹴がしたかったんすけどね。さすがに目立つので控えてました。

今でも自分を取り繕ってます。無言、無表情で、会釈したときに気付いたでしょうか。

貴方がいると思うと緊張して、アーメン、そーめん、坦々麺と内心呟きながら、ほぞを噛み笑いを堪えてたなんて気付きましたか。

さて、ここらで筆おさめとしましょう。

今まで書いた貴方への徒然なる想い…手紙がほんまもんか、えせもんか、それは貴方の判断次第です。

これは全部ウソです。

それが貴方のためにも…いいえ、私のためにとって一番いいのだと思います。



終わり

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