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第10話  血の涙の4日間 後編

そして私は決断した。生き残ったブルーティアーズ連隊の兵を集めた。その数600人、また多くの者が負傷していたので、まともに戦えるものは480人しかいなかった。


私はその480人を引いきて最初に異変のあった嘆きの洞窟に向かう事にした。私の感が、そこに魔女達がいると確信していたのでな。


生き残った白羊騎士団200名程にセントティアーズの防衛をまかし、夕刻までに戻らない時は全員退去する事を条件に、我々は午前中に出発し、正午には嘆きの洞窟の入口に立っていた。


その頃になって、ようやく神殿騎士団の先遣部隊である第1連隊が、セントティアーズの町に到着。その半時後には白羊騎士団の本隊の2連隊と神殿騎士団の本隊も到着したそうだ。


そして我々は洞窟に潜入した。その洞窟には、多くの獣人や魔族がいた。昨夜の戦闘の疲れを癒していたところに、我々は急襲することに成功した。


敵を不意をついた我々であったが、魔女の登場で我々は苦戦することになる。魔女は高位魔法を連発し、多くの仲間が倒れてゆく・・・。


そしてあの大隊長のアルベルトは、勇猛果敢に魔女に襲い掛かった。その戦いぶりはほんとに凄いものだった。そんなアルベルトを援護する一人の女性魔道士がいた。


その女性魔道士とアルベルトの連携攻撃に魔女は押されていた。その証拠に魔女は洞窟奥に後退していった。その魔女を追うようにアルベルトと一人の女性魔道士は洞窟の奥に消えていった。


私と生き残った兵は、他の魔族や獣人と戦っていた。そして多くの仲間が倒れていった。そして全ての敵を倒し辺りを見渡すと私を含めて12人しか生き残っていなかった。


そんな激戦を繰り広げている頃、セントティアーズの町から白羊騎士団の本隊の2連隊と神殿騎士団の本隊合計約1万の大部隊が嘆きの洞窟に増援向かった。


洞窟の奥に消えていったアルベルトと女性魔道士を探しに、生き残った12人で洞窟の奥に向かった。


洞窟の奥に進むと大きな広い空間に出た。その中心にアルベルトは膝を着き涙を流していた。片方の目を負傷し血の混じった涙を流しながら・・・。


アルベルトの横には剣の刺さった黒焦げた女性らしき遺体が一体だけあった。


アルベルトは放心状態で何も言葉を発することはなかった。


そして、ようやく神殿騎士団と白羊騎士団の援軍が到着する。我々は救助された。生き残ったのは13名のみだ・・・そしてセントティアーズの町に戻った。


3日後、アルベルトは私に除隊する事を願い出た。妻の故郷で家族と一緒に帰って暮らしたいと言ってな。


もちろん慰留はしたが意思は固かった。そして私は最後に私は彼に聞いた。あの洞窟の広間で何があったのかと・・・。


彼は、こうつぶやいた「10年後に魔女は復活する・・・また大きな戦が起きる・・・我々はそれに備えないといけない・・・」とだけ語った。


そして彼はセントティアーズの町から出て行った。


私も多くの部下を亡くし、町の住民に多くの被害を出したので軍を辞める事にしたが・・・その後はあなたの知っている通りだ。


私個人的には、受勲も断りたかった。私は約2000の直属の部下のうち1800人以上の部下を亡くした。また援軍に来た部隊からも多くの死者を出し、セントティアーズの住民も多くの犠牲者を出した。


だが国は、それを許してはくれんかったよ・・・獣人魔族連合を倒した名将として私を担ぎあげたかったんだな・・・。連合王国内のの地位と国内の結束。そんなつまらん理由の為にね。


ケビン「私にとっての聖十字勲章とは・・・多くの犠牲者を出した罪の証だよ。無能な指揮官だったとこれでわかっただろう?」


ユリア-ノ「つらいお話をさせてしまい失礼しました。ですが戦には犠牲がつきものです・・・。あまりご自分を責めないでください・・・。もう一つだけお聞かせください。」


ケビン「歴史上決して表に出てくることのない、名もなき影の英雄にされてしまったアルベルトと魔道士の事ですかな?」


ユリア-ノ「はい」


ケビン「アルベルトはその後、家族とともに天空の町コートタシュールに移り住んだ。そこには妻の祖母が住んでいるそうでなぁ~祖母に子供を預け仕事をしてたらしい。魔道士の事は未だにわからん。」


ユリア-ノ「あの大魔道士シャントマリア様が住む町ですね。ん??アルベルト様の奥さまは?」


ケビン「血の涙の4日間の時に亡くなってそうだ・・・私も後から聞いたのだ。」


ユリア-ノ「そうでしたか・・・」


ケビン「そこで仕事をしてたのだが、その仕事ってのが魔族や獣人を退治することでなぁ~。その噂があちらこちらに広がり、依頼も増えたのだが・・・弟子入りするものが多く現れたそうな、魔物に家族を殺された遺族の元騎士や魔道士などがな」


ケビン「そんな噂話が、セントティアーズの町にも流れてきた。そして、あの嘆きの洞窟で生き残ったワシ以外の者11人は彼の元に行くことになる。」


ケビン「生き残った彼らは、すべてアルベルトの部下で、小隊長であったり、中隊長などの強者ばかりじゃ。彼らはアルベルトの元に集い、レッドティアーズを結成する。」


ケビン「もちろんあの血の涙の4日間が、名前の由来だ。彼らは赤い血を浴びることが多いので赤い戦闘服に身を包んだ。そしてレッドティアーズは大きく成長してゆく」


ケビン「そして彼らの組織は1000人規模の傭兵集団になった。また組織が大きくなると、ヨーロピアン連合王国も無視できない存在になった。その頃ころに、私は彼らのところに赴いた女王様の命を受けてな。」


ケビン「そして私は女王の依頼で、アルベルト達と再会を果たした。彼らの目的を聞き、ヨーロピアン連合王国が組織が大きくなるにつれ懸念を示していることを伝えた。」


ケビン「そして彼らの目的は・・・そう・・・きたる魔女復活の戦いに備える為だった。どの王国とも戦火を交えるつもりは無いと断言してきた。」


ケビン「そして私は、一度ウィンザーに戻り。女王様に報告し懇願したのだ。私もレッドティアーズに入る許しをもらう為にな。」


ケビン「王国側は初めは難色を示した。そして私にいくつかの条件を言ってきたのだ。そう・・・私が王国とのパイプ役となり監視をする事と、それと各王国からの依頼も受ける事。」


ケビン「また各物資の補給と野営の設営場所の確保等々に便宜を計る事、これも連合王国の監視下に置くためだな。レッドティアーズとその活動をワシが監視し報告する事、活動する国の各国軍と共闘する事とした。」


ケビン「それでやっとグレートブリテン王国は認めた。レッドティアーズと王国は調印した。そしてグレートブリテン王国のはからいで、他のすべて王国とも調印した。」


ケビン「まぁ~この辺の事はユリア殿も知っておりますな。」


ユリア-ノ「ええ、知っております。」


ケビン「そして、すべての王国と調印を済ます頃には、更に組織は大きくなり。紅い戦闘服を着ていたので、紅の旅団と正式名称が与えられた訳ですな。そして現在に至るわけです。」


ユリア-ノ「そうでしたか・・・そのようないきさつでの繋がりでしたか。」


ケビン「ご理解いただけましたかな?」


ユリア-ノ「十分に理解させていただきました。魔女の件が気になりますね。」改めて立ち上がり握手を求めた。ケビンはそれに応じた。


ケビン「ところでユリア-ノ将軍、例の東方の国の件ですが・・・・」


ユリア-ノ「ユリアで構いません。東方の国の情報ですが、ポルガルに半年ほど前に、4人の者が入国したそうです。表向きの入国理由はヨーロピン王国連合の各王国との友好大使としてですが」


ケビン「4人ですか?ユリア殿」


ユリア「4名と聞いております。また、ポルガルでは色々と親善の為の1週間ほど滞在して活動をしていたそうですが他の王国も回るといってポルガルを出たそうですが・・・、わが国を含めて他の王国での活動の記録は一切無いです。」


ケビン「秘密裏に何か活動していたって事ですかな・・・」


ユリア「そう考えるのが妥当でしょう。また別の情報では大和の国は修羅の国といって、長い間国内で内戦状態にあるそうです。ですが、あの超大国モンゴリアン帝国の侵略を受けた事があったそうですが、その時は国の有力者が結束して20万の大軍勢を打ち破っております。」


ケビン「なんと!あのモンゴリアン帝国ですか?」驚きの表情で聞き入る。


ユリア「そう聞いております。そのモンゴリアン帝国の敗戦のおかげで、我らヨーロピアン連合王国の侵攻が終わったようです。それが無ければ我が王国も戦火に巻き込まれたでしょう。」


ケビン「ん~~む・・・凄き強国ですなぁ~。」


ユリア「そして現在の大和の国は皇帝がいるそうなのですが、実際の権力は、侍大将という肩書を持つ者が政権を握っているそうです。」


ケビン「なるほど・・・」


ユリア「それと、もう一つ面白い情報が・・・。大和の国では侍と言う正規軍がいるそうですが、別に忍者と言う特殊な武術や魔法を使う者がいるそうです。」


ユリア「少数で隠密に活動し、戦闘はもちろんの事、破壊活動や暗殺など,陰で暗躍している集団のようです。実態は謎めいているそうです。私の得た情報はこんな感じです。」


ケビン「それは気になる情報ですな・・・ユリア殿、貴重な情報ありがとうございました。」ケビンの顔が曇る。


ユリア「最後にもうひとつ、ケビン殿は魔女が本当に復活し、大きな戦が起きるとお考えですか?」


ケビン「アルベルトは嘘をつくよな人間ではありません。ですが魔女については謎が多い。私にもわかりません。ですが、それに対抗する力は必要と思います。それが紅の旅団です。」


コンコンとドアを叩く音がした。「ケビン大佐殿!そろそろ飛行艇の出発のお時間です。」


ケビン「おやおや時間が経つのは早いですなぁ~。」


ユリア「そういえば、ご子息のジュク様はお元気ですか?」今までとは違ったにこやかに笑う女性の表情で聞く。


ケビン「ん??息子を知っておるのですか?」驚いた表情で聞き返す。


ユリア「ええ~まぁ~」と不敵に笑う・・・。


ケビン「あやつは、ブルーティアーズ連隊第2大隊の副隊長をしてましたが、どうも軍人は性に合わないと言って退役し、今はセントティアーズ聖教会でエクスシストをしておりますよ。」


ユリア「まぁ~そうでしたかぁ~面倒見が良く、心優しいお方ですからね~。」又にこやかな表情で言った。


ケビン「どのような御関係ですか?同じ部隊に所属なさっておりましたのかな?」不思議そうに聞く。


ユリア「まぁ~そんなところですかね。ジュク様にお伝えください。ルカが首を長くしてプロポーズを待っていますよと。早くしないとお婆になってしまうとね。」にこやかな表情で言ったw


ケビンは口に含んだ水を噴出した。


ユリア「では未来のお父様。いえ、ケビン大佐!またお会いできる日を楽しみにしております。これで私は失礼します。」


「マックス中佐!ケビン大佐に大和の国の詳細な資料を!それと飛行艇に御案内しろ!」


その顔はもう屈強な女将軍の顔に戻っていた。対照的に、ケビンは口をあんぐりあけて情けない顔になっていたのは容易に想像ができることでしょう。


ハイペースでここまで来たのですが仕事が忙しいのでペース落します><ノ


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