第二話
第二話
爆発音がした方に行くと、校舎の中庭側がかなり酷く損傷していた。
「爆弾でも爆発したのか…?」
そう思うが、それにしては焦げ目がないし、匂いもしないと思っていると、劉輔に中庭に連れ出された。
…そこには、神がいた。
中庭には、竜がいた。
俗に言う西洋竜で、全身が純白で、翼に金と黒の色の模様があった。
角は左右に一本づつ。眼の色は、周りが漆黒で、中心は燃え盛るような赤銅色。
体長が15〜17メートル位だろうか?
大口を開けて固まっていると、その竜の周りが薄く光だした。
暫くすると、白髪で長髪の絶世の美女が立っていた。
腕や足などの太さや長さ…適度に太く長いが、太すぎず、長すぎずちょうどいい。
胸…大きさは両手で覆っても溢れるほど。
顔…これはもう言うまでもないが、これ以上あるかと言うほどの美しさ。
…うん、文句なしのオールグリーン。
一瞬で、俺はそうこの美女を判断した。
…が、その竜かもしれない美人になぜ俺は抱き締められているのか?
…全くわからんが、暫くはこの感触を思う存分堪能しよう。
因みに、どうしてこうなったかは、少しばかり時間と世界を移動しないとわからない…
--一時間前--
第一世界・ラーズセンド
ここ、ラーズセンドでは短期の出張によって、最高神である祖龍神帝が不在である。
さらに、祖龍神帝には最高神が一名ついていったため、現在は祖龍神帝の妻である、
雷帝グレナルド・フェル・フェイラースト(フェイス)・ゼロフィルス・ヴァンフォート・ダーディング等が
その業務を全て行っている。
--ラーズセンド 中央零区 バベル最上部 帝賓館 祖龍神帝・天雷帝執務室--
「あ〜、やる気が起きないわ〜」
そう言ったのは、最高神の妻であるグレナルド・フェル・フェイス。
その素晴らしい足脚を組んで椅子に座っている。
「そう言うな。俺達も辛いんだから」
「そうよ!私達全員が辛いんだから、我慢して!フェイス!」
それに答えたのは、神の最高位である最高神の1人、
最高神 序列四位 水雹帝ホルカディア・イル・バーティアス(バース)・ハルベルウス・ヴァンフォート・ダーディングと、その妻、
神階級最高位第三十三位神、氷帝ホルカディア・イル・ラルフォート(ラルト)・ハルベムールス・ヴァンフォート・ダーディングだ。
「いや、だってさー。仕事つまんないし、クレルドには会えないし…」
「「我慢してくれ(よ)!」」
「だって〜……」
「だってじゃない!仕方ないだろうが、あの世界の者たちに我々の存在を示すまで、クレルドたちには会えないのだから」
そう、祖龍神帝と多数の幹部の任務とは、神の存在を知らない第4607世界の者たちに、神の存在を示すこと…
それが終わるまで、混乱を避けるために部外者は神すらでも進入禁止となっているのだ
「でも、かかりすぎじゃない?15年は?何かあったのかしらね?」
「確かにそうだな。いままでのは、最短で一年、最長で十一年だからな。だが問題は無いだろうクレルドがいれば…」
「はっ、もしかしてクレルドが危ないんじゃ!そうだったら大変!直ぐに行かなくちゃ!!」
そう言うと、フェイスは異世界転移術を使って、一瞬で行ってしまった。
「おい!ちょっと待て……。ち!、行ってしまったぞ!」
「と、取り敢えず、残りの八帝を集めてフェイスを追えるようにしましょう!」
「わかった!収集をかけておいてくれ!俺は軍部に連絡するから!」
「わかったわ!」
そうすると、二人は執務室からいなくなった。
この事件が、全ての始まりだと彼らが知るのはかなり後の事だ…
そう、この時全てを知っていたのは、たった"四人"だけだったのだから…
水雹帝は、(スイヒョウテイ)と読みます。
因みに、神様は殆どが本当の姿は竜、もしくは龍です。
一応連絡(。